大会長挨拶

 第42回日本障害者歯科学会総会および学術大会を担当させていただきます、大阪大学の秋山です。栄誉ある日本障害者歯科学会学術大会を関西で開催させていただくのは、前身の研究会も含めて53回のうち7回目となり、大阪大学としては2回目となります。皆様の日ごろの研究成果と臨床経験について活発な議論が進みますことを祈っております。
 スペシャルニーズのある人が歯科医療を円滑に受けられるためには、ご本人の希望とご家族の心情に寄り添った医療の提供が必要となります。今回、大会テーマを「みんなが支える障害者歯科医療」としました。医療関係者、大学や学校関係者、福祉や介護に携わる方々、行政の方々の力を結集し、またその医療をサポートする機器や製品を開発する企業など社会全体が一体となることで、みんなが支える体制が構築できるものと考えております。
 プログラムに関しましては、野本たかと理事長に「日本障害者歯科学会の故きを温ねて新しきを知る―学会が行ってきたこと、行っていること―」を理事長講演としてお話しいただきます。特別講演では、大隅良典先生のノーベル賞受賞にも貢献された、オートファジー研究の第一人者、吉森保先生に「オートファジー:疾患と老化に対抗する細胞の守護者」としてご講演をいただきます。教育講演では「ICDASに基づくう蝕処置の診断と処置方針」として髙木景子にご講演をいただきます。その他、例年通り、一般口演・ポスター発表とその表彰、教育講座、各種委員会企画、インターナショナルシンポジウム等、様々なプログラムを用意しております。認定関係に必要な単位取得もございますので、お忘れなく参加いただきますようお願いいたします。また今回は、若手学術交流会や若手の懇親会も企画し、市民公開イベントでは、講演会ではなく、体験型の音楽イベントも企画しました。お楽しみください。
 本年は日本万国博覧会「大阪・関西万博」が、様々な難題も抱えながらも、成功裏に終えられました。準備に関して至らないことも数々ございますが、本学会で皆さんに笑顔でお会いできることを願いながら準備を行っております。皆さんのご参加・ご協力のもと大盛会となりますよう祈念しております。大阪の笑いを満喫してください。

  • 第42回日本障害者歯科学会総会および学術大会
    大会長秋山 茂久
    (大阪大学歯学部附属病院 障害者歯科治療部 准教授)