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研究成果

末梢投与型プリオン病治療予防薬の開発に関する研究(堂浦克美)

これまでのプリオン病の実験的治療研究において、キナクリンやキニーネを用いた経口投与療法は、副作用が頻発し効果は一過性であることが判っている。一方、ペントサンポリサルフェート脳室内投与療法は、その安全性と効果について検討されているところである。キナクリン投与療法などの臨床研究に比べて、ペントサン投与療法では持続注入装置の体内埋め込みやカテーテル脳室内留置のための外科的処置を必要とすることが、臨床研究実施の障害となり、実施施設が限られている。やはり、通常の薬剤投与法である経口、静注、経皮、皮下投与で有効な治療薬を開発する必要がある。
これまでに、我々はアミロイド親和性化合物にプリオン病治療効果のあることを報告しているが、これらは静脈内投与により脳移行性があり脳内に沈着した異常プリオン蛋白に結合して治療効果が観察されたものであった。今年度は、さらにこの方向での研究を発展させ、複数のプリオン株を脳内感染させたプリオン病モデルマウスにおいて脳移行性に優れているものについて経口投与で検討を行った。その結果、著明な予防治療効果を示す化合物があることが明らかとなった。

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