第29回日本定位放射線治療学会 The 29th Annual Meeting of the Japanese Society of Stereotactic Radiosurgery

ご挨拶

芹澤 徹

第29回日本定位放射線治療学会
会長 芹澤 徹
医療法人社団高恵会 築地神経科クリニック 院長

謹啓

ここのたび、2020年5月21日・22日に第29回日本定位放射線治療学会を開催させていただく運びとなりました。本会は、主として頭蓋内疾患に対する定位放射線治療について、脳神経外科医、放射線治療医を中心に、医学物理士、診療放射線技師等が一堂に会し、知識やクリニカルクエスチョンを共有できる貴重な会です。一方で伝統的に熱いディスカッションが名物です。この目的のため本プログラムのような充実した内容を企画しました。

しかし折しも新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大にともない、通常の形式による開催を断念せざるを得なくなりました。感染リスクが最も低くなる開催形式を実行委員で検討した結果、1)一部プログラムをライブ配信、2)全プログラム内容をオンデマンド配信と致しました。ライブではオンライン会議アプリZoomを用いて、オンデマンドはeラーニングシステムGlexaを用いて、Web開催とします。ただ全てが初めての試みですので、至らぬ点もあるかと思いますがご容赦ください。

ライブ配信では、脳転移・聴神経腫瘍・脳動静脈奇形の三疾患についてのディベートセッション、芝本雄太教授による教育講演、ジョン・アドラー先生による特別講演などを厳選しました。また、COVID-19流行下で、定位放射線治療の適応や照射スケジュールの変化、感染防護の工夫についても、各施設の現況を共有できればと思います。予定した大部分の口演、なかでもシンポジウムがオンデマンド配信のみとなり、特に本大会の主題 “定位照射の光と影” への答えを出せないことが大変心残りです。是非新型コロナウイルス感染が終息する次回、次々回の本学会で明らかにされればと思います。

進行癌や重篤な頭蓋内疾患の診療で中心的な役割を担う医療関係者が集う本会が、新型コロナウイルスのクラスターとなるわけにはまいりません。どうぞ今回の開催形式にご理解をいただければ幸いです。今回、ご登壇いただけなかったセッションの座長、演者の先生には、心よりお詫び申し上げます。なおプロシーディングは例年通り発行します。優秀演題の先生には寄稿を依頼いたしますので、是非ご執筆いただきますようお願いいたします。多くの皆様のライブ・オンデマンド配信によるWeb開催への参加を心よりお待ち申し上げております。

謹白

2020年5月吉日