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ストーマ造設後に起こる合併症の発生は、患者や介護者のQOLを著しく低下させます。同時に医療者側にとってもストーマケアに要する時間、人員、物品の費用、どのように対処すべきか、工夫に工夫を重ねる等々…とても悩ましい問題で、皆様も日々、ご苦労されているのでないでしょうか。
この度、JSSCRから長年要望し続けていたストーマ処置に合併症加算がついに保険収載されました(J 043-3, 4)。これは、当学会保険委員会の3回にも渡る粘り強い申請の結果による賜物と言えます。ストーマ管理に関わる医師・看護師にとっては大変喜ばしいことで、皆様の今までの苦労や工夫が認められ、今後ますますストーマ管理が充実し、発展してゆく大きな転機なるのではないかと思います。
この度のストーマ合併症加算では、算定要件として施設基準の届け出とストーマ合併症の重症度分類グレード2以上の判断が必要となります。また、算定可能な合併症は、傍ストーマヘルニア、ストーマ脱出、ストーマ腫瘤、ストーマ部瘻孔、ストーマ静脈瘤、ストーマ周囲肉芽腫、ストーマ周囲難治性潰瘍などが対象です。皆様が日頃ストーマ管理している中で、大変!と感じている合併症の多くは、算定対象に該当するかと思いますが、正しく算定していくにあたり、グレードの正確な判断と記載が必要となります。
今回の教育セミナーでは、保険収載に至るまでの経緯、保険算定に必要な手続き、ストーマ合併症の原因や重症度分類、治療やケア方法および実際の診療時の流れに関してなども、改めて確認していただくために5人の講師に、ご講演いただきます。
皆様が正しく確実に算定し、そのキャリアが評価されること、そしてストーマ合併症への理解と対策が進むことが期待されます。今回のセミナーが皆様のストーマ処置の糧となり、変わりゆく医療に対応する一助となることを願い、多くの皆様の参加をお待ちしております。
(JSSCR教育委員会企画)
2025年2月7日(金) 15:00~17:00(予定)
ビッグパレットふくしま
平山 千登勢 (杏林大学医学部付属病院 看護部 皮膚・排泄ケア認定看護師
渡部 通章 (厚木市立病院 副院長 消化器外科
ストーマ合併症加算が保険収載につながるまでの経緯とその内容
松原 康美(北里大学健康科学部看護学科 教授)
ストーマ合併症重症度分類の解説:含合併症の原因と治療
高橋 賢一(独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院 大腸肛門外科部長)
ストーマ合併症加算を申請するための方略と留意点
鈴木 有美(公立大学法人福島県立医科大学会津医療センター附属病院 患者支援センター 主任看護技師)
ストーマ合併症への対応の実際:国立がん研究センター中央病院の症例を通して
1)泌尿器科医の立場から:松井 喜之(泌尿器・後腹膜腫瘍科長)
2)看護師の立場から :工藤 礼子(看護部 皮膚・排泄ケア認定看護師)