L-アスパラギナーゼ
【L-アスパラギナーゼとは】
L-アスパラギナーゼ(L-ASP、代表的商標名 ロイナーぜ)はL-アスパラギンをアスパラギン酸へ加水分解する酵素です。
L-アスパラギンは最初に発見されたアミノ酸の一つで、アスパラガスの芽から発見されたため、この様な名前がつけられました。必須アミノ酸ではないため、生体内で生合成は可能です。アンモニアがアスパラギン酸で無毒化された際にも生成されます。
L-アスパラギナーゼは血中のL-アスパラギンを分解し、血中濃度を低下させますので、アスパラギン要求性の腫瘍細胞の抗悪性瘍効果を発揮し、特に急性リンパ芽球性白血病(ALL)治療のキードラッグの一つとされています。血液中のアスパラギンが低下するため、蛋白合成も阻害されます。その結果、アルブミンなどが低下するとともに、凝固因子は低下しPTAPTTは延長します。このため出血傾向のリスクが上昇します。一方、アンチトロンビンなどの抗凝固因子も低下し血栓症のリスクが高くなります。また線溶系の因子であるα2-アンチプラスミンプラスミノゲンも低下します。