腎臓提供

腎臓提供者(ドナー)の条件腎臓の摘出方法についてご説明いたします。





腎臓提供者(ドナー)の条件 名古屋第二赤十字病院の指針

1.親族に限定する。
親族とは6親等以内の血族と3親等以内の姻族を指す(参考資料:親族説明図)。


2.組織適合性試験
家族内のできるだけ一致するHLA抗原数が多い提供者を選び、また、直接交差試験*が陰性であることを確認する。しかし、HLA抗原の適合数がすべてではなく、ほとんどHLAが合っていない約260組の夫婦間の移植腎生着が3年で86%あったとの報告もある。
*直接交差試験:すでに提供者のHLA抗原に対してレシピエントが抗体を持っているかどうかを調べる検査、もし、陽性であれば、移植された腎臓はすぐに拒絶反応で廃絶します(超急性拒絶反応)


3.提供者はあくまでも健常者であること。


4.強要された提供者では無いこと。
私たちのグループは移植学会の倫理指針に準拠します。
NPO日本移植未来プロジェクトの活動の一つとして、ドナーの広場が定期的に開催されておりますのでご利用下さい。



腎臓の摘出方法

腎臓を提供される方(ドナー)の手術には開放性腎摘出術、鏡視下腎摘出術の2つの方法があります。
開放性腎摘出術
摘出する腎臓の方の側腹部を約17-20cmの皮膚切開を加えます。第12肋骨先端も切除します。

鏡視下腎摘出術
腹腔鏡を使用して移植腎を摘出する手術です。側腹部に3カ所約1cmのカメラを入れる切開を加え、下腹部に約5cmの切開を加えます。下腹部の切開から、移植腎を取り出します。
腹腔鏡を使うと傷が目立たず、手術後の傷の痛みも少なくてすみ、ドナーの方の負担を軽減することができます。約1週間で退院ができます。
ただ、術前の検査で、腎臓の血管が複雑である場合や、以前に手術を行っていており癒着がひどいことが予想される、またはレシピエントが幼少児である等の場合は開放性腎摘出術を行います。開放性腎摘出術の場合は術後2週間程の入院が必要となります。

参考資料:親族説明図