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研究成果

JC virus感染におけるウイルスタンパク質agnoproteinとFEZ1の相互作用の機能解析に関する研究 (長嶋和郎)

JC virus (JCV)のゲノムは約5 kbの二本鎖環状DNAで、6つの遺伝子をコードしている。このうち後期転写領域に存在するagnoproteinはウイルス感染にとって必要不可欠な分子であると報告されているが、agnoproteinがどのようにウイルス感染を制御しているのかは不明である。本研究では、JCV agnoproteinのウイルス感染における機能とその分子機構を明らかにするために、Yeast two-hybrid法を行ない、agnoprotein結合タンパク質を検索し、ウイルス感染過程におけるagnoproteinと宿主側のタンパク質の相互作用について分子生物学的、生化学的手法を用いて解析を行った。その結果JCV agnoproteinはウイルス感染の阻害因子であるFEZ1の機能をFEZ1と微小管の結合を阻害することにより抑制し、その結果、効率良くウイルスを伝播させることにより、ウイルス感染を制御していることが明らかになった。

長嶋和郎図の説明:FEZ1過剰発現細胞におけるJCV粒子の局在。各細胞株にJCVを接種、1週間培養後に固定し坑VP1抗体で蛍光免疫染色を行い、共焦点顕微鏡にて観察した。Parentとmockの細胞では、VP1は核内および細胞質に点状に局在するのに対して、FEZ1を過剰発現させた細胞ではJCV粒子は核内のみに局在した。

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