会長挨拶
BRAIN Japan 2025 in Saitama
会長 髙橋 愼一
(埼玉医科大学国際医療センター 脳神経内科・脳卒中内科 教授
この度、2025年10月17日(金)・18日(土)の2日間、第68回日本脳循環代謝学会学術集会(BRAIN Japan 2025 in Saitama)を開催させていただくこととなりました。開催地は埼玉県さいたま市、JR浦和駅からほど近い埼玉会館です。本学会は研究会から数えて68回を数える大変長い歴史のある学会ですが、浦和での開催は初めてになります。私が10年間奉職したさいたま市立病院(旧・浦和市立病院)、そして現職の埼玉医科大学国際医療センターのある埼玉県とのゆかりある地で開催できることを誠に光栄に存じます。
さて、本学会は脳循環代謝という脳機能の基盤をより深く理解し、脳の正常機能の解明とともに、疾患の病態メカニズムを明らかにすることで神経疾患治療への新たな道を拓くことを目指し設立されました。そこではBRAIN Japanとして、Brain Scienceの多方面に渉り基礎と臨床が融合し、一体となった研究が展開されております。本学会設立の原動力となった慶應義塾大学医学部神経内科初代教授 故・後藤文男先生は私の恩師であり、またこの領域に進む機会と、これまで研究を続けて来る力を与えてくださいました。そしてその後藤文男先生が心から敬愛した脳循環代謝学の父ともいうべきSeymour S. Kety先生、Louis Sokoloff先生のもとで勉強させていただいたのも後藤文男先生のお導きによるものです。学会ポスターの背景のdeoxyglucose method equationはSokoloff先生ご自身の手によるものです。第68回学術集会では、今一度その原点に立ち還り、“脳循環代謝 -normal physiology and pathophysiology”という研究の両輪をテーマとさせていただきました。特別講演にはWeill Cornell MedicineのCostantino Iadecola先生、University of Washington School of MedicineのGregory J. del Zoppo先生のお二人に脳循環代謝学の歴史と展望をお話しいただく予定です。
皆様の本学術集会へのご参加を心からお待ちしております。