コーディネーター

医学系研究科・脳神経医学専攻 教授
岩坪 威

 日本は今、高齢化社会、環境、エネルギー問題など、人類が抱える新たな課題が顕在化しています。私たちはこのような状況の下、世界トップレベルの研究を遂行し、課題のソリューションとなる成果を発信し続けることにより、社会に貢献して参りたいと考えています。それには、日本の教育・研究の将来を担いうる国際的リーダーの存在が不可欠です。社会ニーズを捉えたイノベーションが必要とされている現代社会では、そのイノベーションを創出し、課題解決を牽引するライフイノベーションのリーダーの育成が急務であると考えます。

 東京大学ライフイノベーションリーディング大学院「ライフイノベーションを先導するリーダー養成プログラム」(GPLLI)では、グローバルな先端医療開発システムの構築に向け医学系、工学系、薬学系、理学系が一体になって、部局横断型の大学院プログラムを立ち上げました。ここでは、他分野の知識を統合し、人や組織をまとめる力を持った国際的リーダー候補人材を育成することを目的としています。

 ライフイノベーションの実現には数多くの専門家が知恵を出し合うだけではなく、プロジェクト実現に向けてステークホルダーを先導していく強いリーダーシップが必要とされます。そしてそのリーダーは、豊かな見識(独創性・先見性・倫理観など)を備え、人をひきつけ、多様な意見をまとめる力を持っていなくてはなりません。本プログラムでは生命科学を共通言語としながら、その成果を市場、産業、社会に向けて発信するリーダーを育成するためのカリキュラムを構築しました。

 リーダーとして世界最先端の研究成果を出すことは当然ながら、苦難にあふれた現代社会の中で、高い倫理観をもった真の意味でのリーダー研究者を育成するため、プログラム担当者一丸となって努力を続けて参りたいと思います。

 皆さんの積極的な参加を心から期待しています。