症例1
日本内科学会雑誌 「シリーズ One Step more〜苦手を得意に!血液ガス 第3回」(第108巻 第6号 1777−1780)では誤診する可能性がある具体例です。
【症例】
動脈血ガス: pH 7.37, pCO2 48 mm Hg, HCO3 27 mmol/L
血清生化学: Na 138 mmol/L, Cl 102 mmol/L, Alb 4.0 g/dL
(Alb 4.0 g/dLでアルブミンによる補正は考慮しなくてよい。)
この症例は、古典的アプローチによる酸塩基異常診断では、呼吸性アシドーシスに対してHCO3 27 mmol/Lと代償性の代謝性アルカローシスを認めるアシデミアの症例と診断される症例です2)。
(pH<7.38よりアシデミアと診断され、pCO2 48 >40より呼吸性アシドーシスによるアシデミアと診断されます。呼吸性異常に対する代償性の代謝性変化として期待される 24+0.4x(48–40)= 24+3.2= 27.2の範囲内のHCO3上昇です。)
しかし、図1が代謝性アシドーシスに対する診断ステップであることを誤解し、アシデミア全般に対する診断ステップと捉えてしまうと、pH< 7.38よりアシデミアと診断され、図1の①でNa–Cl–HCO3= 138–102–27= 9より高クロール(Cl)性代謝性アシドーシスと診断されてしまいます。
【症例】
動脈血ガス: pH 7.37, pCO2 48 mm Hg, HCO3 27 mmol/L
血清生化学: Na 138 mmol/L, Cl 102 mmol/L, Alb 4.0 g/dL
(Alb 4.0 g/dLでアルブミンによる補正は考慮しなくてよい。)
この症例は、古典的アプローチによる酸塩基異常診断では、呼吸性アシドーシスに対してHCO3 27 mmol/Lと代償性の代謝性アルカローシスを認めるアシデミアの症例と診断される症例です2)。
(pH<7.38よりアシデミアと診断され、pCO2 48 >40より呼吸性アシドーシスによるアシデミアと診断されます。呼吸性異常に対する代償性の代謝性変化として期待される 24+0.4x(48–40)= 24+3.2= 27.2の範囲内のHCO3上昇です。)
しかし、図1が代謝性アシドーシスに対する診断ステップであることを誤解し、アシデミア全般に対する診断ステップと捉えてしまうと、pH< 7.38よりアシデミアと診断され、図1の①でNa–Cl–HCO3= 138–102–27= 9より高クロール(Cl)性代謝性アシドーシスと診断されてしまいます。