学会賞のご案内
2025年度受賞論文
優秀論文賞
原著「食道内圧バルーン空気量の簡便な較正法(呼吸同調持続注入法:CAISR法)の開発」 41巻2号p.203-211掲載 |
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受賞の言葉
このたびは、優秀論文賞という名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に思います。ご選考いただきました委員の先生方、また、拙稿に貴重なご助言をくださった査読者の先生方に心より御礼申し上げます。
また、共著者であり、日頃よりご指導をいただいております則末先生をはじめ、本研究にご助言・ご支援をくださったすべての先生方に、深く感謝申し上げます。
私たちは日頃より、「臨床現場で手軽に使える方法を!」「特別な道具や特殊な手技を必要としない工夫を!」「よりよいものを常に考え、なければ自分たちで創っちゃえ!」を基本理念に取り組んでおります。
今回の研究は、「バルーンの注入量が少し違うだけで、測定される絶対値が大きく変わる。経肺圧って、案外いい加減なのでは?」といった素朴な疑問から始まりました。患者の個別化の重要性、経肺圧をより身近で使いやすいツールにすることを目指して開発を進めてまいりました。まだまだ課題も残されています、今後も患者さんと支えるスタッフの皆様にとって有益となるような研究を続けていきたいと考えております。
このたびは、誠にありがとうございました。
奨励論文賞
呼吸管理の工夫「単回使用吸入麻酔薬気化器を使用した術後短期人工呼吸管理に関する費用分析」 41巻1号p.116-120掲載 |
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受賞の言葉
このたびは奨励論文賞を賜り、誠に光栄に存じます。本研究は、ICUにおける単回使用吸入麻酔薬気化器を用いた、人工呼吸中の鎮静管理に関する有用性およびコストの検討を行ったものです。吸入麻酔薬による鎮静は、プロポフォールに代わる有用な選択肢となり得ますが、費用面での課題を抱えています。また、ICUにおける鎮静を目的とした吸入麻酔薬の使用は現時点で保険適用外であることから、臨床に導入するハードルが高いのが現状です。今後、わが国において吸入麻酔薬気化器を用いた鎮静管理に関する報告が蓄積され、保険適用となることが望まれます。 最後に、本成果は日頃よりご指導・ご支援を賜っている集中治療の先生方および現場スタッフの皆様のご協力によって得られたものであり、心より感謝申し上げます。また、お忙しい中、査読に携わられた日本呼吸療法医学会の先生方にも深く御礼申し上げます。今後も呼吸療法に関する研究を継続し、より良い医療の実現に貢献できるよう一層精進してまいります。
呼吸管理の工夫「令和6年能登半島地震における在宅酸素療法・在宅人工呼吸療法・在宅持続陽圧呼吸療法を扱う事業者の災害対応」 41巻2号p.212-216掲載 |
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受賞の言葉
このたびは、奨励論文賞という大変名誉ある賞をいただき、心より光栄に存じます。本研究は、能登半島地震という未曽有の災害において、在宅医療を支える事業者の活動実態を明らかにすることで、今後の災害医療体制構築に貢献したいという思いから着手したものです。 調査にご協力いただいた各事業所の皆様は、通信障害や道路寸断といった困難な状況下でも、利用者の安否確認や医療資源の供給に尽力されていました。そのご尽力に心から敬意を表するとともに、この研究にご協力いただいたことに深く感謝申し上げます。 本研究を通じて、事業者の迅速な初期対応や創意工夫に満ちた支援活動を明らかにできたことは、今後の災害医療体制のさらなる発展につながる貴重な知見となりました。この成果が、在宅医療を必要とする方々の生活を守るための一助となれば幸いです。 最後に、このたびは奨励論文賞に選出いただきまして誠にありがとうございました。この賞を励みに、さらに研究を深めてまいります。