ランチョンセミナー
ランチョンセミナー1「Exploring dementia’s spillover beyond the cognitive domain」
日時:11月21日(木)12:00-12:50
会場:第1会場(1F 多目的展示ホール(A))
座長:池田 学(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)
演者:Gustavo Alva(ATP Clinical Research)
共催:大塚製薬株式会社 メディカル・アフェアーズ部
▼ 概要
This seminar delve into the dementias and the most common form of dementia. Epidemiology, pathophysiology, and current hypotheses central to the disease state. The current continuum and the clinical manifestations associated with each stage. Current definitions of additional clinical factors including neuropsychiatric disturbances and their impact on the patient and the caregiver. Included discussion on pathophysiological mechanisms of agitation and how best to screen and address these problems including differentiating from delirium. Treating the illness dependent on the target symptoms.
ランチョンセミナー2「作用機序から考えるレケンビの臨床応用」
日時:11月21日(木)12:00-12:50
会場:第2会場(1F 多目的展示ホール(B))
座長:岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 神経病理学分野)
演者:小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域 脳神経内科学)
共催:エーザイ株式会社/バイオジェン・ジャパン株式会社
▼ 概要
アルツハイマー病の病態においては、Aβが凝集していく過程で多様なAβ種が形成され、最終的に脳アミロイドとして蓄積した老人斑に毒性があるとされてきたが、近年、オリゴマーやプロトフィブリルのような早期・中間凝集体の毒性も重要視されている。この仮説に基づいて、抗プロトフィブリル抗体であるレケンビが開発され、昨年12 月に本邦での使用が可能となった。本セミナーでは、レケンビの作用機序から想定される実臨床での有効性について論じ、また、臨床経験に基づくレケンビの適正使用と医療連携について考察する。
ランチョンセミナー3「認知症治療における漢方薬への期待と展望」
日時:11月21日(木)12:00-12:50
会場:第3会場(1F コンベンションホール(A))
座長:乾 明夫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 漢方薬理学講座)
演者:「認知症アパシー症状に対する人参養栄湯の可能性」
田上 真次(医療法人社団 澄鈴会 箕面神経サナトリウム/大阪大学大学院医学系研究科)
「認知症治療における抑肝散加陳皮半夏の根拠と可能性」
眞鍋 雄太(神奈川歯科大学 歯学部 臨床先端医学系認知症医科学分野 認知症・高齢者総合内科)
共催:クラシエ薬品株式会社
▼ 概要
昨年、アルツハイマー病疾患修飾薬治療がようやく始まり、対症療法から根本治療・発症予防へとシフトして行くことが期待される。しかし現況では認知症BPSDへの対応が必要な状況が続いている。とりわけ不食やアパシーといった陰性症状に有効な手立てが少ない。本セミナーではこれらに効果が期待できる漢方薬を紹介する。
抑肝散および抑肝散加陳皮半夏はevidenceの蓄積もあり、認知症性疾患に伴うBPSDの治療に広く用いられるようになった。治療の選択肢が広がり喜ばしい一方、「安全そうだから取り敢えず投薬しておく」といった処方動機もあるかに思われる。漢方製剤の対象とすべきBPSDの内容を整理し、認知症性疾患の治療戦略について概説する。
ランチョンセミナー4
日時:11月21日(木)12:00-12:50
会場:第4会場(1F コンベンションホール(B))
座長:新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域 精神医学)
演者:「抗Aβ薬時代のSPECT検査の有用性」
小林 良太(山形大学医学部 精神医学講座)
「抗Aβ薬の登場は何をもたらしたか?」
岩田 淳(東京都健康長寿医療センター)
共催:PDRファーマ株式会社
後援:日本脳神経核医学研究会/日本核医学会
▼ 概要
演者1:抗Aβ薬が登場し、認知症診療における核医学検査のオプションにアミロイドPETが加わったが、認知症の鑑別診断においてSPECT検査は、いまだ重要なオプションである。本講演では、抗Aβ薬時代におけるSPECT検査の役割について、脳血流SPECTを中心に症例を提示しながら議論したい。
演者2:抗Aβ薬によるアルツハイマー病の治療が可能となって1年程が経過した。この新しい治療方法についてはその意義についての新しい理解、また導入に至るまでの新しい診療形態の整備が必要となった。本講演では抗Aβ薬療法の現在地と将来展望を考えていきたい。
ランチョンセミナー5「行動・心理症状の発現リスク低減を重視した包括的治療」
日時:11月21日(木)12:00-12:50
会場:第5会場(3F 中会議室(A・B))
座長:和田 健二(川崎医科大学 認知症学)
演者:數井 裕光(高知大学医学部神経精神科学講座)
共催:興和株式会社
▼ 概要
行動・心理症状は、認知症の人の生活の質を低下させ、家族介護者の負担を増加させる臨床上重要な症状である。行動・心理症状に対する治療においては、まず認知症の原因疾患の診断を早期に適切に行うことが重要である。そして診断時から家族に対する心理教育や生活支援を開始して、行動・心理症状の発現リスクを低減させることが重要である。本セミナーでは、原因疾患別の行動・心理症状の治療法、対応法を解説するとともに、最近我々が行ってきた活動や研究の結果についても紹介したいと考えている。
ランチョンセミナー6「フレイルな認知症高齢者に対する漢方治療の可能性」
日時:11月21日(木)12:00-12:50
会場:第6会場(4F プレゼンテーションルーム)
座長:梅垣 宏行(名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学)
演者:水上 勝義(筑波大学 人間総合科学学術院)
共催:株式会社ツムラ
▼ 概要
フレイルは加齢に伴う様々な機能変化や生理的な予備能力の低下によって健康障害を招きやすい状態とされるが、認知症の進行とともにフレイルの出現率も高まることが報告されている。高齢者全般に抗精神病薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系睡眠薬などは、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」(日本老年医学会)では、「とくに慎重に投与すべき薬物」に挙げられているが、フレイルのみられる認知症高齢者ではとくに薬物有害事象に注意が必要である。そこで安全性に配慮した代替治療薬として漢方薬の可能性を検討したい。本セミナーでは、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、人参養栄湯をはじめ、フレイルな認知症高齢者の精神・行動症状に対する効果が報告されている漢方薬について紹介する。
ランチョンセミナー7「レケンビを投与する意義とは。認知症医療の何が変わって何が変わらないのか?」
日時:11月22日(金)12:00-12:50
会場:第1会場(1F 多目的展示ホール(A))
座長:秋山 治彦(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 臨床研究部)
演者:岩田 淳(東京都健康長寿医療センター)
共催:エーザイ株式会社/バイオジェン・ジャパン株式会社
▼ 概要
早期アルツハイマー病に適応を有するレケンビが、2023年9月わが国においても承認され、12月の発売以降、臨床での使用が広まっている。
レケンビはアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ(Aβ)に対する抗体薬であり、早期アルツハイマー病の病態進行抑制が期待される。一方で、レケンビによる治療の意義に関しては個々の症例の状況と、臨床評価の解釈も含めて検討していく必要がある。
本セミナーにおいては、レケンビの臨床データから期待される治療意義について解説するとともに、レケンビの登場によって生じる認知症医療の変化と、変わらないポリシーの重要さについて演者の考えを紹介する。
ランチョンセミナー8「認知症BPSDの理解と対応」
日時:11月22日(金)12:00-12:50
会場:第2会場(1F 多目的展示ホール(B))
座長:岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 神経病理学分野/
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所)
演者:中村 祐(国立大学法人香川大学医学部 精神神経医学)
共催:大塚製薬株式会社 メディカル・アフェアーズ部
▼ 概要
BPSDは認知機能低下を基盤に、身体的、環境的、心理的な要因の影響を受けて出現する。認知機能障害は神経細胞の減少と共に進行する一方、BPSDは症状の背景要因を見極め、適切なケアの実践により改善することが可能である。適切な対応として、①早期診断とその後の本人主体の医療・介護等を通じて行動・心理症状を予防する、②行動・心理症状が見られた場合にも的確なアセスメントを行ったうえで、適切な対応法について検討する、③薬物の対応が必要な場合には高齢者の特性を考慮する必要がある。そこで本セミナーでは、BPSDの評価と対応法について概説する。
ランチョンセミナー9「抗Aβ抗体を用いたアルツハイマー病診療におけるバイオマーカーの選択」
日時:11月22日(金)12:00-12:50
会場:第3会場(1F コンベンションホール(A))
座長:三村 將(慶應義塾大学予防医療センター)
演者:井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 脳神経内科)
共催:富士レビオ株式会社
▼ 概要
抗Aβ抗体であるレカネマブが2023年12月より実臨床で使用できるようになり、2剤目となるドナネマブの承認も見込まれる。抗Aβ抗体の適応評価のためには、アミロイドβ蓄積の有無を示すバイオマーカー検査が必須である。診療において、アミロイドPETと脳脊髄液バイオマーカーをどのように選択するのが良いか、また脳脊髄液バイオマーカーの実施・解釈における注意点について解説する。将来実用化されるであろう血液バイオマーカーへの期待についても触れたい。
ランチョンセミナー10「高齢者不眠症の背景因子を紐解く〜認知症への移行を見据えた治療戦略〜」
日時:11月22日(金)12:00-12:50
会場:第4会場(1F コンベンションホール(B))
座長:小原 知之(九州大学病院 精神科神経科)
演者:小林 直人(医療法人湖山荘 あずま通りクリニック)
共催:第一三共株式会社
▼ 概要
近年の急速な高齢化に伴い、認知症をはじめとした高齢者のうつや不眠に対する適切な対応が期待されている。不眠については、うつ病や認知症患者に高率に合併しやすく、高齢者の認知機能や身体機能に影響の少ない薬剤選択が求められている。最近では、脳内グリアリンパ系の破綻やレム睡眠のメカニズムなど、睡眠と関連した脳内病理を促進させる因子に注目が集まり、認知症予防の糸口になる可能性が示唆されている。認知症に限らず、高齢者の精神症状を有する患者を適切に支援していく上では、専門職で構成された多職種チームの介入が欠かせない。今後は、チーム活動の枠を越えた、地域連携・医療連携の構築をより一層推進していくべきである。
ランチョンセミナー11「アミロイドPETを用いたアルツハイマー病の臨床診断」
日時:11月22日(金)12:00-12:50
会場:第5会場(3F 中会議室(A・B))
座長:小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳神経内科学)
演者:澤本 伸克(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 近未来型人間健康科学融合ユニット)
共催:日本メジフィジックス株式会社
後援:日本脳神経核医学研究会/日本核医学会
▼ 概要
アルツハイマー病を緩徐進行性高次脳機能障害、脳形態画像での進行性脳萎縮などで診断した場合の感度は71-87%、特異度は44-71%とされていた (Beach et al., J Neuropathol Exp Neurol 2012, Varma et al., JNNP 1999)。現在、アミロイドβ、リン酸化タウなどのバイオマーカーの臨床利用によって、臨床診断の精度は大きく向上している。しかし、陽性・陰性の判断に難渋する例や、脳脊髄液とPETのアミロイド病理所見の乖離例など、新たな問題に臨床家は直面している。本セミナーでは、こうした臨床的問題について議論したい。
ランチョンセミナー12
日時:11月22日(金)12:00-12:50
会場:第6会場(4F プレゼンテーションルーム)
座長:岡村 信行(東北医科薬科大学)
演者:「アミロイドとタウPETによるアルツハイマー病診断」
松田 博史(福島県立医科大学)
「VRゴーグルを用いた空間ナビ機能の測定によるprodromal ADの検出とレケンビ治療の実際」
羽生 春夫(南東北グループ 総合東京病院)
共催:南東北グループ
▼ 概要
18F-NAV4694を用いたアミロイドPETは非特異的な集積が少なく、高いダイナミックレンジを示す。また、18F-MK6240を用いたタウPETは、アルツハイマー病での3R/4Rタウに特異的な集積を示す。これらのPETに、MRIを組み合わせる画像バイオマーカを使ったアルツハイマー病診断を説明する。
VRゴーグルを用いて嗅内野機能としての空間ナビ機能を簡便に測定できる。本法がADリスクの高いMCI患者を検出でき、さらに認知機能障害の進行予測に役立つことを報告する。現在、レケンビ治療が開始されてまもないが、その実際や今後の課題等について議論する。
ランチョンセミナー13「アミロイド関連画像異常(ARIA)と脳アミロイド血管症」
日時:11月23日(土)12:00-12:50
会場:第1会場(1F 多目的展示ホール(A))
座長:川勝 忍(福島県立医科大学会津医療センター 精神医学講座)
演者:新堂 晃大(三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学)
共催:エーザイ株式会社メディカル本部/バイオジェン・ジャパン株式会社メディカル本部
▼ 概要
アルツハイマー病に対し抗Aβ抗体療法が臨床現場に登場し、認知症診療に新たな展開を迎えている。アミロイド関連画像異常(ARIA)は抗Aβ抗体療法における重要な副作用であり、脳実質の血管性浮腫や脳溝への血清蛋白成分の漏出により主にMRI FLAIR画像において高信号病変を呈するARIA-Eと、微小出血と脳表ヘモジデリン沈着によりT2*強調画像やSWIにより低信号の病変を呈するARIA-Hに分類される。ARIA-E、ARIA-Hの画像所見はそれぞれ脳アミロイド血管症関連炎症や脳アミロイド血管症に伴う出血性病変と共通性が報告されておりARIA発症には炎症、補体の関連や血管透過性の亢進などの機序が挙げられる。脳アミロイド血管症の病態からARIAについて検討したい。
ランチョンセミナー14「認知症の予防・早期診断・早期治療に向けた取り組みと課題」
日時:11月23日(土)12:00-12:50
会場:第2会場(1F 多目的展示ホール(B))
座長:三村 將(慶應義塾大学予防医療センター)
演者:木村 成志(大分大学医学部 神経内科学講座)
共催:大塚製薬株式会社 メディカル・アフェアーズ部
▼ 概要
我々は,大分県臼杵市の認知症対策として医師会、介護、行政、大分大学医学部による多職種連携体制を構築して認知症の啓発、予防、早期診断・早期治療を継続してきた。2015年からは、ウェアラブル生体センサを用いた生活習慣における認知症リスク因子の発掘に向けた前向きコホート研究を実施し、高齢者の認知症予防における運動、睡眠、会話の重要性を明らかにした。また、医療機能の分化と連携により、かかりつけ医でのスクリーニングから専門医による診断・治療まで切れ目のない医療提供が可能となり、介護・ケアと協働することで介護負担が高く、予後にも影響するAgitationなどのBPSDへの対応レベルも向上した。
ランチョンセミナー15「夢見た未来を超えて:次世代認知症診療のその先へ」
日時:11月23日(土)12:00-12:50
会場:第3会場(1F コンベンションホール(A))
座長:岩田 淳(東京都健康長寿医療センター)
演者:島田 斉(新潟大学脳研究所 統合脳機能研究センター 臨床機能脳神経学分野/
量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究センター)
日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部
▼ 概要
2023年末、本邦で初めてとなる抗アミロイドβ抗体薬が臨床実装された。バイオマーカーを駆使した臨床診断を行い、脳病態へ直接介入する治療を行う—現在の認知症診療はまさに、我々がこれまで夢見続けてきた「未来」そのものである。現在、本邦では二つ目となる抗アミロイドβ抗体薬の保険収載も見込まれ、さらには臨床試験で有望な次世代の抗アミロイドβ抗体薬の開発も進行中である。2024年6月にはアルツハイマー病の改訂診断基準が発表された。本講演では、これまでの認知症診療と創薬過程ならびにそれを支えるバイオマーカー技術開発の歴史を振り返りつつ、我々が目指すべき「(かつての)次世代認知症診療のその先」について考察する。
ランチョンセミナー16「MIBGを活用したProdromal DLBの早期診断」
日時:11月23日(土)12:00-12:50
会場:第4会場(1F コンベンションホール(B))
座長:小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳神経内科学)
演者:藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
共催:PDRファーマ株式会社
▼ 概要
アルツハイマー病(AD)に対する抗アミロイド療法の登場に伴い、脳病態を的確に把握した臨床診断が日常診療で求められている。そのため、ADに次いで頻度の高いレビー小体型認知症(DLB)の早期診断が重要となり、Prodromal DLBの臨床診断基準が作成された。レム睡眠行動障害や自律神経障害がDLB発症にしばしば先行し、診断バイオマーカーとして、心臓交感神経脱落を反映するMIBG心筋シンチグラフィーが明示されている。本講演では、DLBの早期診断にあたり、前駆症状としてのレム睡眠行動障害の病歴聴取とMIBG心筋シンチグラフィーの有効活用について概説する。
ランチョンセミナー17「認知症予防を目指した早期発見・早期介入と地域連携」
日時:11月23日(土)12:00-12:50
会場:第5会場(3F 中会議室(A・B))
座長:橋本 衛(近畿大学医学部精神神経科学教室)
演者:櫻井 孝(国立長寿医療研究センター)
共催:東和薬品株式会社
▼ 概要
認知症リスクとして高血圧、糖尿病などの生活習慣病、運動不足、社会参画の減少など多様な危険因子が指摘されている。認知症のリスク低減では、複数の因子に同時に介入する多因子介入が主流になりつつある。FINGER研究の成功を踏まえ、わが国でも軽度認知障害を対象にJ-MINT研究が行われた。アドヒアランスの高い参加者では認知機能の低下が明らかに抑制された。また、多因子介入により高いレスポンスが期待できる高齢者の特性も明らかになった。今後、地域の介護予防やもの忘れ外来でも多因子介入が普及することが期待される。認知症発症前からのリスク低減を行える地域連携についても議論したい。
ランチョンセミナー18「認知症医療における新しい画像の役割」
日時:11月23日(土)12:00-12:50
会場:第6会場(4F プレゼンテーションルーム)
座長:松田 博史(福島県立医科大学/一般財団法人脳神経疾患研究所南東北創薬・サイクロトロン研究センター)
演者:「99mTc-ECD SPECT からAβ PET+を予測する」
朝田 隆(筑波大学/メモリークリニックお茶の水)
「脳ドックデータ大量解析から見える未病時の脳健康状態について」
森 進(ジョンズホプキンス大学 放射線科/株式会社エム)
共催:株式会社エム
▼ 概要
認知症医療における医療画像の役割について、新しいアプローチを紹介する。最初の演題では、アルツハイマー病の疾患修飾薬には、高価な Aβ PETをもとに脳内アミロイドβ沈着の証明が必要となるが、 Aβ PET+を予測する前段階として99mTc-ECD SPECTに注目し、臨床データとの相関を解析した。2題目では、未病段階での脳の健康状態の推移を大量の脳ドックデータから観察し、認知症前段階での脳の健康悪化の検出の可能性を試みた。これらの脳画像解析により、認知症前段階における介入や早期発見をより効果的に行う可能性について考察する。
モーニングセミナー
モーニングセミナー「脳内のアミロイドβプラークを神経変性・血管障害双方の視点から考える」
日時:11月23日(土)8:00-8:50
会場:第3会場(1F コンベンションホール(A))
座長:小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳神経内科学)
演者:猪原 匡史(国立循環器病研究センター病院 脳神経内科)
共催:日本イーライリリー株式会社
▼ 概要
脳は恒常性維持のため、アミロイドβタンパク(Aβ)などの排泄経路として、血管周囲排泄経路(IPAD)やグリンパティック系排出路(グリアリンパ系)などを有している。IPADは、動脈拍動が駆動力となり,神経や血管のAβなどの老廃物の血管を介した排泄システムであり、血管の動脈硬化やアミロイドβプラークの沈着により病態は悪化する。グリアリンパ系排泄機能低下については、加齢や生活習慣病との関連も示唆されている。本セミナーでは、脳内に蓄積するアミロイドβプラークについて、神経変性と血管障害双方ならびに炎症の視点から高血圧、生活習慣病さらには老化を含めて考察し、そのマネジメントについてまとめる。
イブニングセミナー
イブニングセミナー1「地域で実践するレケンビ治療:早期介入とその診療連携」
日時:11月21日(木)17:40-18:30
会場:第3会場(1F コンベンションホール(A))
座長:粟田 主一(東京都健康長寿医療センター 認知症未来社会創造センター/
社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)
演者:小原 知之(九州大学病院 精神科神経科)
共催:エーザイ株式会社/バイオジェン・ジャパン株式会社
▼ 概要
認知症の早期診断・早期介入の重要性はレケンビの登場を背景に近年、より一層高まり、新たな診療連携体制構築が喫緊の課題となっている。
本セミナーでは、MCI疑い患者の専門医療機関への早期受診を企図したかかりつけ医と専門医療機関との連携について解説する。また今後は、専門医療機関での治療キャパシティーが飽和することが想定され、レケンビ初回投与6か月以降のフォローアップ施設との連携がより重要となる。本セミナーは新たな早期AD治療に必要な地域診療体制の構築について紹介するとともに本院でのレケンビの導入症例を例示し、実臨床でのレケンビ治療の実際について講演する。
イブニングセミナー2「疾患修飾薬時代の認知症診断・治療・ケア」
日時:11月21日(木)17:40-18:30
会場:第4会場(1F コンベンションホール(B))
座長:島田 斉(新潟大学脳研究所 統合脳機能研究センター 臨床機能脳神経学分野)
演者:武地 一(藤田医科大学医学部 認知症・高齢診療科)
共催:株式会社島津製作所
▼ 概要
2023年12月、日本においてもアルツハイマー病に対する抗Aβ抗体薬治療が開始となった。1999年のアルツハイマーワクチン治療の可能性の報告、2004年のアミロイドPETによる脳内アミロイドβ沈着の可視化等の報告を経て、研究者や企業の長年の努力が積み重なった結果、アルツハイマー病の根本原因への治療的介入が行われる時代となってきた。しかし、根本原因へのアプローチとなることで、診断と治療に際しては、アミロイドPET等によるバイオマーカーを駆使し、背景病理の混合や病的意義の少ないと予想される変化等も理解したうえでの対応が必要となる。また、抗Aβ抗体薬の対象にならなかった場合のケア的な対応も考えておくことが重要である。
イブニングセミナー3「レケンビの登場を経て、診断後支援について再考する」
日時:11月22日(金)17:40-18:30
会場:第3会場(1F コンベンションホール(A))
座長:繁田 雅弘(栄樹庵診療所/東京慈恵会医科大学)
演者:木下 彩栄(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 在宅医療・認知症学分野)
共催:エーザイ株式会社/バイオジェン・ジャパン株式会社
▼ 概要
従来の認知症診療では、生活指導や抗認知症薬の処方、介護保険制度の紹介などの医療を提供してきた。しかしながら、外来診療だけでは情報提供は不十分になりがちで、診断後に適切な支援が受けられるまでの期間は平均1年5か月にもなるという報告がある。これを受け、本人と介護家族にタイムリーな心理的・社会的支援を提供し、支援までの空白期間を短くすることが重要視されるようになってきた。さらに、抗Aβ抗体薬の登場により、診断後支援の重要性がさらに増している。本セミナーでは、診断後支援についての文献・実践報告をもとにしながら、新しい時代の診断後支援の在り方について検討する。
イブニングセミナー4「診療におけるSDMの重要性」
日時:11月22日(金)17:40-18:30
会場:第4会場(1F コンベンションホール(B))
座長:川勝 忍(福島県立医科大学会津医療センター 精神医学講座)
演者:井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 脳神経内科)
共催:日本イーライリリー株式会社
▼ 概要
医療において患者の価値観を尊重する社会的要請の高まりと、根拠に基づく医療(EBM)の普及を背景に、シェアード・ディシジョンメイキング(SDM)が注目されています。SDMは、医学的な情報や最善のエビデンスと、患者の生活背景や価値観など、医療者と患者が、双方の情報を共有し、意思決定を共にするプロセスです。医薬品や診断技術の進歩に伴い、遺伝子・病理診断検査や高額な治療費、重篤な有害事象のリスクなどを背景にした治療選択肢の説明と同意が、SDMに基づいた診察プロセスが求められています。本セミナーを通じ、SDMの目標である「当事者のBenefitやQOLを最大限にする」ために、日常診療の参考にしていただけましたら幸甚です。