総長

総長:五神 真

 複雑化するグローバル環境の中、科学技術の進歩を通して人類の安定的な発展に貢献する大学の責任は重要性を増しています。東京大学は、卓越性と多様性の相互連関により、研究、教育、社会連携、運営の4つの面で、知の協創の世界拠点の構築を進めています。

 東京大学では、教育面において、公共的な視点から主体的に行動し新たな価値創造に挑む「知のプロフェッショナル」の育成をはかっています。その一環として、博士課程教育リーディング大学院プログラムでは、新しい価値創造の試みに果敢に挑戦するとともに、他分野や異文化との積極的な対話と協働を進め、その知見を主体的な行動によって社会にフィードバックできる人材の育成をめざしています。

 リーディング大学院「ライフイノベーションを先導するリーダー養成プログラム(GPLLI)」は、少子高齢化が進む中で、生命科学とその多様な周辺領域の上に立つ予防・診断・治療等の先端医療開発システムを構築し、ライフイノベーションの実現に寄与する人材を育成することを目的のひとつとしています。

 その明確な理念のもと、医工薬理の異なる研究科に所属する大学院生が、通常の教育研究にとどまらず、よく練られたリーダーシップ教育を含むバランスの良い教育を受けています。質の高い教員と恵まれた研究環境の中で、ライフイノベーションを牽引するリーダーを育てるため、具体性に富んだ育成システムを構築し、リーダーとしての資質の評価や、養成体制についても出口を意識したシステムを組んでいます。大学院生を切磋琢磨させる環境を整え、GPLLIは国際的リーダーとしての能力・見識を備えた人材を持続的に育成し、真の「知のプロフェッショナル」を育成するために大いに貢献できるものと自負しています。皆様の一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。