第2波は弱毒化のエビデンス―6:大本営2020解体に向けて
スペイン風邪の再来→(5割引で*)42万人死亡→(さらに1/4に負けて)10万人死亡と,後退転進を繰り返してきた大本営2020にとって,「第2波」は最後の砦のはずだった.しかし,実際にはそれは最後の砦ではなく,元祖大本営が設定した絶対国防圏もかくやと思われる,絵に描いた餅に過ぎなかった.(*スペイン風邪では,当時の人口5719万人の日本で,3回の流行で死亡者数の合計が40万人弱となっている.これを現在の日本の人口で単純換算すると,死亡者数は85万人,42万人はその5割引になる)

日本には第2波なんてものはなかったことは,既にスペインスウェーデンを例にとって2度にわたって説明した.通常ならそれで十分なはずである.しかし相手は腐っても大本営である.「スペインもスウェーデンもネガティブコントロール,つまり真の意味での第2波が存在しない事例である.それはわかった.しかし科学者であれば(お前が言うか?),ポジティブコントロールも出して,そこと日本が違うというエビデンスも呈示すべきである」と,腐った反論(=言い掛かり)を持ち出してくることも十分想定される.しかし(誰も心配していないだろうけど)心配御無用,北陵クリニック事件の再審請求における藪医者呼ばわりに比べれば,大本営からの言い掛かりなんて朝飯前のピースオブケイクだ.その言い掛かりに対する回答が左の図である(クリックで拡大).

この図だけで、あとは多くの説明は必要としないだろう。オーストラリアにおける,第1波をはるかに凌ぐ急激な死者数の増加こそが第2波の本質である.気になるタイムラグも,6月29日に検査陽性者数が急増し始めてから,(4月30日から2ヶ月ぶりに)死者数が3となった7月15日まで,わずか16日だった.一方,日本ではオーストラリアとほぼ同時期に検査陽性者数が急増し始めたのに,1ヶ月経っても死者数はもちろん,重症者数さえも増加していない.(右の図 クリックで拡大).

大本営2020:「コロナとの戦い」自体が間違っていた
「なんちゃって第2波」をネタにした子供だましの脅かしは,もう通用しない.10万人死亡説「長いマラソン」のスローガンと一緒にお払い箱だ.間違っていたのは「恐怖の第2波」スローガンだけではない.大東亜戦争戦争と同様,「コロナとの戦い」という企画自体が出発点からして間違っていた.「戦い」なんて一切必要なかったのに.それもこれも,多くの一般市民の以下のような素朴な疑問に,「専門家」の誰一人として真摯に答えようとしなかったからだ.

2018-19の冬,季節性インフルエンザで3325人が亡くなった.しかし医療崩壊は起きなかった.大相撲もJリーグも開催された.マスクも消毒液も売り切れなかった.忘年会・新年会の自粛もなかった.通勤電車は満員だったし,パチンコ屋には夜遅くまで煌々と明かりがついていた.しかし医療崩壊は起きなかった.ワクチンがあったからか?タミフルに救命効果があったからか?そうじゃない.現に3325人が亡くなっているじゃないか.では我々が「季節性インフルエンザとの戦い」を放棄したために,3325人が亡くなったのか?もちろんそれも違う.

それに対して2020年8月1日現在,ワクチンも治療薬も無いCOVID-19による死亡者数は1005人である.2018-19の冬の季節性インフルエンザによる死者数の1/3で「済んだ」のは,何故だったのか?それは「第一次コロナ大戦」での日本の勝利を意味するのか?だとしたら勝因は何か?マスクか?手洗いか?人工呼吸器か?ECMOか?そもそも本当に勝ったのか?だって季節性インフルエンザによる死者数の1/3で医療崩壊寸前だったじゃんじゃないのか?第二次コロナ大戦はいつ,どうやって起こるのか?それを防ぐにはどうしたいいのか?マスク?手洗い?もうやってる.それでも第二次コロナ大戦が起きるというのか?多くの一般市民のそんな素朴な問いに,いまだ大本営からは一切回答はない.

第2波は弱毒化のエビデンス―5第2波なんてどこにある?(20/7/31)
第2波は弱毒化のエビデンス―4:スペインでも「なんちゃって第2波」(20/7/30)
第2波は弱毒化のエビデンス―3(20/7/29)
第2波は弱毒化のエビデンス―2(20/7/29)
第2波は弱毒化のエビデンス―1(20/7/29 updated)
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