プログラム・日程表
会長講演
PL | 若年性認知症の臨床画像病理をめぐって座長:岩坪 威(東京大学大学院 医学系研究科 神経病理学分野) 演者:川勝 忍(福島県立医科大学 会津医療センター 精神医学講座) |
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特別講演
SL1 | 疾患修飾薬のその先へ座長:川勝 忍(福島県立医科大学 会津医療センター 精神医学講座) 演者:下濱 俊(医療法人社団慈誠会 慈誠会・練馬高野台病院) |
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SL2 | 認知症の画像診断の進歩座長:朝田 隆(メモリークリニックお茶の水) 演者:松田 博史(福島県立医科大学生体機能イメージング講座) |
SL3 | 共生社会の実現を推進するための認知症基本法とこれからの認知症施策座長:森 啓 (長岡崇徳大学 特任教授) 演者:粟田 主一(東京都健康長寿医療センター) |
SL4 | 認知症診療・研究における神経心理学の役割座長:福井 俊哉(三星会かわさき記念病院 脳神経内科) 演者:鈴木 匡子(東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学) |
SL5 | 認知症の人への尊厳あるケア提供のために座長:岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科神経病理学分野) 演者:江澤 和彦(公益社団法人日本医師会 常任理事) |
Plenary Session
PS1 | The impact of TDP-43 pathology in AD and other dementias座長:新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学) 演者:Keith A. Josephs(Mayo Clinic) |
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PS2 | Update on Tau-related conditions座長:村山 繁雄(大阪大学大学院連合小児発達学研究科 附属子どもの心の分子制御機構研究センター ブレインバンク・バイオリソース部門 演者:Gabor G. Kovacs(University of Toronto, Tanz Centre for Research in Neurodegenerative Disease) |
学術教育講演
EL1 | ALS/PD関連疾患座長:石田 義則(一般財団法人竹田健康財団 竹田綜合病院 脳神経疾患センター 脳神経内科) 演者:金井 数明(福島県立医科大学医学部 脳神経内科学講座) |
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EL2 | 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症をめぐる最近の進歩座長:饗場 郁子(国立病院機構東名古屋病院 脳神経内科) 演者:下畑 享良(岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経内科学分野) |
EL3 | 血管性アミロイドの基礎座長:古川 勝敏(東北医科薬科大学医学部 老年・地域医療学教室) 演者:北爪しのぶ(福島県立医科大学保健科学部 臨床検査学科) |
EL4 | 認知症の臨床診断における画像診断の活用座長:羽生 春夫(総合東京病院 認知症疾患研究センター) 演者:櫻井 圭太(国立長寿医療研究センター 放射線診療部) |
EL5 | 行動神経学座長:長濱 康弘(かわさき記念病院) 演者:船山 道隆(足利赤十字病院 神経精神科) |
EL6 | 法医解剖例から見た高齢者の臨床神経病理座長:内原 俊記(沖縄県立中部病院ハワイ大学卒後医学臨床研修事業団ディレクター) 演者:西田 尚樹(富山大学学術研究部医学系 法医学講座) |
EL7 | 地域に根差す認知症カフェ座長:林 博史(福島県立医科大学保健科学部作業療法学科) 演者:武地 一(藤田医科大学医学部認知症・高齢診療科) |
EL8 | やさしさを伝えるケア技術"ユマニチュード"により認知症症状の悪化を回避する座長:前島伸一郎(国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター) 演者:伊東 美緒(群馬大学大学院保健学研究科) |
EL9 | 脳循環代謝と認知症:脳の水の役割座長:伊関 千書(東北大学 高次機能障害学) 演者:山田 茂樹(名古屋市立大学大学院医学研究科 脳神経外科学) |
EL10 | ARIAリスクとしての脳アミロイド血管症座長:荒井 啓行(東北大学 名誉教授) 演者:冨本 秀和(三重大学大学院医学研究科・脳神経内科/済生会明和病院) |
EL11 | 認知症と鑑別すべき老年期精神病座長:藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学) 演者:入谷 修司(桶狭間病院附属脳研究所/藤田医科大学) |
EL12 | 認知症予防やIoT、AI技術座長:古和 久朋(神戸大学大学院保健学研究科) 演者:三村 將(慶應義塾大学予防医療センター) |
シンポジウム
SY1 | オーガナイザー:岩田 淳(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 脳神経内科) 概要:レカネマブの上市、ドナネマブの承認申請と抗Aβ薬については順調な開発が続けられている。まずはこれらの上市後の状況と市販後調査の動向、そしてそれらに続く新しい薬剤の今後の開発の方向性について議論したい。また、Aβ以外のターゲットについての創薬状況についても各開発企業担当者より最新情報を提供していただく。 |
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SY2 | オーガナイザー:繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学精神医学講座) 概要:認知症患者にとって心理療法はいくつかの理由で重要である。まず認知症の行動心理症状の防止や軽減において有用である。しばしば不安や抑うつ、混乱などの症状を認めるが、心理療法はこれらを軽減する可能性がある。また症状のために日常生活に多くの制約が生じるが、心理療法は彼らの生活の質を向上させる可能性もある。ストレス管理やコミュニケーションスキルの向上などを通じて、より良い生活を送ることができる可能性がある。さらに認知症患者はしばしば孤立感や孤独感を感じるが、心理療法は社会的および感情的なサポートを提供し孤独感の軽減に有用である。そして、これらの効果は認知機能の低下を遅らせる可能性もある。一方、ケアラー(介護者)にとっても心理療法は重要でストレスや負担を軽減する可能性がある。 |
SY3 | オーガナイザー:小原 知之(九州大学病院 精神科) 概要:認知症は多因子疾患であるため、生活習慣病や生活習慣などの因子に加えて、脳画像などのバイオマーカーを含めた包括的な検討が重要である。様々な危険因子が同定されるなか、脳小血管病を含む血管障害は生活習慣の是正などを通じてそのリスクを最小限化できうる因子といえる。多くの研究を通じて同定された危険因子を学ぶだけでなく、その社会実装における課題を明らかにすることは重要である。本シンポジウムでは、認知症の疫学研究や臨床研究などで得られた血管障害と認知症との関係だけでなく、日本人において認知症の発症リスクを修飾しうる危険因子を社会実装する際の課題を学び、認知症に伴う医療・経済的負担軽減の具現化を目指したい。 |
SY4 | オーガナイザー:長谷川成人(東京都医学総合研究所) 概要:近年、クライオ電子顕微鏡によるタンパク質の構造解析は検出器の発明と解析ソフトの開発で飛躍的に進歩し、構造生物学の世界に革命をもたらしている。認知症疾患の患者脳に蓄積するタウ、αシヌクレイン、TDP-43、Aβなどの構造が次々と明らかにされ、タンパク質の構造に基づいた疾患分類が提唱されている。認知症の診断プローブ開発や治療薬開発もつながるクライオ電顕解析について、これまで何がどこまで解明されたか紹介していただき、今後どのような応用が考えられるかなどについて議論したい。 |
SY5 | オーガナイザー:長谷川隆文(NHO 仙台西多賀病院 脳神経内科) 概要:一部の哺乳類は冬季や食料不足に直面すると,全身の酸素消費量が低下し代謝が抑制させることで生命機能を必要最小限に絞り、エネルギー必要量を減らす戦略をとる能力を有している。これを「休眠」と呼び,数ヶ月に渡る季節性冬眠と,数時間程度の日内休眠の2つに大別される。休眠の特徴は,低代謝耐性・低温耐性・体温恒常性の抑制に加え、休眠から醒めた後に生体が障害を受けずに正常に復することにある。この様な低代謝耐性と低体温耐性を人類に実装すること(人工冬眠)が叶えば、呼吸・循環不全などエネルギー破綻が問題となる疾患や老化・認知症など進行性の病態への新しい治療法開発に結びつくことが出来る可能性がある。また、患者を一時的に冬眠させ遠隔地に搬送した上で治療を行うことで、重症患者の救命率を向上させることが期待される。さらに、冬眠技術により寿命を大きく延長するが出来れば遙か彼方の宇宙への旅行も可能となり、既存の時空概念が大きく塗り替えられる可能性もある。近年、通常冬眠しないマウスを冬眠状態に誘導する神経回路が同定されたり、人工冬眠・生命保護状態を誘導する匂い分子や冬眠から覚める際の虚血再灌流障害から生体を保護する分子が同定されるなど、冬眠研究は大きく進歩している。本シンポジウムでは、休眠・冬眠研究の分野でご活躍されているトップランナーの先生方に最新の知見を紹介いただき、休眠・冬眠の分子メカニズムその制御の現在地を確認すると供に、老化や認知症研究を含めた今後の応用面について多角的な視点から議論する場としたい。 |
SY6 | オーガナイザー:新美 芳樹(東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学) 概要:共生社会の実現を推進するための認知症基本法には、第二十条のなかで、「共生社会の実現に資する研究等の基盤を構築するため」の「当該研究等への認知症の人及び家族等の参加の促進」がのべられている。より良い研究のために、研究への患者・市民参画(Patient and Public Involvement:PPI)は、研究者にとっても当事者にとっても重要、有用であり、これからの認知症研究においては、その推進は必須ともいえる。本シンポジウムでは、各ステークホルダーの視点から、認知症研究とPPIについての発表を聞き、今後に向けた検討を行う。 |
SY7 | オーガナイザー:渡辺 宏久(藤田医科大学医学部脳神経内科学) 概要:ヒトの認知機能において未解決の問題、例えば複数の高次脳機能が同時に働く理由、各種高次脳機能がピークとなる年齢が異なる理由、脳萎縮にもかかわらず健常加齢において認知機能が保持される理由、軽度認知機能障害においてreverterやconverterが生ずる理由などを考える場合、静的なモジュール構造の直線的な破綻から各種現象を説明することは困難で、動的な複数のモジュール構造をネットワークと捉え、そのダイナミックな変化を理解することが大切となる。本シンポジウムでは、病理、病的タンパク質、機能的ならびに解剖学的MRIという異なるモダリティの観点から認知症の脳内ネットワーク研究の現在地を整理してみたい。 |
SY8 | オーガナイザー:新堂 晃大(三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学) 概要:脳血管と認知症の関連は血管性認知症のみにとどまらず、血管危険因子がアルツハイマー病のリスクにつながること、さらに血液脳関門の障害や慢性脳低灌流がアルツハイマー病理に影響を与えることなどが報告され、特に脳小血管病とアルツハイマー病が相互に関連することが示されている。脳小血管病では高血圧性細動脈硬化症の他、脳アミロイド血管症、さらに遺伝性脳小血管病のCADASIL、CARASILについて病態解明のみならず新規治療法の開発がなされている。臨床現場において、脳小血管病の診断はラクナ梗塞や微小出血、大脳白質病変や血管周囲腔拡大などの存在や分布をMRI画像を検討することで行ってきたが、近年さらに皮質微小梗塞やや脳表ヘモジデリン沈着症について新たな知見が得られている。遺伝性脳小血管病では新規治療開発がされており、本シンポジウムでは、脳血管と認知症との関連について脳小血管病を中心に最新の研究内容を学ぶ機会としたい。まずはその診断に結びつくMRI画像について最新の研究を紹介し、さらにこれまでのアルツハイマー病モデルマウスでは再現が困難であった脳アミロイド血管症について、新規モデルマウスの開発とそれを用いた新たな検討を行いたい。また、遺伝性脳小血管病における最新の治療戦略としてCADASILではアドレノメデュリンを用いた治験を中心に、CARASILではmatrisome蓄積と治療戦略についてディスカッションを行う場として提案させていただく。 |
SY9 | オーガナイザー:岡村 信行(東北医科薬科大学医学部薬理学教室) 概要:ドラッグデリバリーシステムは薬物を特定の組織や細胞へと送達する系であり、創薬において非常に重要な要素の一つである。認知症などの神経疾患に対する創薬において、高分子の薬物を効率よく中枢神経系に送達するには血液脳関門透過性などの問題を乗り越える必要があるが、最新の技術革新や新規経路を活用することにより、これらの障壁を打ち破る可能性が示されつつある。本シンポジウムでは、薬物などの送達技術の新規開発や新たな送達経路の可能性について最新の知見や研究成果を紹介していただき、神経疾患に対する新たな治療戦略について議論したい。 |
SY10 | オーガナイザー:成本 迅(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学) 概要:認知症の人のエンドオブライフにおいては、ご本人から希望やニーズを聞き取ることが難しくなる。このため本人の希望や主観的な生活の質をもとにした治療方針の決定、そして自覚症状をもとにした薬剤調整やケアができなくなるなどの課題が生じる。本シンポジウムでは、異なる立場からこの課題に取り組んでいるシンポジストからの報告をもとに、今後の方向性を議論したい。 |
SY11 | オーガナイザー:前田 哲也(岩手医科大学医学部内科学講座脳神経内科・老年科分野) 概要:レヴィー小体はα-シヌクレインが異常凝集して不可溶化し、中枢および末梢神経系の神経細胞体あるいは軸索内に蓄積した封入体である。パーキンソン病の青斑核や黒質などで発見され臨床病理学的意義は確立された。レヴィー小体型認知症、レム睡眠行動障害や進行性自律神経機能不全症などとともに一括してレヴィー小体病と呼ばれる。臨床的にはMIBG心筋シンチグラフィーによりレヴィー小体の存在を推定することも可能である。またレヴィー小体ではないものの多系統萎縮症はオリゴデンドログリア細胞にα-シヌクレインの凝集体を形成する。このシンポジウムではレヴィー小体にフォーカスして関連する病態について基礎的あるいは臨床的に議論を深めたい。 |
SY12 | オーガナイザー:池内 健(新潟大学脳研究所 生命科学リソース研究センター) 概要:遺伝性アルツハイマー病(AD)は孤発性ADと比較して希少であるが、ADの病態の理解に大きく貢献してきた。DIAN(dominantly inherited Alzheimer's disease)研究は無症候者を中心とした遺伝性AD家系員を対象とした観察研究としてスタートし、AD発症前のバイオマーカー変化を時間軸とともにに明らかにするのなど、AD研究に大きなインパクトを与えた。全世界で500人以上の遺伝性AD家系員がグローバルDIAN研究に参加しており、その詳細なデータが昨年発表された(McKay et al. Nat Neurosci 2023)。本シンポジウムではグローバルDIANおよびDIAN-Japanの成果を共有し、遺伝性AD研究の最前線を発表いただく。またDIAN観察研究を基盤に、抗アミロイドβ抗体薬と抗タウ抗体薬を併用するDIAN NexGen治験が国内外で開始された。このような治験を促進するためのトライアルレディコホートHED-TRC研究をあわせて紹介する。 |
SY13 | オーガナイザー:清水聰一郎(東京医科大学 高齢総合医学分野) 概要:アルツハイマー病疾患修飾薬が本邦で使えるようになって,一年が経とうとしている。実臨床での様々な問題点が浮き彫りになってきた。本シンポジウムでは実臨床での経験豊富な先生方にお話を聞く機会として設けさせていただいた。特に,いまだ地域格差が強いと言わざるを得ない。そのため全国における投与状況がわかる先生方のお話を聞く機会を作らせていただいた.本シンポジウム発案時は,まだまだ経験不足な感が否めない。シンポジウムの最後にたっぷりと20分間の総合討論の時間を設けたので,ぜひ聴講の先生方からのご意見や経験をお伺いしたいと考えている。本シンポジウムにて,これからの疾患修飾薬治療の一助になれば幸いである。 |
SY14 | オーガナイザー:小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域医学系脳神経内科学) 概要:アルツハイマー病の治療薬として抗アミロイド抗体であるレカネマブがついに臨床現場で実装化され、パーキンソン病やタウオパチー等その他の神経変性疾患に関しても疾患修飾療法の登場が期待されるとともに、タウやシヌクレインなどの他の病態蛋白の病的意義とそれを踏まえての診断マーカーや根治的アプローチを目指した研究が盛んになってきている。臨床応用に繋がりつつある、あるいは繋がる可能性を大きく秘めている最近のAβ、タウ、シヌクレインの研究成果に関して世界最先端を走っている研究者たちに講演をしていただき、今後の展望に関して皆様と有意義なディスカッションをしたい。 |
SY15 | オーガナイザー:島田 斉(新潟大学 脳研究所 統合脳機能研究センター) 概要:2023年末にアミロイドβを標的とする抗体薬が本邦でも保険収載されたことに伴い、アミロイドPETも臨床実装をされた。また創薬過程においてはアミロイドPETに続いてタウPETも、病態診断のみならず病期評価による患者層別化や薬効評価を行うためのバイオマーカーとして、不可欠な基盤的技術となってきた。本シンポジウムは、①アミロイドPETの臨床実装で見えてきた実臨床での課題、②アミロイドPETの検診利用が推奨されない理由と今後の課題、③タウPETやシヌクレインPETなどの技術開発と最新知見など、認知症脳病態PETイメージングの最先端を学ぶとともに、目指すべき未来について議論を深める機会としたい。 |
SY16 | オーガナイザー:笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室) 概要:神経疾患の病態探索指標および治療を目的として、近年経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation : TMS)を用いた研究が活発化している。 |
SY17 | オーガナイザー:髙尾 昌樹(国立精神神経医療研究センター) 概要:認知症を理解する上で,神経病理学的な理解,とくに基本的な知識は必要です.しかし,病理解剖数の減少などから,神経病理に接する機会が減っており,CPCに接することも少なくなりました.ここでは,認知症を理解するための神経病理学に馴染みを持っていただくためのCPCを開催します.過去数年にわたり開催してきた参加型CPCとして,クイズを取り入れ,参加者からの回答やご意見をいただきながら,楽しいCPCとしたいと思います. |
SY18 | オーガナイザー:太田 康之(山形大学医学部内科学第三講座神経学分野) 概要:軽度認知障害(mild cognitive impairment;MCI)とは、認知症の前段階を指す臨床的な概念であり、認知機能の低下を認めるため正常ではないが、認知症ではない状態を指す。認知症の早期診断と発症予防の重要性が認識され、MCIの疾患概念がつくられたが、昨年にレカネマブが国内承認され、アルツハイマー病(Alzheimer's disease; AD)の病態を持つMCIが治療対象になったことから、ますますMCI診療が重要になっている。しかしMCIの臨床診断には課題があり、バイオマーカーの利用については知見を深める必要がある。また、認知症予防の観点から、MCI診療を改めて見直す必要がある。本シンポジウムでは、MCIの最新の知見をもとに、現在のMCI診療と認知症予防の課題を明らかにする。 |
SY19 | オーガナイザー:池田 学(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室) 概要:前頭側頭葉変性症(FTLD)の臨床サブタイプは、行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)、意味性認知症(SD)、非流暢性進行性失語に分類され、長年にわたって一定のコンセンサスを得てきた。しかし、右優位型SDではbvFTDで見られるような行動異常が早期から出現すると指摘されてきた。また、近年、左優位型SDとは異なり神経病理学的な多様性も明らかとなり、欧米を中心に右側頭葉優位型前頭側頭型認知症(rtvFTD)やsemantic behavioral variant FTD(sbvFTD)の概念が提唱された。本シンポジウムでは、右側頭葉萎縮例の位置付けを多角的に論じてみたい。 |
SY20 | オーガナイザー:木村 暁夫(岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経内科学分野) 概要:近年、新たな自己抗体の発見により自己免疫性脳炎の臨床スペクトラムの拡がりを認めている。認知機能障害を単独もしくは主症状とする自己免疫性脳炎も存在し神経変性疾患による認知症と誤診されることもある。自己免疫性脳炎は、免疫療法が有効であり、認知症の鑑別疾患として見逃してはならない疾患である。本シンポジウムでは、認知機能障害を主体とする自己免疫性脳炎の臨床的特徴、認知症に類似する自己免疫性脳炎の鑑別のポイントと治療、代表的な抗LGI1脳炎について解説する。また、高齢者における急性〜亜急性の認知機能障害を呈する疾患である、CAAを背景として発症する炎症性脳アミロイド血管症についても取り上げる。 |
SY21 | オーガナイザー:里 直行(国立長寿医療研究センター) 概要:ApoE遺伝子型がアルツハイマー病の強い遺伝因子であることが報告されてから、約30年が経過した。しかし、ApoEを標的とした治療法の開発はいまだ十分ではない。ApoEは脂質を運ぶアポリポ蛋白であり、脂質代謝に重要な分子でもある。実際、ApoE2遺伝子はアルツハイマー病に抑制的であるが、Ⅲ型脂質異常症の原因である。さらに最近、Presenilin変異の家系でAD発症に抑制的であると報告されたChristchurch変異も同様にⅢ型脂質異常症の原因であることが1980年代に報告されている。こういった背景をふまえ、今回あらためて、ApoEの病的および生理的役割を再考しディベートを行うことによって、認知症におけるApoEの役割の理解とそれに基づく臨床への応用につながれば幸いである。 |
SY22 | オーガナイザー:池内 健(新潟大学脳研究所 生命科学リソース研究センター) 概要:抗アミロイドβ抗体薬治療の要否を判断するためのアミロイドβ(Aβ)検査として脳脊髄液Aβ検査が保険収載されるなど、認知症診療におけるバイオマーカーの臨床実装が進んでいる。バイオマーカーにより背景病理を加味した認知症診療の重要性が今後増していくことと思われる。本シンポジウムでは脳脊髄液マーカーの実臨床での活用、新規マーカー開発、新たな技術を駆使したアッセイ法の応用、血液バイオマーカーの実証研究などをとりあげ、体液バイオマーカーの進歩を共有したい。またバイオマーカーを最適な形で実用化していく上での課題を考え、認知症診療の将来展望を議論する機会としたい。 |
SY23 | オーガナイザー:吉田 眞理(愛知医科大学加齢医科学研究所) 概要:高齢者の認知症には、血管性認知症やアルツハイマー型認知症以外に非アルツハイマー型認知症として、神経原線維変化型老年期認知症、嗜銀顆粒病、辺縁系優位型年齢関連TDP-43 脳症(Limbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy, LATE)などが含まれる。またレビー小体病/レビー小体型認知症は加齢とともに発症が増加し、アルツハイマー型認知症と合併する頻度も高い。高齢者の非アルツハイマー型認知症の臨床病理像の特徴や混合病理像を理解し、臨床診断や画像診断、介護の現場に還元する端緒を議論したい。 |
SY24 | オーガナイザー:渡辺 宏久(藤田医科大学医学部脳神経内科学) 概要:神経変性性認知症、血管性認知症、正常圧水頭症をはじめ、認知症では、多彩な自律神経不全、嚥下障害、転倒、骨折、摂食・食行動異常を呈する。いずれの病態も原疾患に加え加齢や併存症でも生じうるために見過ごされやすいこと、認知機能低下が適切な内服管理や非薬物療法を時に困難とすること、全経過において発症時期や重症度が異なること、時に生命に直接的に関わることなどが医療現場において大きな問題となっている。本シンポジウムは、それぞれの病態における専門家から、病態の理解、気づき、予防、薬物治療、非薬物治療、実践的な対応法に関し、最新のトピックや自身の経験も踏まえながら実臨床で有益な知識や知恵を学ぶ機会としたい。 |
SY25 | オーガナイザー:新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学) 概要:若年性認知症には、老年期認知症に比し、実態の不明確さ、診断の困難さ、社会経済的な問題の深刻さ、支援に関するリソースの乏しさなどの多くの困難な側面がある。2017〜2020年、我が国において若年性認知症の大規模調査が行われ、その有病率および生活実態がより明らかとなった。本シンポジウムでは、これらを踏まえ、若年性認知症の診断・治療・支援の現状、課題および今後の展望等について議論する。 |
SY26 | オーガナイザー:中西 亜紀(大阪公立大学大学院生活科学研究科) 概要:2024年1月「共生社会の実現を推進する認知症基本法」が施行され、認知症施策は基本計画に基づき進められることとなるとともに、アルツハイマー病の抗Aβ抗体薬治療が始まり、認知症を取り巻く社会は新しい時代を迎えている。しかし2040年に向け、わが国の少子高齢化はいっそう進行し、医療・介護等の人材不足が推測されている。認知症研究を進め、認知症医療・介護を支える専門職として、自らのライフステージに応じて我々はいかにキャリアを重ね社会貢献していくべきなのか、本シンポジウムでは、それぞれの分野の専門家に現状と課題をご紹介いただき今後の方向性の議論を深めたい。 |
SY27 | オーガナイザー:武田 朱公(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学) 概要:アルツハイマー病に対する抗アミロイド抗体医療の登場を受け、認知症診療は新しい時代を迎えている。また、疾患修飾薬を支える画像・体液バイオマーカーの開発も急速に発展している。未だ解明されていない認知症の病態も多く残されているが、基礎研究の進歩は新薬開発に確かな手掛かりを与えている。医療におけるデジタルやAI技術の利活用が進む中で、これらの技術は認知症診療にも大きなインパクトを与えつつある。本シンポジウムでは、診断、治療、さらにはAIを含む新しい技術開発における各領域のフロントランナーの先生から最新の知見をご紹介いただき、認知症研究の進歩がもたらす近未来の認知症診療の姿について展望したい。 |
SY28 | オーガナイザー:岡村 信行(東北医科薬科大学医学部薬理学教室) 概要:アミロイドPETやタウPETの実用化によって、アルツハイマー病関連病理の生前段階からの把握が可能になった。これに対し、アルツハイマー病以外の神経変性疾患の病理像を把握するためのバイオマーカーはまだ不足している。近年、αシヌクレイノパチーや前頭側頭葉変性症の脳内病変を可視化するPETプローブが開発され、また活性化ミクログリアや反応性アストロサイトを選択的に画像化するプローブの開発も進んでいる。本シンポジウムでは、アミロイド、タウ以外の新たな分子をターゲットとしたPETプローブの開発やその臨床研究の成果をご紹介いただき、新規画像バイオマーカーとしての可能性について議論したい。 |
SY29 | オーガナイザー:藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学) 概要:アルツハイマー病に対する抗アミロイド療法の登場に伴い、MCIにおける脳病態を的確に把握した診断が日常診療で求められている。DLBの剖検脳の多くがβアミロイド沈着を認めるが、その経時的な蓄積過程は明らかとなっていない。孤発性レム睡眠行動障害(RBD)やパーキンソン病(PD)もMCIを呈し、それぞれ中核的特徴(RBDとパーキンソニズム)の程度がDLBよりも顕著だが、神経心理学的特徴・支持的症状・バイオマーカー所見などが重複する。本シンポジウムでは、レビー小体病によるMCI(MCI-LB)の病理学的背景に加え、孤発性RBD、PD-MCI、MCI-LBの観点から総括し、MCI診療の向上を目的とした。 |
SY30 | オーガナイザー:森 悦朗(大阪大学大学院連合小児発達学研究科) 概要:レカネマブの登場によってアルツハイマー病、さらに認知症の診療のストラテジーが変わりつつある。適応となるアルツハイマー病患者の選択を念頭に置き早期診断することが加わる。レカネマブの適応には、健忘があること、臨床的に軽症であること、アミロイド病理がバイオマーカーで示すことが必須である。単にもの忘れがあって、アミロイドが陽性という単純に考えてはいけない。それぞれの要件にピットフォールがある。このシンポジウムではこのピットフォールに注目して、アルツハイマー病の早期診断について議論する。 |
SY31 | オーガナイザー:内海久美子(砂川市立病院認知症疾患医療センター) 概要:DMTがいよいよ臨床の場に登場した。ガイドラインでは初回投与医療施設条件の一つに、認知症疾患医療センター(センター)かもしくはセンターとの連携が必要条件となっている。DMT投与に際してもこれまで培ってきたセンターの実績が重視されており、基幹型・地域型・連携型がDMT治療とどのような立ち位置となるのか。またDMT以外の重要な活動の実践についても討論する。 |
SY32 | オーガナイザー:齊藤 祐子(東京都健康長寿医療センター研究所 神経病理学研究チーム) 概要:認知症や精神疾患など、ヒト独自の疾患解明、治療法開発のためには、ヒト脳を用いた解析が最終的には肝要である。本邦では、そのために公的な研究費により、ブレインバンクの充実が図られ、約25年となり、その質については一定の評価を得るようになってきた。しかしヒト脳を研究対象とすることに何等かの障壁を感じている研究者は少なからずおられ、利用者は限られているのが現状である。ブレインバンクの維持は利用されなければ意味が無く、登録者の希望でもある。今回は、経験者に話をしていただき、ヒト検体を利用した研究の実際、有用性を知り、新規のブレインバンク利用者による活用を促したく本シンポジウムを企画した。 |
SY33 | オーガナイザー:數井 裕光(高知大学医学部神経精神科学講座) 概要:iNPH診療においては、類似疾患との鑑別診断に加えて、アルツハイマー病などの併存診断も重要で、認知症診療医の役割は大きい。我々は認知症診療医のiNPH診療を支援するための手引き書を作成した。本シンポジウムでは、この手引き書のエッセンス、すなわちiNPHと類似疾患との鑑別・併存診断アルゴリズム、認知症診療医が知っておくべきシャント術のエッセンス、CSFタップテストの多様性と実施ビデオ作成・公開活動、日常診療に役立つSINPHONIからのエビデンス、R5年度に実施した「我が国の脳神経外科医によるiNPH診療の現状」全国調査結果について発表し、参加者とディスカッションしたいと考えている。 |
SY34 | オーガナイザー:中西 亜紀(大阪公立大学大学院生活科学研究科) 概要:2023年6月14日に「共生社会の実現を推進する認知症基本法(以下基本法)」が議員立法で成立し、2024年1月1日に施行された。その後1月26日に基本法第26条の規定に基づき、認知症施策推進本部が設置された。同本部に於いて、認知症施策推進基本計画が作成および実施推進され、その後、任意ではあるが自治体においても計画が策定され、認知症施策は基本法に基づいて推進されることとなる。当事者の方々を含め、この法律の成立過程に関わった方々とともに、本法律への理解を深め、本法律のもとに推進される施策、そして、今後のわが国が進むべき将来について議論を深めたい。 |
SY35 | オーガナイザー:高畑 圭輔(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構) 概要:慢性外傷性脳症(chronic traumatic encephalopathy: CTE)は、中枢神経損傷によって引き起こされる代表的な続発性タウオパチーである。近年、中枢神経感染症、自己免疫脳炎、てんかん、化学物質中毒症などが続発性タウオパチーを引き起こすことが報告されている。さらに、一部の中枢神経疾患ではCTEと同一のタウ線維が蓄積することが明らかにされるなど、CTE概念の拡張が示唆されている。本シンポジウムでは、イメージングバイマーカー開発、臨床研究、神経病理、モデル動物の各分野から1名ずつ研究者が発表を行い、CTEの研究動向について紹介する。また、我が国におけるCTE研究の課題についても議論を行う。 |
SY36 | オーガナイザー:小林 良太(山形大学医学部医学科 精神医学講座) 概要:昨年の本学会でもLewy小体病にみられるAlzheimer型認知症というタイトルでシンポジウムが行われたが、その後、抗Aβ抗体薬が実臨床で使用可能となり、いよいよレビー小体型認知症における抗Aβ抗体薬の適用の可能性についての議論が必要であると考えられる。そこで本シンポジウムでは、その前段階として、レビー小体病とアルツハイマー病の併存を考えるをテーマに、1.臨床神経病理学的視点からDLB common formとAD formについて、2.体液バイオマーカーやアミロイドPETにおけるAD型病理有病率や縦断的検討について、3.AD型病理がもたらす臨床症候や画像所見への影響について、4.基礎的研究の視点からレビー小体病におけるAD型病理併存の影響について、それぞれ論じてもらい、今後の抗Aβ抗体薬適用の議論の足掛かりにしたいと考えている。 |
SY37 | オーガナイザー:舟本 聡(同志社大学大学院生命医科学研究科神経病理学) 概要:オリゴデンドロサイトは、神経細胞の軸索に髄鞘を形成することで絶縁体として機能し、活動電位の伝導速度を高めている。したがって、この機能不全は必然的に神経活動に影響を及ぼす。実際に多発性硬化症では、脱髄によりさまざまな神経症状が引き起こされると考えられている。近年、神経活動制御や神経回路修復の観点からオリゴデンドロサイトが注目され、多くの研究がなされている。本シンポジウムでは、本邦を代表する4名のシンポジストから最新知見の紹介と認知症への展望についてご講演いただく。 |
ミニシンポジウム
MSY1 | オーガナイザー:紀伊 信之(株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 概要:経済産業省が事務局を務める「認知症イノベーションアライアンスワーキンググループ」では、認知症の人の尊厳・想いを尊重しながら、生活を支える広範な産業と公的機関・医療・福祉・関係者等が連携し、イノベーション創出に向けた検討を実施している。本ミニシンポジウムでは、経済産業省が進める認知症施策の全体像を解説するとともに、同ワーキンググループのもとで進められる認知症当事者と企業との共創による製品・サービス開発(当事者参画型開発)の取組や、認知症予防領域における適切なエビデンスに基づくサービスの開発・普及に向けた取組を紹介する。 |
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MSY2 | オーガナイザー:新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学) 概要:1994年に前頭側頭型認知症(FTD)の概念が提唱されて以降研究が進んだが、それ以前より我が国では、Pick球を伴わずにユビキチン陽性封入体が出現するFTD例について研究されていた。さらに、FTDのMND型は、それ以前に我が国において、MNDを伴う初老期認知症あるいは認知症を伴うALSとして報告され、ユビキチン陽性封入体の存在が記載されていた。2006年、封入体の構成蛋白としてTDP-43が同定され、TDP-43プロテイノパチーという概念が提唱された。これらについて我が国の研究者が果たした役割は大きいことから、本ミニシンポジウムでは、先達に本研究領域の歴史および今後の展望等についてお話しいただく。 |
MSY3 | オーガナイザー:櫻井 圭太(国立長寿医療研究センター 放射線診療部) 概要:現在,アルツハイマー病協会国際会議においてアルツハイマー病(AD)の診断基準の改訂作業が進行している.今後,「臨床的な症候群」ではなく「AD連続体としての生物学的な定義」が重視されることによりバイオマーカーを用いる診断を重視する流れが加速すると予測される.種々のバイオマーカーにおいて脳内のアミロイドβ(A),タウ(T)が中心的な役割を果たすものの,保険診療ではAの検出が可能なアミロイドPET検査が限定的な状況で開始されたばかりである.それ故,日常の診療では最も普及している画像検査であるMRI及び脳血流SPECTでAD及びその鑑別疾患の臨床診断を行わざるを得ないのが実情である.神経変性(N)を反映する脳の形態変化及び血流はADの臨床診断に有用なバイオマーカーだが,ADに特異的な変化ではない.動的神経病理を中心とした研究の進捗により,嗜銀顆粒病,神経原線維変化型老年期認知症,TDP-43 proteinopathyをはじめとした種々の病態が類似したNを呈しうることが判明しており,臨床診断を行う上ではこれらAD mimicsとADとの鑑別が最大の課題であることは論を俟たない.ADの臨床診断におけるNの有用性と限界を実際の症例を提示しながら討議することにより,明日からの診療に役立つ情報を提供することを本ミニシンポジウムの最大の目的としている. |
MSY4 | オーガナイザー:粟田 主一(東京都健康長寿医療センター・認知症未来社会創造センター 概要:国民の平均寿命の延伸と少子高齢化の進展によって,認知症とともに一人で暮らす高齢者の数は21世紀の前半に急速に増加し,その総数は2025年の段階で147万人,2040年の段階で181万人に達するものと予測されている.また,独居認知症高齢者の人口に占める割合は年齢階級とともに高くなり,85歳以上の男性の7%,女性の14%が独居認知症高齢者になるものと予測される.しかし,今日の社会環境のなかで,認知症とともに一人暮らしを続けることは容易なことではない.厚生労働科学研究では,2019年度より独居認知症高齢者等の尊厳ある地域生活の継続をめざした研究プロジェクトが継続的に稼働しているが,本セッションではその成果を踏まえて,今日のわが国の独居認知症高齢者の生活課題と課題解決に向けて取り組むべきことのポイントを要約する.また,その中でも,独居認知症高齢者のケアマネジメント,意思決定支援,従来の成年後見制度の枠組みを超えた新たな権利擁護支援のあり方などにフォーカスをあてて,独居認知症高齢者の尊厳ある地域生活の継続をめざした取り組みについて情報共有と意見交換を図りたい. |
MSY5 | オーガナイザー:横田 修(きのこエスポアール病院) 概要:様々な神経変性疾患においては,認知機能低下や運動障害より精神症状が先行して出現する症例のあることが知られる.レビー小体病におけるうつ状態や精神病性障害の先行はその代表的な例である.タウオパチーでは進行性核上性麻痺症例におけるうつ状態の先行が歴史的によく指摘されてきた.より最近では嗜銀顆粒病と精神科臨床像との関係が複数の検討で指摘されている.本ミニシンポジウムでは,変性疾患患者における精神症状の先行に関する知見を,病理背景,診断,バイオマーカー,予後などの観点から自由に論じていただく予定である. |