研究成果
硬膜移植歴を有するクロイツフェルト・ヤコブ病117例の硬膜移植から発病までの期間の分布(中村好一)
CJDサーベイランス委員会において2005年9月までに判明した硬膜移植歴を有するクロイツフェルト・ヤコブ病の患者は56名であった。現行のサーベイランスシステム開始以前の全国調査(1996年)、および厚生省調査(1997~1999年)で判明した例を含めて、合計117例が確認されている。硬膜移植からクロイツフェルト・ヤコブ病発症までの期間は平均130.0(標準偏差:53.7)月、最短14月、最長275月であり、分布は図の通りである。これまで報告された患者の多くは1980年台(硬膜の処理法が変更された1987年以前)に移植を受けており、たとえば1985年に移植を受けた患者が上記の最長の期間(22年)後に発病するとすれば2007年となる。従って少なくとももう数年は硬膜移植歴があるクロイツフェルト・ヤコブ病の患者が出現すると推測される。