新着論文紹介

Impact of HLA-mismatched unrelated transplantation in patients with adult T-cell leukemia/lymphoma

成人T細胞白血病リンパ腫におけるHLAミスマッチ非血縁者間移植の影響

ジャーナル:Bone Marrow Transplant
著者:Yoshitaka Inoue, Satoko Morishima, Koji Kato, et al.
責任著者:熊本大学病院 血液内科
https://doi.org/10.1038/s41409-023-02002-7

要約・インパクト

本研究では、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者に対する同種造血細胞移植におけるHLA不一致非血縁者間移植の影響を、全国データを用いて検討した。対象は2000年から2018年に初回同種移植を受けたATL患者1191例であり、HLA適合血縁ドナー(MRD、449例)、HLA適合非血縁ドナー(8/8MUD、466例)、およびHLA 1遺伝子座不一致非血縁ドナー(7/8MMUD、276例)の3群に分けて移植成績を比較した。7/8MMUD群では97.5%が骨髄移植を受け、移植後シクロホスファミドを使用した症例は存在しなかった。移植後4年時点での非再発死亡(NRM)、再発の累積発生率、ならびに全生存率は、それぞれMRD群で24.7%、44.4%、37.5%、8/8MUD群で27.2%、38.2%、37.9%、7/8MMUD群で34.0%、34.4%、35.3%であった。7/8MMUD群はMRD群に比べNRMリスクが高い一方(HR 1.50[95% CI, 1.13-1.98; P=0.005])、再発リスクは低かった(HR 0.68[95% CI, 0.53-0.87; P=0.003])。一方で、ドナータイプは全死亡率の有意なリスク因子ではなかった。以上より、HLA適合血縁・非血縁ドナーが得られない場合、7/8MMUDが許容可能な代替ドナー選択肢となり得ることが示唆された。

新着論文紹介一覧に戻る

Page Top