第132回日本小児精神神経学会

大会長挨拶

ご挨拶

この度、第132回日本小児精神神経学会を令和6年11月に、名古屋大学豊田講堂にて開催させて戴くことになり、有意義な学会運営を目指し、事務局一同鋭意準備を進めております。

社会の変化や医療技術の進歩は著しく、子どもたちや子育てをしている家族を取り巻く状況も大きく変化をしてきました。特に2020年のCOVID-19の感染拡大以降、子どもたちの体験世界はこれまでとは異なるものとなったように感じています。子どもたちの育ちのしなやかさを改めて知る一方で、どう私たち専門職が子どもたちのこころの育ちを守り育てていくことができるのかが問われるようになってきているように思います。子どもが生まれてくること、育つことに対する考え方も変化してきているのではないでしょうか。最近では、虐待や子どもの貧困など社会的な問題も注目されており、その報告数は年々増加しています。もしかしたら家族が家族として育っていくプロセスを何重にも守り抱えていくことが、以前に増して必要になってきているのかもしれません。子どもがどういう状態を呈していたとしても、また家族がどんなリスクを背景に抱えていたとしても、子どもたちが自分という感覚を土台に育つとることができるように、社会全体が家族と子どもを抱えることができたとしたら、子どもの育ちをより豊かに支えていけるものになっていくのではないでしょうか。

第128回に続き、第132回の学会を名古屋の地で開催させていただくことになりました。心理の立場から大会長を引き受けるにあたり、子どもを支えるより多くの職種が集うことができるよう、それぞれの専門性を生かした連携を行い、家族を何重にも抱えて支援をしていくアプローチについて議論をしていきたいと思っています。「子どもと家族の多様な育ちを多職種で支える」をテーマに、第132回日本小児精神神経学会を開催させていただきます。子どもと家族の歩みを支えるために小児医療および子どもとかかわる他職種の方に参加いただける場となることを願ってやみません。

多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

令和6年7月吉日

第132回日本小児精神神経学会

大会長永田 雅子

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