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学会賞のご案内

2023年度学会賞 表彰式

学会賞2023

2023年8月5日、第45回学術集会表彰式にて(ウインクあいち)

2023年度受賞論文

優秀論文賞

原著「COVID-19患者におけるVAPの発生率およびVAPに伴う菌血症の発生割合の検討」
恒光健史 氏
兵庫県立尼崎総合医療センター 救急集中治療科

39巻2号p.177-183掲載
採択日:2022年6月9日
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学会賞2023

受賞の言葉

 このたびは、大変名誉ある賞をいただき、非常に光栄に存じます。この賞を受賞できたのは、執筆に関してご指導いただきました共著者の先生方に加え、普段から漏れのない情報収集を行っていただいているEICUの看護師さん、また、COVID-19患者の痰培養検査を嫌な顔をせず検査していただきました微生物検査技師さん、査読に携わっていただきました日本呼吸療法医学会の先生方、そして私達に臨床疑問を生じさせた患者さんのおかげと考えています。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
 さて、幸いにもCOVID-19の感染の波は小康状態となっていますが、人工呼吸管理を要するCOVID-19患者はいまだ発生しており、人工呼吸器関連肺炎が問題となっています。本研究は、そのような患者の管理の一助になると考えられます。しかしながら、本研究は患者の予後改善につながるものではありません。患者の予後改善のために、具体的にどのような介入を行うべきかに関しては今後の検討課題となります。
 最後になりますが、医療はまだまだ発展途上と私は考えています。今回の受賞に慢心することなく、今後も人工呼吸を要する患者の利益となるような研究を行っていきたいと思っております。このたびは、誠にありがとうございました。

奨励論文賞

原著「わが国のICUにおける人工呼吸器装着患者に対するABCDEFバンドル実施の実態調査:記述研究」
池田優太 氏
東海大学医学部付属病院 看護部7B集中治療室
佐藤隆平 氏
現所属:神戸市看護大学 急性期看護学分野

39巻2号p.184-191掲載
採択日:2022年8月26日
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学会賞2023学会賞2023

受賞の言葉

 私どもの論文は2名の共同第一筆頭者という形で投稿いたしましたので、2名のコメントをお示しいたします。
 池田優太のコメントでございます。このたびは、奨励論文賞に選出していただき、大変光栄に存じます。この論文は、「本邦でABCDEFバンドルはできているのか?」とう臨床疑問から始まりました。その疑問を共著の先生方の多大なるご助言・ご指導により、研究へとつなげ、論文投稿まで成し遂げることができました。また、呼吸療法医学会編集委員の先生方にも心より御礼申し上げます。この研究により、本邦のABCDEFバンドルの実施率などを示すことができたのでないかと思います。最後になりますが、論文執筆にあたり、多くのことを学ぶことができました。今後も本賞を励みに、日々の疑問から臨床研究へとつなげていけるように精進して参りたいと思います。
 佐藤隆平のコメントでございます。受賞について、大変うれしく思います。調査時期のバンドル実施の実態が示唆できた論文と考えております。研究に参加してくださった方々、共著者、査読の先生、編集委員の先生に感謝を申し上げたいと思います。引き続きご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 

原著「COVID-19重症呼吸不全患者における膵障害の発生頻度に関する検討:後方視研究」
小松聖史 氏
藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座

39巻1号p.58-62掲載
採択日:2021年12月13日
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学会賞2023

受賞の言葉

 このたびは、奨励論文賞という大変名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。本論文は、5類感染症に移行したものの臨床の現場では依然トピックとして扱われるCOVID-19に関する論文です。新型コロナウイルスによる肺以外の標的臓器と膵臓への障害を検討しております。当院ICUにCOVID-19の超重症呼吸不全で入室した患者を対象としております。2019年に中国から全世界に広がりを見せているこのウイルスは、多くの研究が行われてさまざまな発見がある一方で、未知の部分がまだあります。ウイルスの攻撃性の一片を明らかにしたこの論文が、今後の研究・診療の一助となればこのうえない喜びです。
 今回の論文投稿に至るまでに、医師のみならず、レベルの高い多職種によるチーム医療がこの研究を支えてくださったことはいうまでもありません。皆様に改めて御礼申し上げます。この受賞を受け、さらなる知識・技術向上を目指して、今後の呼吸療法の発展に少しでも貢献できるように1分1秒を大事に日々精進してまいりたいと考えております。
 このたびは誠にありがとうございました。