H17.9/2
セブンイレブンはイトウヨウカ堂とH17.9/1持ち株会社のもとで統合した。
今後仕入れ値を統一する事で
147円のペットボトルを125円程度に値下げする
H17.9/2毎日新聞東京本社13版1面
小学校の自動販売機(ソーダファウンティン)には100%果汁などしか置かず、
清涼飲料水は肥満を助長するとして撤去する動きが見られている。日経ヘルスH17.7/7WEB
通常使う点滴の倍の濃さ、10ccあたり1gの糖(ブドウ糖果糖糖液や砂糖)が含まれている、コーラなどの炭酸飲料。
1本あたりが大きくなり、安売りが広がると、肥満や糖尿病という外部不経済に与えるインパクトが大きい。
ペットボトルは回収再利用して軽く輸送費も掛からないから環境に良いという弁もあるが、人に悪影響を与えるのが最悪の環境問題と思う。
8月から9月に掛けて日本と米国で対照的な報道がなされている。コーラの扱いについてである。
コーラは米国の産業文化の根幹であり、象徴として「ウォッカ=コーラ」などの著作の題名にもなっている。コカコーラクラッシックの騒動やペプシの追撃などいろいろなノンフィクションも取り上げられている。
売り上げを増やすには…とペプシコとコカコーラがとった戦略は、瓶を大きくする事であった。以前は大きくても500mlのガラス瓶であった。それは1Lになり、割安感を煽りながらどんどん巨大化した。ポテトチップスの袋も、ハンバーガーも、平行して巨大化していくが、ビジネススクールで「経営者」の卵が「教科書的」に教わったコーラ戦争の「成功例」をただただ当て嵌めていっただけである。
突き詰めれば、コーラによってアメリカはBMI30以上が30%もいる"肥満体"国になった。
その反省をもとに子供の肥満を防ぎ将来生活習慣病にならず心血管疾患を抑制しようと取り組んだのが学校での自動販売機制限である。ほかにはフライドポテトなどにも制限が必要と云われている。「0次予防」の手段である。コーラによる外部不経済が「学校の備品や経費を自動販売機の売り上げで穴埋めしよう。日本で云えばベルマーク集め」という外部経済を上回ったからとられた処置である。
日本でも清涼飲料水の大容量化が進んでいる。昔は500mlだったファミリーサイズの瓶が2Lのペットボトルだし、160mlのガラス瓶が350mlの缶になっている。ファミリーサイズだった500mlの瓶が個人用としてペットボトルになって自動販売機に置かれている。アルミのコークスクリュー缶が出て300mlに減ったと思いきや350ml〜500mlのペットボトルの方が好まれて買われているので300ml缶は市場では押され気味である。喉が渇いたといって350ml缶に35g入っている糖、それを10缶も1日で呑み、糖が消費しきれずに高血糖に陥り、挙げ句に糖尿病性ケトアシドーシスを発症してしまう例も後を断たない。それがペットボトルだと500ml糖50gになる。渇いたといってボタンを押す間隔はそう開きはないから、その分重篤な病に陥る可能性も捨てきれない。ちなみに脳が一日に使うブドウ糖は100gである。
のどの渇きを癒すのに500mlも必要であろうか?
味わうだけなら250mlで十分ではないのだろうか?
それでもペットボトルが147円-150円であれば、350mlの缶にするかと、自動販売機のボタンを押す指を逸らす切っ掛けになるかもしれない。でも"おなじ120円か?"というと、店頭でつい大きな瓶を買ってしまうだろう。そうなると余計な糖が入ってくるので、肥満者が増え、疾病が増え、社会医療費が増え…泥沼である。外部不経済のパンドラの箱を開けてしまったようである。
タバコやビールの税金も重しである。ガソリンに掛かる高い税金も重しである。温室効果ガスで掛かってくるであろう炭素税も重しである。そういう重しが与える外部経済の一つとして、「本当は原価が掛かってないけど宣伝費で水増しされたコーラの値段、そしてそれに雁行する他の飲料メーカー」という構図があった。意識するしないに関わらずである。
パンドラの箱が開いた例として、普通乗用車の3ナンバーと5ナンバーの重量税や保険料がある。欧米メーカーは該当するする車をあまり作っていなかった。FIATとプジョーくらいか?そのため貿易障壁として壁を押し割った。結果、輸入車も増えたが、国産車も肥満化し、SUVや大型バンの売り上げが伸びた。燃費は悪くなっていないように見えるが、同じ技術革新が投入されていたら1.6Lのセダン車ならもっと良くなっていた筈なのに、3Lのミニバンでも前の普通車と変わりませんみたいな言い訳をしている始末である。
せめてもの救いは緑茶戦争がコーラや他の炭酸飲料の売り上げを喰っている点である。米国は国内の砂糖産業が強く、タバコがそうであった様に、砂糖の売り上げを伸ばしてくれる飲料メーカーに対するロビー活動が下支えとなってブドウ糖果糖糖液などという紛い物を使い難い雰囲気がある。日本でも砂糖より安いブドウ糖果糖糖液を使おうとしているが、甘くしなくて済むなら、その分低コストで済むので、緑茶戦争は飲料メーカーにとっても大歓迎なのかもしれない。農業のロビーという事では日本も負けていないが、緑茶と砂糖とどっちが強いといえば知れている。
ペットボトルは回収再利用して軽く輸送費も掛からないから環境に良いという弁もあるが、チップに加工という言い訳でバーゼル条約をくぐり抜け中国への輸出、かなりの環境負荷を掛けながらの再利用である。溶かして済むアルミと随分違いがある。
よくフランスやイタリアで心疾患が"少ない"、それは"ワイン"だと、宣う方がいるが、比較の対象が間違っている。
仏伊は日本より心疾患は多い。米国より欧州の方が食事の盛りつけが少なく、少ない食べ方しかしない、結果として肥満も少なく、心疾患が少ない。
同じだけ食べているに違いないと英米が勝手に解釈して違いとしてワインを取り上げているだけである。
もちろんポリフェノールは体に良かろうが、米国人だってコーヒー由来のポリフェノールを随分とっている、ビタミンミネラルには欠けているけど…
[追記H17.9/17]California Legislature Votes to Limit School Soda and Junk Food Sales (K-12) "On September 15, 2005 Governor Arnold Schwarzenegger signed...picture of the bill signing ceremony."
[追記H17.11/13]コーヒーの摂取量はは比例しないが、コーラの摂取量は高血圧に比例する。JAMA. 2005;294:2330-2335.
[追記 H18.5/5] 5/3に米大手飲料企業は学校に於ける自動販売機のガイドラインをまとめた。
豪ヴィクトリア州も取り締まる
揚げ油と砂糖なんですね。敵は。もっとも砂糖業界は「砂糖の消費量減っているのに肥満は増えている悪者にするな!本当の悪者は油だ!」と逃げ腰ではあります。
カルフォルニアは果汁100%のものしか小学校の自動販売機に置かない訳ですが、日本では水道水しか無い訳です。どちらが肥満を制圧するかと云えば日本の方が正しいんです。
学校内での経済活動を制約するのはいかん。買い食いくらい認めなさい。校則で縛るのはなんですか、ファシズムだ。に、なります。或は非関税障壁ですね。アメリカでは学校で自動販売機が置いてあって云々。そうはいっても米国の自動販売機業界も悪戦苦闘してます。
ぎゃくにいえば、飲食のファディズムでもある
H22.3/28
自動販売機を置かないという時代から、「オバマ流米国市民皆保険」の財源にsoda-taxの掛け声は高まるばかりである。
シンガポールでも疫学検討*が行われた。呑まないヒトに較べて、ソフトドリンク2杯/週以上では1.42倍 (95%信頼区間(CI): 1.25, 1.62) 、果汁2杯/週以上では1.29倍(95% CI: 1.05, 1.58)と、甘い飲み物を多く飲むと糖尿病が発症し易かった。ソフトドリンク2杯/週以上呑んだヒトの中でも3kg以上体重が増加した場合は1.70倍(95% CI: 1.34, 2.16)で、体重増加が少なかった場合は1.20倍(95% CI: 1.03, 1.41)であった。特に43,580人を5年追いかけて新規に発症した2,273例の糖尿病患者を解析した。
また同じコホートで、膵がん#も648,387人・年の追跡で140症例集積し、1.87倍(95%CI1.10-3.15)多く発症した。
マネルな危険
嘉糠洋陸さんの追憶
ニューヨーク市長のブルームバーグはソーダの容量規制を訴えていたが、地裁は斥けた[March 11, 2013]
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