<高血圧>

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高血圧

一般に収縮期血圧(血圧測定で上の値です)>140 mmHg、拡張期血圧(血圧測定で下の値です)>90 mmHgが高血圧です。血圧は測定の仕方で変動するので、何度か測定し、常にこの値を超えている場合に高血圧を疑います。しかし、ホルモンの異常(内分泌 性といいます)が原因である高血圧の場合は突発的な血圧上昇を認めるだけの場合もあるので、健康診断等で高血圧の可能性を指摘されたら、高血圧専門医に相 談されることをお勧めします。
血圧変動としては診察時等の緊張した時に血圧が高い白衣高血圧が有名です。
自動血圧計が手に入る現在の状況では一家に一台の自動血圧計は健康管理に有用だと思われます。
普段から血圧を測定結果を持参することは、専門医受診時に非常に役に立ちます。

高齢者では血圧が少し高めでもよい可能性を示す研究結果も出ています。
むやみに心配せず、専門医に相談することをお勧めします。

高血圧の分類
高血圧は大きく
  1. 本態性高血圧
  2. 二次性高血圧に分類できます。

二次性高血圧は更に
  1. 腎実質性高血圧
  2. 腎血管性高血圧
  3. 内分泌性高血圧
  4. 血管性高血圧
  5. 薬剤誘発性高血圧

本態性高血圧


高血圧の多くは複数の要因により血圧が状態しています。このような特定の原因を突き止めることができていない高血圧を本態性高血圧といいます。し かし、原因が無い訳ではなく、血圧を上げる原因となる主要な要因を突き止めて適切な治療を行うことが望まれます。適切な治療を選択するには、血液バランス を制御している腎臓の働きに対する理解が必要であり、血圧の治療の選択には腎臓の専門的な知識に餅づくことが望ましいと考えられます。
二次性高血圧の原因である内分泌の異常も関与しており、腎臓に加え内分泌に関する専門的な知識にも基づいた治療選択がなされればより良い治療が選択できると考えられます。

二次性高血圧


腎実質性高血圧は腎臓病に伴う高血圧ですので、腎臓病に対する治療が主になります。
血管性高血圧は大動脈疾患等の血管疾患に伴う高血圧ですが、非常にまれであり、血管疾患に対する外科的治療の対象となります。

二次性高血圧として頻度が高いのは、腎血管性高血圧と内分泌性高血圧で、これらは原因と的席に治療することにより、高血圧の完治も望めます。

腎血管性高血圧

腎動脈の狭窄が原因です。
狭窄を来す主な原因に
  1. 動脈硬化
  2. 線維筋性異形成
  3. 大動脈炎症候群
があります。

内分泌性高血圧

血圧をあげる作用のあるホルモンの過剰分泌が原因です。
主な原因に
  1. 原発性アルドステロン症
  2. クッシング症候群
  3. 褐色細胞腫
があります。

その他
  先天性副腎皮質過形成
  甲状腺機能亢進症
  副甲状腺機能亢進症
  先端肥大症
  レニン産生腫瘍
も稀な原因として知られています。

薬剤誘発性高血圧


様々な薬剤により高血圧が誘発されることが報告されています。
原因となる薬剤の中止や減量により、血圧が低下することが期待できます。
内服薬のある高血圧の方は、薬剤誘発性高血圧の可能性に関して主治医に相談されることをお勧めします。
薬以外にもサプリメントが原因である場合もあります。摂取しているサプリメントに関しても主治医に伝えておくことが必要です。

原因となる主な薬剤
  • 糖質コルチコイド、グリチルリチン製剤、漢方薬
  • カテコラミン類似化合物、三環系抗うつ薬
  • 非ステロイド性抗炎症薬、シクロスポリン
  • エリスロポエチン、エストロゲン製剤
甘味料して用いられることがある甘草は薬剤誘発性高血圧の原因となります。

その他