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日本呼吸療法医学会理事長からのご挨拶

ごあいさつ

竹内理事長

2024年度より理事長を拝命しました竹内宗之と申します。諸先輩方の築いた、歴史あるこの学会の理事長を拝命し、身が引き締まる思いです。皆様、どうぞよろしくお願いします。
本会は、私を成長させてくれた学会です。学術集会では常に呼吸療法に関する最新の知識を学ばせていただき、セミナー委員会では講義のノウハウを学ばせていただき、また、人工呼吸編集委員会では論文の書き方を改めて整理することができました。そして、呼吸管理に携わる医師やメディカルスタッフの方々とたくさん知り合いになれたことも大きな財産です。その学会に恩返しをするため、以下のようなことで貢献したいと考えています。

① 呼吸療法に関する情報の発信
コロナを経験し、我々は、ECMOを含む呼吸療法の重要さを目の当たりにしました。非医療者に対する呼吸療法の正確な情報の発信は、重要だと考えます。また、学術集会や機関誌「呼吸療法」を充実させ、日本の呼吸療法医学のさらなる発展に貢献できるよう努力します。わかりやすいガイドラインの作成も重要なタスクの1つです。

② 医師とメディカルスタッフとの連携強化
学術集会やセミナー、委員会活動などを通じ、これまで以上に、多くのメディカルスタッフの方々に呼吸療法に興味を持ってもらえるよう、そして本会にかかわっていただけるよう努力します。それらのことで、より安全な呼吸療法を患者に提供できるようにしたいと考えております。

③ 他医学会との連携・情報共有の強化
急性期の呼吸管理を中心に発展した本会ですが、内科系の呼吸器系疾患に対する診断・治療、在宅医療における管理などの知識は、我々にも重要です。また、呼吸療法に年齢は関係ありません。実際、肺保護戦略の基礎は新生児の呼吸管理から始まっています。呼吸療法というキーワードを軸にして、積極的に他医学会との交流を促進していきたいと思います。診療報酬に関する要望などでも、お互いに協力することで大きな波を起こせる可能性があります。

④ 呼吸療法にかかわる技術開発の推進
これまでできなかったことが、情報通信技術の進化により、できるようになっています。でも残念ながら、呼吸療法の分野ではまだ十分な成果は上がっていないように感じます。呼吸療法のさらなる安全や快適性をもたらす技術開発を、医療機器メーカーや、他の分野の専門家などとともに、協力して進めていきたいと思います。

⑤ 会員であるメリットの充実
皆様ご自身の学会への貢献や業績などを簡単に把握できるようにしたり、ホームページや会員間の情報共有システムを充実させたりすることで、本会の会員であることのメリットを増やしていきたいと考えております。会員の学術活動に対する支援などもその1つです。これらを達成するには、財政面での安定が必須です。前理事長の藤野先生が築いてこられた強固な学会運営を、しっかり維持していきたいと考えております。

以上、理事長就任にあたり、抱負を述べさせていただきましたが、会員の皆様が、今よりもさらに、日本呼吸療法医学会の会員でよかった!と思えるような、そんな学会にすることが私の最終の目標です。
学会の発展は会員の皆様の御指導・ご協力なくしては実現できません。皆様からのご意見には可能な限り対応してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年7月吉日 記

一般社団法人 日本呼吸療法医学会 理事長
竹内 宗之
国立循環器病研究センター
大阪母子医療センター  
奈良県総合医療センター