研究

医事法・生命倫理研究

最近の業績としては、脳死・臓器移植法、臨床研究のルール、医療基本法、医療ADRに関するものなどです。 また、病院内倫理委員会や医療安全など附属病院におけるニーズに対しても研究の実践的応用を目指した活動をしています。

法中毒に関する研究

解剖事例における死因究明の一環として、生前におけるアルコールや薬毒物摂取の状況を明らかにしています。 司法解剖や警察捜査で得られた血液をはじめとする試料中における薬毒物の有無、薬毒物の存在を確認し、 その薬物の同定・定量、そして体内分布を明らかにする死因解明にとって非常に重要な役割を果たしています。 さらに、解剖事例から得られた知見を基にした薬毒物中毒および薬物依存に関する基礎研究にも、積極的に取り組んでおります

飲酒行動・アルコール依存形成の医学生物学的研究

当教室では、ヒト飲酒行動の多様性とヒトアルコール依存形成機序解明における中心課題であるアルコール耐性形成を、 ヒトに外挿できるモデル動物を作製し神経薬理学的神経化学的に研究を行っています。

脳虚血再灌流障害にみられる脆弱性と抵抗性についての研究

脳虚血再灌流障害は重篤な後遺障害を残します。一方、虚血抵抗性を示すことも報告されています。 虚血に対するこの脳部位特異性抵抗性について神経化学的に検討を行っています。

加齢にともなう食行動(食習慣)変化について

エージングにおける食行動(食習慣)変化を視床下部レプチン、グレリン、NPY、 脱共役蛋白質等の食行動内因物質活性と縫線核(正中灰白質)セロトニン神経系活性の相互関係から検討を行っています。

代替医療、鍼灸治療効果の神経化学的研究

ストレス負荷、各種薬毒物投与等のモデル動物を作製し、特に鍼灸治療効果を神経化学的に検討を行っています。

補完代替医療の法的問題についての研究

補完・代替医療とは、アロマセラピーやカイロプラクティックなどの「西洋医学以外の医学」を指し、現代の医療を支援する存在として注目されています。 ところが既に、補完・代替医療は無免許者による施術によって損害が発生するなどいくつかの問題を抱えています。 訴訟が提起されることもめずらしいことではなく、今後さらに多様な法律的問題が浮かび上がってくる可能性は高いと推察されます。

身元不明死体の出身地域推定法の開発

科学警察研究所、千葉大学法医学教室と共に、増加し続ける身元不明死体に対し、ヒトDNAに加えて、JCウイルス、 BKウイルス、EBウイルス、カンジダアルビカンスなどのウイルスや真菌のゲノムを指標とした出身地域推定法を開発し、鑑定に応用しています。

DNAチップを用いた血液型感染症検査法の開発

当教室では、科学警察研究所とともにDNAチップを用いて犯罪捜査の際に用いられるABO式血液型判定に利用するためのDNAチップを開発しています。 また、ご遺体や検体の取り扱い時に問題となる感染症についても、その感染症の危険性の検証を行うとともに、迅速判別法を検討しています

医師法21条とインフォームドコンセントとの関係について

医師には医師法21条によって異状死体の届出が義務付けられています。 医師法21条の異状死体に医療行為関連死が該当するかについて、その定義が定かではないため、臨床系学会と法医学会との間で意見の隔たりがあります。 当教室では異状死の届出を行うか否かの意思形成にあたって、医師が通常行っているインフォームドコンセントが深く関係していることを明らかにし、 医師法21条とインフォームドコンセントとの関係について研究を行うと共に、医事法や医療倫理について広く研究しています。

異状死と環境因子との関係について

以前から天気や気温などさまざまな環境因子と犯罪の関係について指摘がなされていますが、 当教室では司法解剖を通じて、こうした環境因子と犯罪との関係について研究を行っております。

研究/倫理審査

法医学分野への機械学習手法応用の有用性の検討

京都府立医科大学法医学教室では、当教室で施行された検査結果(画像検査や血液検査結果等)及び連携施設より提供された画像データ等を用いた死因究明及び個人識別の方法の検討に関する臨床研究を実施しております。
実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
【研究の目的】
御遺体の死因究明に死後画像検査が用いられることが増えていますが、死因が判明することは3割程度と多くありません。近年、様々な分野で機械学習が取り入れられ、高い精度を示すと報告されています。血液検査等の他の検査結果も鑑みながら、機械学習手法を用いたより高い診断能の獲得を目指します。
また、法医学の役割として身元不明者の同定があります。機械学習を用いながらより有用な方法の確立を目指します。
【研究の方法】
・対象となる方について
 2009年3月31日から2028年3月31日までの間に、京都府立医科大学法医学教室で画像検査を受けられた方
・研究期間: 医学倫理審査委員会承認後から2028年6月30日
・方法
 当教室において画像検査の施行とともに、生化学検査や骨密度検査等の他の検査も併せて行い、より正確な死因究明、個人識別に役立ち得る方法の確立を目指します。
・研究に用いる試料・情報について
 情報:画像検査結果(臓器の形状、臓器の画像上の陰影等)
    血液検査等併せて行った検査により得られたデータ(生化学検査結果、薬毒物検査結果,骨密度検査結果等)
 試料:警察の依頼により採取した血液の余剰、解剖時に採取した内臓器等 ・個人情報の取り扱いについて  御遺体の血液や、測定結果等をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの御遺体を直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、御遺体の方が特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学 法医学教室 池谷博)の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・試料・情報の保存および二次利用について
 御遺体から得られた情報や血液等の試料は原則としてこの研究のために使用し結果を発表したあとは、京都府立医科大学法医学教室において教授・池谷 博の下、10年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。
【研究組織】
研究責任者
 京都府立医科大学 法医学教室 教授・池谷 博
研究担当者
 京都府立医科大学 法医学教室 講師・市岡 宏顕
 京都府立医科大学 法医学教室 プロジェクト研究員・坂東 李紗
 京都府立医科大学 法医学教室 大学院生・近藤 弘基
 京都府立医科大学 法医学教室 大学院生・河本 真孝
 大阪歯科大学歯科放射線学講座/大阪歯科大学附属病院中央画像検査室 准教授・秋山 広徳
 東京都監察医務院 非常勤監察医・木村 聡子
【お問い合わせ先】
ご遺族の方のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2028年6月30日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

京都府立医科大学 法医学教室
大学院生・近藤 弘基
電話番号:075-251-5343
受付時間:平日 9:00-17:00

死後画像検査及び生化学検査等を用いた死因診断及び個人識別の方法の検討

京都府立医科大学法医学教室では、死後画像検査を受けられた御遺体を対象に死因究明及び個人識別の方法に関する臨床研究を実施しております。
実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
【研究の目的】
 近年、御遺体の死因究明に死後画像検査が用いられることが増えていますが、死因が判明することは3割程度と多くありません。他の検査と組み合わせてより高い診断能の獲得を目指します。
 死後画像検査は死因の究明だけでなく、御遺体の個人識別を目的としても行われることがあります。他の検査と組み合わせ、より有用な方法の確立を目指します。
【研究の方法】
・対象となる方について
 2009年3月31日から2026年6月30日までの間に、京都府立医科大学法医学教室で死後画像検査を受けられた方
・研究期間: 医学倫理審査委員会承認後から2026年6月30日
・方法
 当教室において御遺体に死後画像検査を施行する際に、生化学検査や骨密度検査等の他の検査も併せて行い、より正確な死因究明、個人識別に役立ち得る方法の確立を目指します。
・研究に用いる試料・情報について
 情報:死後画像検査結果(臓器の形状、臓器の画像上の陰影等)
    血液検査等併せて行った検査により得られたデータ(生化学検査結果、薬毒物検査結果,骨密度検査結果等)
 試料:警察の依頼により採取した血液の余剰
・個人情報の取り扱いについて
 御遺体の血液や、測定結果等をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの御遺体を直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、御遺体の方が特定できる情報を使用することはありません。 なお、この研究で得られた情報は研究担当者(京都府立医科大学 法医学教室 近藤 弘基)の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・試料・情報の保存および二次利用について
 御遺体から得られた情報や血液等の試料は原則としてこの研究のために使用し結果を発表したあとは、京都府立医科大学法医学教室において教授・池谷 博の下、10年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。
【研究組織】
研究責任者
 京都府立医科大学 法医学教室 池谷 博
研究担当者
 京都府立医科大学 法医学教室 近藤 弘基
【お問い合わせ先】
患者さんのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2026年6月30日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

京都府立医科大学 法医学教室
大学院生・近藤 弘基
電話番号:075-251-5343
受付時間:平日 9:00-17:00

角膜上皮細胞の変化と死後経過時間の関係

京都府立医科大学法医学教室では、死後CT検査あるいは法医解剖のために当教室に搬入された御遺体を対象に角膜上皮細胞の死後変化に関する研究を実施しております。
実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
【研究の目的】
死体検案時には死亡時刻を推定するために御遺体の死後変化を観察します。角膜(黒目の部分)は死後経過とともに比較的早く変性し混濁していくことから、角膜の混濁程度は死亡時刻推定の代表的な診断法です。
しかし、医師が目視で角膜の濁りを判定するため客観性に問題がありました。そこで、角膜の死後変化を数値化できるような診断法を新たに開発するために、眼科で行われている細胞診の方法を死体に応用し、角膜表面が死後どのように変化しているのか研究することにしました。
【研究組織】
研究責任者 京都府立医科大学法医学教室・教授 池谷 博
研究者   京都府立医科大学法医学教室・大学院生 DENG TING
研究者   京都府立医科大学法医学教室・准教授 新谷 香
【研究の方法】
・対象となる方について
2024年3月1日から2025年12月31日の間に当教室で死後CT検査あるいは法医解剖を受けた御遺体
・研究期間: 2024年3月1日から2026年3月31日
・方法
角膜の上に米粒大のメンブレン(薄いセルロース膜)を数秒間置いた後に剥がし、メンブレン上に細胞を採取します。病院ではドライアイなどの眼科検査で用いられている方法で、御遺体の眼を傷つけることはありません。採取した細胞を染色して細胞の種類や数を検査します。
・研究に用いる試料・情報について
情報:年齢、性別、既往歴、発見時・死亡時の状況、死亡日時、死後経過時間、死因
試料:角膜から採取した細胞
【個人情報の取り扱いについて】
研究に用いる情報は上記のものだけを抽出し、本研究用の番号を新たにランダムに付与して角膜染色検査の結果と紐づけして解析するため、個人が特定されることはありません。また、研究成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、御遺体が特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は厳重な管理を行い、御遺体の情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
【お問い合わせ先】
御遺族の方のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて御遺族の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2026年03月31日までに下記の連絡先までお申し出ください。尚、上記までに申し出がなかった場合には、参加を了承していただいたものとさせていただきます。
 京都府立医科大学法医学教室
 職・氏名:准教授・新谷 香
 電話:075-251-5343(受付時間:平日の午前8時30分から午後5時まで)
 

当教室で実施された法医解剖例、死後CT検査例の科学的、社会的分析

【研究の目的】
人は、いつか死亡します。しかし、人は死亡した途端に死後変化が始まり(乾燥、硬直、腐敗など)、死後の死因の究明や、死後経過時間の推定、人物の特定を難しくします。 法医学では、機序の明らかでない死体現象や死因を明らかにできない病態も多く、科学的に解決すべき課題が山積しています。
本法医学教室では、2008年4月以降の解剖症例、死後CT検査所見をデーターベース化し、一元管理しています。 一例一例では解明できなかった現象も、数の集積によって明らかになることもあると考え、これらの集積された既存情報を利用し、 改めて死因、死後経過時間の推定、性別鑑別、年齢推定等の分析を行い、今後の法医鑑定に役立つ知見を得たいと考えています。
【研究の方法】
・対象となるご遺体
2008年4月1日から2024年12月31日の間に当教室で解剖されたご遺体、または死後CTを撮影されたご遺体
・方法
解剖や死後CTを行う際に入手した生前の情報(年齢、性別、既往歴、発見日時等)、解剖時に採取した血液・組織等の検査結果、死後CT画像等、通常の法医鑑定業務において取得した情報を分析します。 研究用に、新たに事後で取得する情報はありません。
【個人情報等について】
ご遺体の情報は、研究に必要な性別や年齢などの情報のみを抽出し、ランダムに新しい番号を付けて匿名化します。 研究にはこの匿名化された情報のみを用い、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。
本研究への参加を希望されないご遺族は、2025年3月31日までに下記連絡先までご連絡ください。尚、上記までに申し出がなかった場合には、参加を了承していただいたものとさせていただきます。
本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。この研究計画についてご質問がある場合は下記までご連絡ください。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:講師・井戸田 望(いどた のぞみ)
電話番号(教室代表):075-251-5343

遺体のpHに関する基礎研究

【研究の目的】
法医学においては、人が死後どのように変化していくか、いわゆる「死体現象」を理解することは死後診断に欠かせません。 心肺停止に陥った人では二酸化炭素や乳酸が体内に蓄積し酸性(pH7未満)に傾くことが知られていますが、死後はどこまで酸性に傾くのか、もっと数日たったらどうなるのか、死体のpHの時間的変化について研究されたものはありません。 近年、ポータブル型で平面を測定できるpHメーターが開発されました。そこで、当教室で解剖されるご遺体及び死後CT検査のご遺体を用い、皮膚、口腔内、臓器、体液のpHを測定し、基礎的なデータを収集することを計画しました。 死後のpHが、死因、死後経過時間等と関連があれば、法医鑑定への応用も期待できます。
【研究の方法】
・対象となるご遺体
2021年8月から2025年3月31日の間に当教室で解剖されたご遺体、または死後CTを撮影されたご遺体
・方法
解剖のご遺体の場合、解剖中に皮膚、口腔内、臓器、体液のpHを測定します。死後CTのご遺体の場合、死後CT撮影直後に皮膚、口腔内、(警察から血液採取の依頼のあった場合のみ)血液のpHを測定します。 pHの測定結果と、解剖時又は死後CT検査の際に取得した個人情報(年齢、性別、死亡推定日時等)との関連を調べます。
【個人情報等について】
ご遺体の情報は、匿名化した上で研究に用いますので、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。
本研究への参加を希望されないご遺族は、2025年6月30日までに下記連絡先までご連絡ください。尚、上記までに申し出がなかった場合には、参加を了承していただいたものとさせていただきます。
本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。この研究計画についてご質問がある場合は下記までご連絡ください。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:講師・井戸田 望(いどた のぞみ)
電話番号(教室代表):075-251-5343

健常人ボランティアおよび剖検体を使用した皮膚上の消毒薬の効果評価

京都府立医科大学法医学教室では、法医解剖を受けられたご遺体を対象に、縫合時の余剰皮膚を用い、皮膚上の消毒薬の効果評価を実施しております。 実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
【研究の目的】
 健常人ボランティアによる皮膚上の消毒薬の効果評価が難しい危険性の高い病原体において、剖検体皮膚を使用した皮膚上での消毒薬効果に関する臨床試験を行うことを目的とします。 上記目的を明らかにすることにより、実使用でのより有効な手指衛生の確立を推進することができます。
【研究の方法】
・対象となる方について
承認日から2023年3月31日までに京都府立医科大学法医学教室で法医解剖(司法解剖あるいは新法解剖)を受けられたご遺体のうち、死後48時間以内であり、皮膚に著しい損傷がないご遺体を対象とします。
・研究期間
医学倫理審査委員会承認後から2023年3月31日
・方法
本学法医学教室にて行われる剖検体の縫合時の余剰皮膚を用いて、疑似感染性体液に含まれている病原体に対する消毒薬効果を評価します。皮膚上に疑似感染性体液を塗布し、同部位に消毒薬を塗布・反応させます。反応後、皮膚を培地に浸し、その回収した培地より病原体の減少量を確認することで、消毒薬効果を評価します。
・研究に用いる試料について
試料:法医解剖における剖検体の縫合時の余剰皮膚を対象としています。
【個人情報の取り扱いについて】
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合に、御遺体の方が特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学法医学教室・教授・池谷博)の責任の下、厳重な管理を行い、情報が漏洩しないよう細心の注意を払います。
【研究組織】
研究責任者
京都府立医科大学 法医学教室 池谷 博
【お問い合わせ先】
御遺族の方のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合は、2023年3月31日までに下記連絡先までお申し出下さい。

京都府立医科大学 法医学教室
プロジェクト研究員・坂東李紗
電話番号:075-251-5343
受付時間:平日 9:00-17:00

年齢推定のための血液生化学的指標に関する研究

京都府立医科大学法医学教室では、法医鑑定に伴い測定した生化学検査の検査結果を使って下記の研究をあらたに実施しています。 実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
【研究の目的】
昨今,身元不明死体の増加が世界的に問題になってきています.身元不明死体の身元捜索には,年齢推定情報が非常に重要な役割を果たしています.本研究では,生体でも用いられている生化学検査が,死体における年齢推定に役に立つかどうかを検討します.
【研究の方法】
・対象となる方について
2015年4月1日から2019年3月31日までの間に、京都府立医科大学法医学教室で法医解剖を受けられた方.
・研究期間
医学倫理審査委員会承認後から2020年3月31日
・方法
法医学教室において法医解剖を受けられた方(以下患者さま)で、診療録(カルテ)より以下の生化学検査の結果とそれに関連が疑われる因子(性別,身長,体重,臓器重量,病理所見)を取得し,これらの生化学検査が,死体における年齢推定に役に立つかどうかを検討します. また,症例によって検査を行っていなかった項目については残余検体を用いて再測定します.
・研究に用いる試料・情報について
試料:残余血清1ミリリットル,残余肝臓組織片50ミリグラム
情報:性別,身長,体重,病歴、解剖結果,生化学検査結果(テストステロン,PSA,ポリアミン,スペルミンオキシダーゼ,SMP30,DHEA-S,AGEs),カルテ番号 等.
・個人情報の取り扱いについて
患者さんの血液や病理組織、測定結果、カルテ情報をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。患者さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、患者さんが特定できる情報を使用することはありません。 なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学 法医学教室 池谷 博)の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
【研究組織】
研究責任者
京都府立医科大学 法医学教室
教授 池谷 博
【お問い合わせ先】
患者さんの代理の方のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年9月30日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

 京都府立医科大学法医学教室  
職・氏名 教授・池谷 博
電話番号(教室代表):075-251-5343

剖検体を用いた口腔内状況調査と歯科疾患と全身状態の関係性について

【研究の目的】
わが国の歯科保健状況の把握と、歯科疾患と全身状態の関係性を明らかにすることを目的とします。 上記目的を明らかにすることにより、歯科口腔保健の推進、歯科保健医療対策を推進することができます。
【対象となるご遺体】
2009年3月31日から2030年3月31日までに京都府立医科大学法医学教室で法医解剖(司法解剖、承諾解剖、あるいは新法解剖)を受けられたご遺体のうち、歯科所見採取が可能であった方のデータを扱います。
【研究期間】
医学倫理審査委員会承認後から2030年3月31日
【研究方法】
本学法医学教室にて行われる剖検体の口腔内診査を実施し、歯科所見を採取します。失われた歯の本数、虫歯の本数、治療済み歯の本数などを統計解析し、口腔内状況を明らかにします。 剖検時に得られる全身データや環境因子を、上記で得られた口腔内状況と比較し、歯科疾患との関係性を明らかにします。
【研究に用いる試料・情報について】
情報:口腔内診査結果(失われた歯の本数、虫歯の本数、治療済み歯の本数等) 剖検時に得られたデータ(年齢、生活状況、喫煙の有無、飲酒の有無、血液検査結果、骨密度、臓器重量や大きさ等)
試料:ありません
【研究組織】
研究責任者 京都府立医科大学 法医学教室 市岡 宏顕
【個人情報等について】
御遺体の口腔内診査結果や剖検の結果をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの御遺体を直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、御遺体の方が特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学 法医学教室 市岡 宏顕)の責任の下、厳重な管理を行い、御遺体の方の情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。 御遺族の方のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて御遺族の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年3月31日までに下記の連絡先までお申出ください。断りを申し出たことによる不利益は一切ありません。

本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されております。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:講師・市岡 宏顕
電話番号(教室代表):075-251-5343

性犯罪等に由来する生体資料の検査法の確立に関する研究

【研究の目的】
本研究では、平成31年3月31日まで実施される膣液及び汗垢を中心とした生体資料の検査法を確立することを目的とする他施設(科学警察研究所:研究責任者 生物第3研究室室長 阿久津 智子)との共同研究です。 その中で,本学では血液が生体由来か死体由来かを判定する検査法を確立することを目的とし、ご遺体の検査に使用された残余の血液を使用します。
【対象となるご遺体】
平成28年1月1日から平成28年12月31日までの1年間に京都府立医科大学法医学教室で司法解剖を受けられたご遺体のうち、血液検査が行われたご遺体10例が対象になります。
【利用目的】
検査のためご遺体から採取された血液の残余を、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)により生体血と死体血及び生体血痕と死体血痕を識別できるかどうかを検証する研究に用います。 遺伝子解析等は一切行いません。
【共同研究機関への試料の提供方法】
共同研究機関へは血液を薄いガラス板に塗抹して提供されます。使用する血液の量は3ml程度です。
【個人情報等について】
ご遺体の情報は、匿名化した上で研究に用いますので、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。 本研究への参加を希望されない御遺族の方は、参加を断ることができますので、平成29年12月31日までに下記連絡先までご連絡をくださいますようお願い申し上げます。

本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されております。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:教授・池谷 博
電話番号(教室代表):075-251-5343

PTX3の法医診断マーカーとしての実用性に関する調査

【PTX3の法医診断マーカーとしての実用性に関する調査へのご協力のお願い】
今回、京都府立医科大学は、PTX3の法医診断マーカーとしての実用性に関する研究を実施いたします。そのため、過去に京都府立医科大学法医学教室で解剖を受けられたご遺体から鑑定のために採取され、必要な検査を行った後の残余検体を本研究に用いたいと考えています。
【研究の目的】
健康そうに見えていた人が何の前兆もなく突然亡くなられる突然死。その大半は心臓の異常が原因で起こる心臓突然死です。 急性冠症候群は冠状動脈が突然詰まり心臓の筋肉に酸素や栄養素を供給できなくなる病気で、筋肉が壊死(急性心筋梗塞)して心臓のポンプ機能が働かなくなったり、不整脈が起こったりして突然死することがあります。 突然死された方の死因は法医解剖によって診断(法医診断)されますが、急性冠症候群は発症から死に至るまでの時間が極めて短時間であるため有効な診断法がないのが現状です。 しかし最近、臨床研究において、急性冠症候群から急性心筋梗塞を発症した患者の血液中にはペントラキシン3(PTX3)という物質が明らかに増えていることが分かりました。 このPTX3の反応は極めて鋭敏であるため、急性冠症候群が原因で突然死された方の法医診断にも応用できると考えられます。しかし、患者の血液と死者の血液は性状などが異なるため、実際に法医診断に応用できるかどうかは死体血を用いて検証する必要があります。 法医解剖では、心臓の血液を採取して死因を決定するために必要な各種検査を行っています。今回、その検査後の残余検体を用いてPTX3の濃度を測定し、PTX3が急性冠症候群の診断マーカーとして法医鑑定に応用できるかどうかの検証を行うことにしました。
【研究の方法】
・対象となるご遺体について
平成21年4月1日から平成31年3月31日までの間に、京都府立医科大学法医学教室で法医解剖(司法解剖、承諾解剖、あるいは新法解剖)を受けられたご遺体が対象となります。
・方法について
法医鑑定に必要な検査が終わり残余した心臓血を用いてELISA法という抗体反応を利用した方法で血液に含まれるPTX3の濃度を測定します。ご遺体の年齢、性別、肥満度、死因、心臓の病理検査結果とPTX3濃度を比較して、急性冠症候群の法医診断マーカーとしての実用性を検証します。
・資料の管理について
ご遺体の情報は、研究に必要な性別や年齢などの情報のみを抽出し、ランダムに新しい番号を付けて匿名化します。研究にはこの匿名化された情報のみを用いますが、ご遺族から解析結果について問い合わせがあった場合などに備えて、元の情報へ遡れるよう対応表を作成し、鍵付きの保管庫で厳重に保管します。また、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。 本研究への参加を希望されないご遺族は、平成31年3月31日までに下記連絡先までご連絡ください。尚、上記までに申し出がなかった場合には、参加を了承していただいたものとさせていただきます。

本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。この研究計画についてご質問がある場合は下記までご連絡ください。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:准教授・新谷 香
電話番号(教室代表):075-251-5343


京都府における屋外水域関連死の実態調査

【研究の目的】
京都府では、郊外をはじめとして用水路が多く残り、市内にも琵琶湖疏水が引かれ、さらに数多くの河川が流れます。これらは、京都府の豊かな自然といち早く水源整備を進めた京都の歴史を象徴し、現代においても生活基盤の水需要を満たす一方で、河川や用水路への転落事故も招いています。 事故や事件の多発している水域の分布や特徴、条件を分析し、観光及び生活の地での河川・用水路の安全性確保につながる対策を講じることを目的として、調査研究を行います。
【対象となるご遺体】
京都府立医科大学法医学教室で法医解剖(司法解剖、承諾解剖、あるいは新法解剖)を受けられたご遺体のうち、平成25年1月1日から平成28年12月31日の4年間で京都府内の河川、疏水、用水路、池、ダムなどの内陸水域および京都府海域で発見された方のデータを扱います。
【個人情報の管理について】
ご遺体の情報は、研究に必要な性別や年齢などの情報のみを抽出し、ランダムに新しい番号を付けて匿名化します。研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。 本研究への参加を希望されない御遺族の方は、参加を断ることができますので、平成29年2月28日までにご連絡ください。断りを申し出たことによる不利益は一切ありません。ご希望があれば、個人情報の保護及び本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画及び研究の方法に関する資料を入手又は閲覧することができます。その場合は、下記連絡先までご連絡をお願いします。

本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:助教・中村 磨美
電話番号(教室代表):075-251-5343


胸骨圧迫で生じる肋骨骨折に関する研究

【研究の目的】
心肺蘇生時に行う胸骨圧迫(心臓マッサージ)では、肋骨骨折などの合併症を生じ得ることが知られています。そのため、心肺蘇生を受けられたご遺体に肋骨骨折が見られた場合、それが医療行為によって生じたものか、医療行為を受ける前に外傷で生じていたものなのか、区別をつけることがしばしば困難になります。 この研究では、胸骨圧迫の際に生じる肋骨骨折のパターンを分析し、外傷と区別するための特徴点を探ることを目的とします。 また、近年、自動式胸骨圧迫装置という器械が普及してきていますが、装置による胸骨圧迫と人の手による胸骨圧迫で、生じる肋骨骨折などの合併症が異なるかどうかを調査し、より効果的で合併症の少ない胸骨圧迫法を追究することを目的とします。
【対象となるご遺体】
京都府立医科大学法医学教室で平成26年1月1日から平成28年12月31日の3年間に法医解剖(司法解剖、承諾解剖、あるいは新法解剖)または死後CT撮影を受けられたご遺体のうち、心肺蘇生行為を受けられた方および肋骨骨折が認められた方を対象とします。
【個人情報の管理について】
ご遺体の情報は、研究に必要な性別や年齢などの情報のみを抽出し、ランダムに新しい番号を付けて匿名化します。研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。
本研究へのデータ使用を希望されない御遺族の方は、データ使用を断ることができますので、平成29年2月28日までにご連絡ください。断りを申し出たことによる不利益は一切ありません。ご希望があれば、個人情報の保護及び本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画及び研究の方法に関する資料を入手又は閲覧することができます。その場合は、下記連絡先までご連絡をお願いします。

本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:助教・中村 磨美
電話番号(教室代表):075-251-5343


死後CTでみる心大血管内血液の画像所見と解剖時における血液性状に関する肉眼的所見の対比について

【研究の目的】
我が国では近年、遺体の死因究明や身元調査を積極的に行う動きが見られ、その一環として死後画像による検索が行われるようになってきています。特に死後CTは解剖前や検案時に補助的検査として広く使用されています。死因究明を行う際に急死か否かの鑑別は大変重要であり、解剖では遺体の血液の性状を鑑別の一助としていますが、これが死後CTでどのように観察されるかは十分なデータの蓄積がありません。 死後CTで見た心大血管内血液の所見と解剖時に肉眼的に見た血液性状を照合・比較し、両者にどの程度の一致がみられるかを調べることでCTの死因究明における診断精度と有用性を検討します。
【対象となるご遺体】 平成26年1月1日から平成28年12月31日までの3年間に京都府立医科大学法医学教室で法医解剖(司法解剖、承諾解剖、あるいは新法解剖)を受けられたご遺体のうち、CTにて心血管内の所見の読影が可能であった方のデータを扱います。
【個人情報の管理について】
ご遺体の情報は、研究に必要な性別や年齢などの情報のみを抽出し、ランダムに新しい番号を付けて匿名化します。研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。本研究への参加を希望されない御遺族の方は、参加を断ることができますので、平成29年5月31日までにご連絡ください。断りを申し出たことによる不利益は一切ありません。ご希望があれば、個人情報の保護及び本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画及び研究の方法に関する資料を入手または閲覧することができます。その場合は、下記連絡先までご連絡お願いします。

本研究は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。

問い合わせ先
京都府立医科大学 法医学教室
担当者:助教・中村磨美、大学院生・坪井創
電話番号(教室代表):075-251-5343

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