GREETING
第133回 日本小児精神神経学会学術集会
社会福祉法人 青い鳥 川崎西部地域療育センター
第133回大会を開催する神奈川県川崎市は芸術家の岡本太郎が出生した地です。
太郎の作品に「こどもの樹」があります。植物の幹から八方にグァーっと枝をのばし、枝の先がみんなそれぞれ違う顔になっています。太郎は「子どもというのはひとりひとりがみんな、こういう独自の、自分の顔を持ってなきゃいけないんだぞ」と言っていたそうです。私も子どもたちが胸を張って育って欲しいと思います。。
今大会では「いきる みつける つながる 発達支援。 いまから ここから」というテーマにしました。
様々な調査によると学習や行動の面で支援が必要な子どもは1割を超すと言われます。また、コロナ禍を経て社会生活に参加が困難な子どもも増えています。2020年のユニセフによる調査では、OECD加盟38か国中、日本の子どもたちの身体的健康は1位、精神的幸福度は37位となっています。子どもは多くの困難を前に、どういきたらいいのか分からずに立ち尽くしているのかもしれません。
本学会は子どもの発達、愛着、トラウマ、不適切養育などをテーマに日々研鑽し、汗を流す仲間の集まりです。世界が刻々と変わる中、子ども達が(養育者や私達たちも)自分や周りにあるものをみつけ、周りの人とつながり、迷いながらも自分で人生を選び、いきていける社会になるために、私達には何ができるでしょうか。
私達のアプローチの基本は医療や福祉です。当然、そのフィルターを通じて子どもや社会を見ています。時に違うフィルターを通して見ることで、多様性の理解や新たな価値観に気が付き、別な景色が見えることがあるかもしれません。
プログラムには「子どものwellbeing」、「場と人をつなぐ装置としてのアート」、「社会的処方」、「共にいる、共にある」などをキーワードとして組み込みました。皆様は答えのない“問い”にモヤモヤするかもしれません。モヤモヤを抱えて対話や学びを続けることで、子どもたちが希望をもてる社会につながることを願っています。
川崎で、よき出会い、よき学びの場になるように準備して、お待ちしております。