京都府立医科大学 法医学教室
Department of Forensics Medicine , Kyoto Prefectural University of Medicine
法医認定医研修施設A(日本法医学会)・Ai認定施設 施設A(オートプシー・イメージング学会)・小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録施設(日本医師会)・日本口腔科学会研修施設
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解剖に関するご相談・ご質問は 070-6507-0261 清水
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教室概要
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法医学センター
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研究
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教室員紹介
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法医学センター について
京都府立医科大学法医学教室では、法医学センターを設置し、
1)法医学部門
2)法歯学部門
3)法中毒学部門
4)法看護学部門
の4部門で広範囲の法医学実務を遂行しています。
法医学部門
法医鑑定の対象は、死者に対する死因究明、個人識別、生者に対する生体鑑定が主たるものです。
鑑定の際には、法医学部門、法歯学部門、法中毒学部門、法看護学部門の4部門が強力なタッグを組んで行います。
その中で、法医部門は、主に死亡時画像診断、法医解剖、病理組織検査を担当しています。当教室の特徴には、以下のようなものがあります。
【死亡時画像診断】
2010年から、ご遺体専用のCT撮影装置 Aquilion(Canon)を当教室で所有しています。解剖を行うご遺体に加え、解剖予定のないご遺体のCT撮影も警察の依頼に応じて行い、定期的に放射線科専門医を交えたCT読影会を行っています。年間300-400件程度の撮影を行っています。
【法医解剖】
2023年6月現在、日本法医学会法医指導医1名、同法医認定医4名、死体解剖資格認定4名の9名体制で解剖を行っています。当教室では、法歯科医である歯科医師も執刀を行います。同時に2体以上の解剖も実施可能です。解剖補助は、臨床検査技師、法看護師、大学院生が主に担当しますが、執刀医も定期的に解剖補助を担当し、不測の事態が生じても人員不足で解剖ができないという状態に陥らないように努めています。
年間100件程度の解剖を行っています。
【病理組織検査】
当教室には自動包埋装置、自動染色機、自動封入機を導入し、業務の自動化に取り組んでいます。また、標本画像はバーチャルスライドスキャナによりデジタルデータ化しています。担当は、教室所属の臨床検査技師が病理組織標本を作製しています。
法医鑑定の際には、解剖所見のみならず、解剖写真、死亡時画像、組織検査、歯牙鑑定、薬毒物検査、血液生化学検査等、多岐にわたる情報を集約する必要があります。これらのデータは各部門が担当した情報を登録し、当教室独自に作成したデータベースに紐づけして、ID、PW管理の元、教室専用サーバを通じてどのパソコンからでも各種情報にアクセスできるようにし、情報の共有、作業の効率化を図っています。
法歯学部門
法歯学部門で行う業務をご紹介します。
1.歯科治療所見による身元確認
身元不明のご遺体が発見された場合、警察から依頼を受け、歯科治療所見から身元特定を行います。デンタルX線(レントゲン)撮影やCT撮影も併用します。また、当教室では、歯科治療所見のデータベースシステムの構築にも取り組んでいます。
2.歯からの年齢推定
人は、食事をしたり、歯ぎしりをしたりして、毎日少しずつ歯がすり減ります。年齢が上がれば、歯のすり減りも多くなります。この歯のすり減り度合い(咬耗度)を元に、年齢推定を行います。ただし、治療された歯や入れ歯があることもあるので、推定には専門的な知識が必要となります。
3.バイトマーク鑑定
バイトマーク(噛み付いてできた歯形)の鑑定を行います。意思表示が充分にできない子供や高齢者等が虐待等により噛みつかれた場合や、被害者が抵抗して相手の腕に噛みついた場合などの咬傷鑑定が主な事例です。
4.その他鑑定
その他にも、歯や歯科治療に関する内容の鑑定を依頼されたり、裁判で専門家証人を依頼されたりします。
5.警察歯科医とのミーティング
数ヶ月に1回、警察歯科医の先生方のミーティングに参加し、法歯学や災害時歯科医療に関する知識の共有、情報交換を行っています。
6.法歯学ケースカンファレンス
Web会議システムを用い、東京医科歯科大学法歯学分野とカンファレンスを定期開催しています。
7.京都法歯学セミナー
数年に1回、全国から講師を招き、セミナーを開催します。
【当教室にご興味がある歯科医師の先生へ】
上記のような法歯学分野の鑑定を行うためには、歯科臨床経験が必須であると考えます。なぜなら、新しい器具の使い方や新しい材料についての知識、さらには最新の手技・手法を常に学ぶ必要があるためです。若手の先生には、歯科臨床もできる法歯学者を目指していただきます。歯科医業を行う場所がない先生には、派遣先を手配します。
また、当教室では歯科医師も法医解剖に携わり、希望者には死体解剖資格を取得するための指導をしてもらえます。
法中毒学部門 部門長 新谷香
法中毒学部門では、解剖検体の薬毒物分析や薬物中毒に関する研究を行っています。
1.解剖検体の薬毒物分析
毒物混入による殺人事件、毒ガス吸引事故、薬物過剰摂取による自殺、飲酒運転による死亡事故等、薬毒物が関与した異状死は少なくありません。しかし、薬毒物摂取は検視や解剖時には気付かれないことも多く、犯罪が見落されやすい事案です。そのため、全例について薬毒物の関与を疑い、薬毒物スクリーニング検査(体内に残存する薬毒物、あるいはその代謝物を検出する検査)を行う必要があります。当教室では、LC-MS(QTOF、MS/MS)やGC-MSといった大型分析機器を設置し、1,200種類以上の化合物が検出されるシステムを構築し、全例検査を行っています。
2.薬物中毒に関する研究
薬毒物の鑑定精度を向上させるためには、分析・検査の技術開発だけではなく、薬毒物の性質や中毒の病態を明らかにする必要があります。
当部門では以下のような研究を行っています。
・薬毒物中毒の症例検討
・薬物の死後体内分布
・薬剤性高体温など体温調節障害の解明
法看護学部門
本部門では、以下の業務を行っています。
1.生体鑑定
児童虐待、DV(ドメスティックバイオレンス)、性犯罪および傷害事件等での創傷の生体鑑定を行っています。
生体鑑定とは、事件等で発生した創傷について、刑事裁判等の証拠として採用され得る第三者性の高いエビデンスを取り、鑑定書・意見書等を発行する業務です。 個人様からの依頼には応じられませんので、警察署、児童相談所等の機関を通してお問い合わせください。
2.解剖遺族アドボケイト
司法解剖、行政解剖等の遺族の擁護(advocate)を行っています。
突然の家族の死に直面した遺族等に必要な支援を行っています。必要な手続きに関する支援(検案書の再発行手続き等)を行ったり、解剖遺族の心のケアを行ったりしています。 定例で解剖遺族の会を寺院等で開催しています。故人を偲び、自らの気持ちを確認することを一緒にいたしましょう。
どなた様でもお問い合わせください。
3.みやこ法看護研究会
高齢多死社会での在宅死、虐待、医療事故・介護事故等の諸問題、児童虐待・DV等の社会的弱者の抱える諸問題、等の法律と医療がクロスオーバーする領域において研究・提言をしていく研究会を定期開催しています。興味のある方はお問い合わせてください。
4.依存症研究
ニコチン依存症、アルコール依存症の薬物中毒、ギャンブル依存症、スマホ依存症等への法規制や、喫煙防止教育、依存症治療について研究しています。
5.研究倫理・医療倫理
iPS細胞を使用した高度医療等の臨床研究、医療事故調査制度等の医療の安全といった諸問題の研究を行っています。
実務
死後CT画像
当教室では、解剖前に病変をある程度把握し、より確かな死因の診断を行うため、CT装置によるご遺体の画像検査を平成22年1月18日より開始しています。 現在、病院に設置されている患者様用の装置をご遺体の検査に使用することは、様々な意味で許されないのが現状です。 当教室では、大学の法医解剖室にご遺体専用のCT装置を設置しています。ご遺体に対するCT検査による病変の診断は、未だ確立されたものではありませんが、 CT検査のみで安易に死因を診断せず、死因が判然としない場合には解剖を行い確かな死因究明に努めています。
法医解剖実務
当教室は、京都大学法医学教室と協力し、京都府内の司法解剖及び承諾解剖を行っています。 犯罪数の増加に伴って、京都府内の司法解剖は年々増加傾向にあります。 京都府の大学である京都府立医科大学は、府民のための医療サービスの一環として、解剖を通じた京都府の犯罪の解決、治安の維持に尽力しています。 平成20年4月より、司法解剖において日本で初めて警察の費用負担による正式な専門医学検査(他科への診断検査依頼)の実施を開始いたしました。 法医学だけでなく、臨床医学との連携により死因診断力の向上に努めています。
解剖依頼について
京都府立医科大学法医学教室では、解剖検査のほかに・薬毒物の検出・血液、血痕や各種体液の鑑別・DNA検査等様々な検査を行っておりますが、 一般の方からの直接の申し出による解剖・薬毒物検査等は一切行っておりません。 すべて、警察を介してのみ行っております。
京都府内では、年間約3000体弱の異状死体が発生しており、検視・検案が行われた後、死因不明か事件性があると判断された約200体に対して解剖検査が行われています。 通常、ご遺体が発見された場合には、事件性がある場合には、司法解剖となります。これは全額国費の負担で行われます。 解剖検査のほか、病理組織検査や薬毒物検査もなされ、正確な死因が究明されます。 なお、このような解剖・薬毒物検査等を行っても、死因が不明な場合が約15%程度は存在するといわれております。
現在、京都府では事件性がないと判断された場合でも行政負担で承諾解剖が可能です。 検査内容は限られますが、死因が判明することがあり、保険等の請求に影響することがあります。 ご家族の死因に対して疑問をお持ちで、死因究明をご希望のご遺族の方は、まず警察署にご相談ください。
ご遺体でなくとも、警察の依頼により、尿や血液、毛髪などを用いた各種薬毒物の定性・定量検査も行っております。
司法解剖の結果の詳細については、ご家族といえども嘱託者である警察署長の承諾なしには開示することはできません。 鑑定結果の詳細をご要望の場合は、警察署にご相談ください。
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