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第45回日本認知症学会学術集会 第41回日本老年精神医学会 合同大会

プログラム・日程表

※2026年7月8日時点

会長講演

認知症の未来を共に創る―神経病理から社会実装へ:30年の軌跡と展望―

日時:
11月13日(金曜日)11:00 ~ 11:50
座長:
岩坪  威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
演者:
新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)

特別講演

日時:
11月14日(土曜日)13:10 ~ 14:00
座長:
齊藤 貴志(東京大学大学院医学系研究科・神経病理学分野)
演者:
堀江 勘太(エーザイ株式会社 DHBL ヒューマンバイオロジークリエーションハブ/
      Washington University School of Medicine)

特別企画

共生社会の実現に向けた課題

日時:
11月13日(金曜日)13:10 ~ 14:00
座長:
粟田 主一(社会福祉法人 浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)
演者:
野村  晋(厚生労働省老健局 認知症施策・地域介護推進課)
演者:
福田 光紀(経済産業省商務サービスグループヘルスケア産業課)

海外招聘講演

海外招聘講演1

日時:
11月13日(金曜日)14:10 ~ 15:00
座長:
新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)
演者:
Edward B. Lee (University of Pennsylvania)

海外招聘講演2

日時:
11月14日(土曜日)9:50 ~ 10:40
座長:
池田  学(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)
演者:
John O'Brien (Department of Psychiatry, University of Cambridge School of Clinical Medicine)

海外招聘講演3

日時:
11月14日(土曜日)14:10 ~ 15:00
座長:
森   啓(長岡崇徳大学)
演者:
Szofia Bullain (Biogen)

海外招聘講演4

日時:
11月15日(日曜日)9:50 ~ 10:40
座長:
徳田 隆彦(大阪公立大学大学院医学研究科 健康長寿医科学講座 病因診断科学)
演者:
Yi-Wei Chang (Department of Biochemistry and Biophysics, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania)

プレナリーレクチャー

プレナリーレクチャー1

日時:
11月13日(金曜日)15:10 ~ 16:00
座長:
品川俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
演者:
池田  学(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)

プレナリーレクチャー2

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 9:40
座長:
斉木 臣二(筑波大学附属病院脳神経内科)
演者:
服部 信孝(順天堂大学医学部)

プレナリーレクチャー3

日時:
11月14日(土曜日)15:10 ~ 16:00
座長:
齊藤 貴志(東京大学大学院医学系研究科・神経病理学分野)
演者:
井上 治久(京都大学 iPS細胞研究所)

プレナリーレクチャー4

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 9:40
座長:
水上 勝義(合同会社ライフアンドヘルス、筑波大学)
演者:
朝田  隆(メモリークリニックお茶の水)

学術教育講演

学術教育講演1

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 9:40
座長:
清水聰一郎(東京医科大学病院高齢診療科)
演者:
和佐野浩一郎(東海大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

学術教育講演2

日時:
11月13日(金曜日)9:50 ~ 10:40
座長:
井藤 佳恵(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム)
演者:
飯島  節(介護老人保健施設 ミレニアム桜台)

学術教育講演3

日時:
11月13日(金曜日)13:10 ~ 14:00
座長:
繁田 雅弘(栄樹庵診療所)
演者:
成本  迅(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)

学術教育講演4

日時:
11月13日(金曜日)14:10 ~ 15:00
座長:
三村  將(慶應義塾大学予防医療センター)
演者:
上村 直人(高知リハビリテーション専門職大学)

学術教育講演5

日時:
11月13日(金曜日)15:10 ~ 16:00
座長:
北村  立(石川県立こころの病院)
演者:
小原 知之(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学)

学術教育講演6

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 9:40
座長:
武田 朱公(大阪大学 大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)
演者:
小林 正朋(日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所)

学術教育講演7

日時:
11月14日(土曜日)9:50 ~ 10:40
座長:
岩坪  威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
演者:
鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター 先端医療開発推進センター)

学術教育講演8

日時:
11月14日(土曜日)13:10 ~ 14:00
座長:
川勝  忍(福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座)
演者:
池田 研二(東京都医学総合研究所 認知症プロジェクト)

学術教育講演9

日時:
11月14日(土曜日)14:10 ~ 15:00
座長:
小野寺 理(新潟大学)
演者:
三條 伸夫(東京科学大学希少神経難病治療薬開発講座)

学術教育講演10

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 9:40
座長:
池内  健(新潟大学脳研究所ブレインヘルスケア領域)
演者:
春日 健作(国立長寿医療研究センター 診断イノベーション研究部)

学術教育講演11

日時:
11月15日(日曜日)9:50 ~ 10:40
座長:
神林  崇(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)
演者:
田中 惠子(新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センターモデル動物開発分野/
      福島県立医科大学多発性硬化症治療学講座)

学術教育講演12

日時:
11月15日(日曜日)13:05 ~ 13:55
座長:
久永 眞市(東京都立大学 理学研究科 生命科学専攻)
演者:
渡辺 亮平(筑波大学附属病院精神神経科)

認知症のCPC(臨床病理カンファレンス)

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 10:30
座長:
齊藤 祐子(東京都健康長寿医療センター神経病理(高齢者ブレインバンク)
他田 真理(新潟大学脳研究所脳資源科学分野・病理学分野)
演者:
村山 繁雄(都健康長寿 高齢者ブレインバンク)
青木 華古(東京都健康長寿医療センター 神経病理)
足立  正(鳥取大学医学部 神経病理学)
黒羽 泰子(国立病院機構西新潟中央病院 脳神経内科)
井上  穣(新潟大学脳研究所 病理学分野 ChBRI)
福島 隆男(新潟県立新発田病院 脳神経内科)
▼ 概要
認知症の背景病理の最終確定診断は、現在においてもなお剖検病理診断に依拠している。本CPCでは、病態の大きく異なる希少疾患を2施設から1例ずつ呈示する。いずれも長期の臨床経過を有しており、神経・精神症状の推移と各種バイオマーカーの変化について、剖検の承諾を得た症例を対象に、病理所見と対比しながら詳細に検討する。
 本来、実臨床においてはcommon diseaseへの対応が中心となるが、鑑別診断に挙がらない疾患は診断に至り得ないという側面も重要である。本企画では、稀少疾患を通じて診断過程を振り返ることにより、臨床医に求められる思考の柔軟性を再認識するとともに、日常診療への示唆を得ることを目的とする。各症例について参加者とともに多角的に考察を深めたい。

シンポジウム

アルツハイマー病治療薬開発の最前線

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
岩坪  威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
岩田  淳(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター脳神経内科)
演者:
Michael Irizarry(Eisai Inc. Nutley, NJ)
Janice Smith(Roche Products Ltd.)
Stephane Epelbaum(Eli Lilly and Company)
Szofia Bullain(Biogen)
西庄 功一(ノバルティス ファーマ株式会社 開発本部)
Janice Wong(Johnson & Johnson, USA)
▼ 概要
レカネマブ、ドナネマブの上市と社会実装、さらには治療の拡大を通じて、アルツハイマー病に対する疾患修飾薬治療の知見は大きく蓄積されてきた。しかし、完治への道筋はいまだ見通せていない。その理由として、アルツハイマー病の病態がAβとタウの脳内蓄積という単純な枠組みでは説明し尽くせない可能性がある一方で、Aβおよびタウに対する治療戦略そのものがなお発展途上にあるという解釈も可能である。本セッションでは、アルツハイマー病創薬の世界最前線に立つ企業の最新の開発状況を共有し、現状の課題と将来の方向性について議論することを目指す。

αシヌクレイノパチーの病態研究の進歩

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
鈴掛 雅美(東京都医学総合研究所認知症研究プロジェクト)
奥住 文美(順天堂大学脳神経内科)
演者:
中川 幸姫(理化学研究所脳神経科学研究センター)
鈴掛 雅美(東京都医学総合研究所認知症研究プロジェクト)
上村 紀仁(大阪公立大学大学院医学研究科神経疾患制御学)
奥住 文美(順天堂大学脳神経内科)
遠藤 浩信(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構/量子医科学研究所 脳機能イメージング研究センター)
▼ 概要
αシヌクレイノパチーはαシヌクレインの異常蓄積を特徴とする神経変性疾患群であるが、疾患によって蓄積線維の構造が異なることが明らかとなるなど、その病態理解は近年大きく進展している。本シンポジウムでは、基礎研究からトランスレーショナル研究、臨床研究に至るまで、幅広いトピックについて最新の知見を紹介する。具体的には、αシヌクレインアミロイドの構造と脱凝集、伝播機構に着目した病態研究、患者体液試料の高感度検出による病態解析に加え、αシヌクレインPETによる病理可視化を通じた病態理解とそれらの相互補完的な視点についても議論する。これにより、多角的な視点から疾患病態の理解を深化させ、臨床への橋渡しを目指す。

TDP-43と神経変性

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
野中  隆(東京都医学総合研究所認知症研究プロジェクト)
橋本 唯史(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第四部)
演者:
村松里衣子(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 神経薬理研究部)
武内 敏秀(近畿大学ライフサイエンス研究所)
山中 宏二(名古屋大学 環境医学研究所)
坂上 史佳(東京科学大学 核酸・ペプチド創薬治療研究センター(TIDEセンター))
浅川 和秀(国立遺伝学研究所)
▼ 概要
ALSやFTLDの共通病態として注目されるTDP-43に焦点を当て、その生理的機能の異常・喪失から凝集・毒性獲得に至るメカニズムについて最新の研究成果を紹介して頂く。TDP-43の局在変化や翻訳後修飾、液液相分離(LLPS)の破綻が神経細胞死を招くと考えられているが、本シンポジウムでは、TDP-43の異常による神経変性の新たな可能性について討論し、その本質に迫ると共に、メカニズムに基づくALSやFTLD治療法の展望について議論する

小血管病と血管性認知症の病態と治療

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
新堂 晃大(三重大学 脳神経内科学)
薬師寺祐介(関西医科大学神経内科学講座)
演者:
三輪 佳織(国立循環器病研究センター 脳血管内科)
植田 明彦(熊本大学病院 脳神経内科)
池田 宗平(関西医科大学 神経内科学講座)
海野 真記(三重大学医学部附属病院 放射線科)
尾原 知行(京都府立医科大学 大学院医学研究科 脳神経内科学)
▼ 概要
本シンポジウムでは、脳小血管病(SVD)を神経変性疾患との接点として捉え、基礎から臨床、画像、治療、さらに近年注目されるアミロイド関連画像異常(ARIA)までを包括的に議論する。総論ではSVDの概念と臨床的重要性を整理し、続く病態セッションでは臨床の視点からその多様性と理解の深化を図る。画像ではMRIを中心とした診断の最前線を概説し、ARIAについては画像所見と臨床的意義を整理する。最後に治療では、リスク管理から最新の治療戦略までを議論する。本シンポジウムを通じて、脳小血管病の理解を深め、神経変性疾患との関連を踏まえた今後の診療・研究の方向性を検討したい。

PD・DLBの臨床最前線:認知症疾患治療ガイドラインの改定を踏まえて

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
斉木 臣二(筑波大学附属病院脳神経内科)
藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
演者:
藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
坪井  崇(名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学)
小林 良太(藤田医科大学医学部認知症・加齢脳科学科)
三橋  泉(筑波大学脳神経内科)
▼ 概要
Lewy 小体型認知症(DLB)では、進行性の認知機能障害のみならず、4つの中核的症状に加えて、うつや妄想などの精神症状、日中の眠気や便秘などの多数の支持的症状が出現する。各臨床症状の出現時期や重症度は個々の症例で多彩であり、改定版の認知症疾患治療ガイドラインでは、認知機能障害、精神症状、睡眠覚醒障害、運動症状、自律神経障害の5領域に分類し、包括的に臨床像を捉えるアプローチが示されている。また、多面的な臨床徴候に対して、診療科連携の重要性が記述されている。本シンポジウムでは、認知症疾患治療ガイドラインの改訂について解説し、老年精神医学と神経学の立場からレビー小体病診療の現状と課題について総括する。

前頭側頭型認知症の症候と対応

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
橋本  衛(近畿大学医学部精神神経科学教室)
繁信 和恵((公財)総合病院浅香山病院精神科)
演者:
船山 道隆(足利赤十字病院神経精神科)
坂井麻里子(医療法人友紘会友紘会総合病院 リハビリテーション科/大阪公立大学大学院リハビリテーション学研究科)
髙﨑 昭博(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)
品川俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
▼ 概要
前頭側頭型認知症(Frontotemporal Dementia: FTD)は、前頭葉の萎縮を主体とし、病初期から性格変化や脱抑制、常同行動などの行動障害が前景に立つ行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)、側頭葉前方部の限局性萎縮により、物品や言葉の意味が失われる意味記憶障害を主症状とする意味性認知症(SD)、前頭葉後方を中心とした変性により、非流暢な発話や失文法、発語失行を呈する 進行性非流暢性失語(PNFA/nfvPPA)の3つのサブタイプに分類される。いずれのサブタイプも初期から食行動異常を認め、触法行為に至る事例も少なくない。根本的治療薬のないFTDにおいて、その症候を評価し、適切な対応や介入を行うことが重要である。本シンポジウムではその点について多職種で検討する。

グリア細胞の認知症における役割について(ホット・トピックディスカッション)

日時:
11月13日(金曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
齊藤 貴志(東京大学大学院医学系研究科・神経病理学分野)
里  直行(国立長寿医療研究センター)
演者:
小泉 修一(山梨大学 医学部 薬理学講座)
長井  淳(理化学研究所 脳神経科学研究センター(CBS))
他田 真理(新潟大学脳研究所脳資源科学分野・病理学分野/新潟大学ひと脳研究資源イニシアチブ推進センター)
髙鳥  翔(東京大学大学院薬学系研究科・機能病態学)
梶  誠兒(京都大学 大学院医学研究科 臨床神経学)
▼ 概要
神経炎症が、認知症をはじめとする神経変性疾患の発症に大きく関与していることが昨今の明らかになっている。神経炎症は、脳内免疫担当細胞とされるグリア細胞群の協調的活性化によって生じると考えられ、ミクログリアやアストロサイトの重要性が明らかとなってきた。近年の解析手法の進歩も相まって、今後益々グリア応答の重要性が明らかになってくると推察される。そこで、本シンポジウムでは、グリア細胞と認知症の関係性について最先端の研究を行っておられる先生方にご講演いただき、これまでに明らかになったことを改めて議論し、今後どのような方向性で研究が進むのかを討論したい。

認知症血液バイオマーカーは八分咲き:国際的な開発研究と臨床実装の現状と課題

日時:
11月13日(金曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
徳田 隆彦(大阪公立大学大学院医学研究科 健康長寿医科学講座 病因診断科学/
      量子科学技術研究開発機構・脳機能イメージング研究センター)
工藤  喬(医誠会国際総合病院 認知症予防治療センター)
演者:
徳田 隆彦(大阪公立大学大学院医学研究科 健康長寿医科学講座 病因診断科学/
      量子科学技術研究開発機構・脳機能イメージング研究センター)
工藤  喬(医誠会国際総合病院 認知症予防治療センター)
堀江 勘太(エーザイ株式会社 DHBL ヒューマンバイオロジークリエーションハブ/
      Washington University School of Medicine)
後藤 良司(量子科学研究開発機構(QST) 脳機能イメージング研究センター)
▼ 概要
アルツハイマー病(AD)を中心とした認知症疾患の領域では、近年の血液バイオマーカー(BM)研究の進展が著しく、とくにADでは血液BMがその診断・病態理解・治療評価を大きく変革しつつある。しかし、シヌクレイノパチーなどのnon-ADでは、現状では臨床応用が近いBM候補は限られている。本シンポジウムでは、認知症関連疾患における血液BM開発の最先端の動向と臨床実装の進展について、国際的な研究の動向を俯瞰するとともに、4名の演者が独自の最新データを提示する。具体的には、AD/non-AD疾患の診断BM、ステージ診断・治療効果モニタリングのBM、臨床実装への課題、および近未来の展望についても議論する。

クライオ電顕による認知症研究の進展と今後

日時:
11月13日(金曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
長谷川成人(東京都医学総合研究所)
久永 眞市(東京都立大学 理学研究科 生命科学専攻)
演者:
石井 佳誉(東京科学大学生命理工学院生命理工学系)
田中 元雅(国立研究開発法人理化学研究所 脳神経科学研究センター)
樽谷 愛理(東京都医学総合研究所 臨床医科学研究分野 認知症研究プロジェクト)
柳澤 春明(東京大学大学院医学系研究科 生体構造学教室)
▼ 概要
認知症を伴う多くの神経変性疾患では、疾患特異的に特定のタンパク質が脳内で凝集し蓄積する。代表例がアルツハイマー病のアミロイドβとタウ、パーキンソン病のαシヌクレイン、前頭側頭葉変性症のTDP43などである。それらの凝集体構造は長く不明であったが、近年発展したクライオ電顕で原子レベルの構造が明らかにされている。その結果、疾患が凝集体構造によっても区別できるようになり、またその構造から疾患の発症解明や治療薬開発へと期待が高まりつつある。本シンポジウムではクライオ電顕を用いた認知症研究で成果を挙げている研究者4名にそれぞれの研究分野での現状と今後について話して頂く予定である。

脂質代謝・膜流動性・膜酸化と神経機能・神経変性・フェロトーシス

日時:
11月13日(金曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
武田 朱公(大阪大学 大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)
舟本  聡(同志社大学生命医科学部 医生命システム学科 神経病理学)
演者:
平田 祐介(東北大学大学院薬学研究科)
河野  望(東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻生物薬科学)
河野 孝夫(名古屋市立大学大学院薬学研究科病態生化学分野)
坂内 博子(早稲田大学理工学術院先進理工学部)
▼ 概要
神経変性疾患において、脂質代謝や膜物性の異常が病態形成に深く関与することが明らかになりつつある。とりわけ、生体膜脂質の多様性、リン脂質リモデリング、膜流動性、さらには膜脂質制御や受容体分子ダイナミクスの変化は、細胞内シグナルやシナプス機能を左右する重要因子である。本シンポジウムでは、これらの観点から最新知見を統合し、神経機能障害と神経変性の分子基盤を再考するとともに、脂質過酸化や細胞死機構を含む病態理解と新規治療標的の可能性を議論する。アルツハイマー病など認知症研究に新たな視座を提供することを目指す。

認知症支援におけるDEI:集団の壁と個の尊重をめぐる4つの視点

日時:
11月13日(金曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
東  晋二(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科)
羽田沙緖里(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
演者:
小原 知之(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学)
笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
北村 ゆり(医療法人 鳴子会 菜の花診療所)
党  一浩(福岡市認知症フレンドリーセンター(株式会社メディヴァ)
▼ 概要
ダイバーシティ推進委員会では、学会員のDEIに対する認知向上を図るとともに、診療のあらゆる局面におけるその必要性を提示すべく、本シンポジウムで独自のフレームワークを採用することとしました。具体的には、『本人』と『専門職』という対象軸に、『集団としての属性』と『集団内の一個人の属性』という属性軸を交差させた『2×2のマトリックス』による4演題から、診療現場の課題を網羅的に紐解きます。『認知症の人×集団の壁』におけるDEIとして、認知症の人が、支援されるだけではない、一市民として社会に参加するために必要なDEIを話していただきます。『認知症の人×個の尊重』におけるDEIとして、認知症の人の多様な背景を踏まえた個別最適化の暮らしの構築に必要なDEIを話していただきます。『専門職×集団の壁』におけるDEIとして、認知症の人や家族に対する専門職者の脱・パターナリズムの実践的な取り組みに必要なDEIを話していただきます。『専門職×個の尊重』におけるDEIとして、医学的知見を絶対とするバイアスを排し、多職種の専門知識が対等に統合するチームの形成に必要なDEIを話していただきます。このように、DEIの構造における各演題の立ち位置を明確化することで、演者と聴衆が共通の思考基盤に立ち、DEIの本質的な課題に鋭くフォーカスすることが可能となります。本シンポジウムを通じて、認知症医療におけるDEIへの理解を、概念の習得から実践への指針へと深化させることを期待しています。

認知症の診療・ケアにおける公認心理師の役割と実践:認知症医療の入口から終末期まで

日時:
11月13日(金曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
松田  修(上智大学総合人間科学部心理学科)
扇澤 史子(東京都健康長寿医療センター臨床心理科)
演者:
稲垣 千草(日本医科大学街ぐるみ認知症相談センター)
松田  修(上智大学総合人間科学部心理学科)
田所 正典(聖マリアンナ医科大学病院 心理・精神保健福祉技術部)
松田 千広(イムス明理会東京町田病院 臨床心理室)
扇澤 史子(東京都健康長寿医療センター臨床心理科)
▼ 概要
公認心理師は、認知症の医療・ケアのさまざまな場面において、異変への気づきの段階から人生の最終段階に至るまで、本人と家族への心理的支援を担っている。本シンポジウムでは、認知症が気になり始めた段階での相談事業、心理アセスメントと治療方針に関する意思決定支援、診断後支援、さらに身体疾患やBPSDに伴う入院中の支援や意思決定支援など、臨床現場における心理師の実践を取り上げる。一方で、これらの実践の多くは診療報酬上、十分に評価されていない現状がある。認知症の経過全体を見据えた心理職の実践を共有し、医療ケアにおける公認心理師の役割と今後の可能性について多角的に検討する。

身体運動・動作特性に基づく認知症の超早期予測と予防介入― MCI・プレクリニカル期に着目して ―

日時:
11月13日(金曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
大藏 倫博(筑波大学体育系 健康増進学)
根本みゆき(筑波大学医学医療系 臨床医学域 精神医学)
演者:
薛  載勲(成均館大学 スポーツ科学科)
尹  之恩(筑波大学 体育系)
小林 正朋(日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所)
根本みゆき(筑波大学医学医療系 臨床医学域 精神医学)
樽味  孝(産業技術総合研究所 セルフケア実装研究センター)
▼ 概要
認知症の病理学的変化は発症の20年以上前から進行すると考えられており、MCIやプレクリニカル期における早期発見と予防介入の重要性が高まっている。近年、歩行や下肢動作、手指運動などの身体動作特性が認知機能低下の早期兆候を反映する可能性が示され、日常生活下で計測可能な行動・デジタルバイオマーカーとして注目されている。本シンポジウムでは、身体動作特性によるプレクリニカル段階の兆候検出、地域コホート研究における身体活動と認知機能・アミロイド指標の関連、デジタルバイオマーカーによるMCIの早期検出および介入、さらに運動による脳老廃物クリアランスの生理学的機序について最新の研究成果を紹介し、身体運動を基盤とした認知症の超早期予測と予防戦略の可能性を議論する。

認知症病態イメージングの最前線

日時:
11月13日(金曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
島田  斉(新潟大学脳研究所)
互  健二(量子科学技術研究開発機構)
演者:
奥山 智緒(滋賀県立総合病院 臨床研究センター PETイメージング研究部門)
久保田 学(京都大学大学院 医学研究科 脳病態生理学講座(精神医学)/
      量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究センター)
阿部 弘基(横浜市立大学 大学院医学研究科 生理学)
原田 龍一(東北医科薬科大学医学部薬理学)
木村 泰之(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 研究所 認知症先進医療開発センター 脳機能画像診断開発部)
▼ 概要
アルツハイマー病(AD)をはじめとする認知症の病態理解は、分子イメージング技術の進歩により飛躍的に深化している。疾患修飾薬の臨床実装に伴いアミロイドPETには治療効果判定に資する定量評価法の確立が求められ、タウPETもADの病期評価にとどまらず認知症前駆段階の精神症状や外傷性脳障害の背景病態を捉えるツールへと進化を遂げつつある。本シンポジウムでは、こうしたアミロイド・タウPETの新たな展開に加え、シナプス、アストログリオーシス、ミクログリアといった多様な分子標的のPETイメージング研究を俯瞰し、認知症の多角的な病態可視化の現状と課題、個別化医療への展望を議論する。

glymphatic system の機能と認知症病態

日時:
11月13日(金曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
太田 深秀(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)
佐藤 典子(国立精神・神経医療研究センター病院 放射線診療部)
演者:
田岡 俊昭(名古屋大学大学院医学系研究科 革新的生体可視化技術開発産学協同研究講座)
工藤 與亮(北海道大学大学院医学研究院 画像診断学教室)
山田  薫(東京大学医学部附属病院・認知症共生社会創成治療学)
▼ 概要
アルツハイマー病等の認知症では、アミロイドβやタウなどの蛋白の細胞間伝播が病態拡大を招くため、その脳内動態の解明が急務である。近年、異常蛋白を脳外へ排出するglymphatic systemと認知症の関連が注目され、解剖学的解明や臨床応用の研究が盛んに行われている。今後はglymphatic systemを標的としたマルチモダルなイメージング技術が発達することで、認知症の病態理解が深まり、早期診断や新たな治療標的の開発が促進されると期待される。本シンポジウムでは、最先端のイメージング動向と分子学的なクリアランス機構の知見を統合し、認知症の新規治療戦略を見出すことを目的とする。

運動・感覚刺激が拓く認知症予防の新展開

日時:
11月13日(金曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
岡村 信行(東北医科薬科大学医学部薬理学)
野中  隆(東京都医学総合研究所認知症研究プロジェクト)
演者:
征矢 英昭(筑波大学体育系運動生化学; 筑波大学サイバニクス研究センター)
榊間 春利(鹿児島大学医学部保健学科基礎理学療法学講座)
竹内 春樹(東京大学大学院理学系研究科)
長谷 芳樹(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)
▼ 概要
認知症予防は、超高齢社会における最重要課題の一つである。本シンポジウムでは、アルツハイマー病をはじめとする認知症に対する非薬物的予防法について、最新の科学的知見をもとに議論する。運動療法、嗅覚刺激、聴覚刺激など、近年注目を集める介入法を取り上げ、基礎研究および臨床研究の成果を紹介していただく。既存のライフスタイル介入に加えて、感覚刺激という新たな視点を提示し、将来的な個別化予防プログラムの実現に向けた研究の到達点と展望を共有したい。

認知症の人の経済的支援の最適化

日時:
11月13日(金曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
竹本与志人(岡山県立大学保健福祉学部現代福祉学科)
繁田 雅弘(栄樹庵診療所)
演者:
多田 美佳(一般社団法人はるそら)
杉山  京(大阪公立大学大学院 生活科学研究科)
木村亜紀子(兵庫医科大学病院 認知症疾患医療センター)
竹本与志人(岡山県立大学保健福祉学部現代福祉学科)
▼ 概要
認知症の人と家族の暮らしには、医療費や介護費、就労・収入の変化、制度利用の手続き負担など、多様な経済的困難が影を落とす。本シンポジウムでは、まず当事者家族の立場から、医療機関や地域機関の対応、専門職の制度理解の限界も含めた経済支援の「現場のリアル」を共有する。続いて、生活を支える具体的な法制度や、公費負担医療(自立支援医療、特定医療費助成)の適用範囲と課題を整理し、最後に「認知症であること」と「お金の問題」が支援要請と支援行動をどのように抑制しているのかを理論的に検討する。多様な立場の知をつなぎ、見えにくい経済的困難を可視化し、誰も支援からこぼれ落ちない仕組みづくりを考える場としたい。

認知症観のこれまで・現在・未来

日時:
11月13日(金曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
岡村  毅(東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と精神保健研究チーム)
演者:
粟田 主一(社会福祉法人 浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)
宇良 千秋(東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と精神保健研究チーム)
井藤 佳恵(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム)
郷堀ヨゼフ(淑徳大学 総合福祉研究科)
笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
▼ 概要
「新しい認知症観」の普及は共生社会実現推進とともに施策目標として強調され、KPI設定のもと着々と進行中である。
その一方、「認知症観」が「なにを・どこまで」包含する概念であるのか、議論が尽くされていない実情がある。
本シンポジウムでは「認知症観」をより多面的・学際的な立場で再考することを目的とする。
各演者より①施策基軸の背景②歴史的変遷経緯③社会から立ち昇る豊かな認知症観④国際動向との比較⑤概念構成因子について、論点を提示する。
本企画では社会のなかで日々動的に変遷する「認知症観」について施策・学術的観点の双方から俯瞰し、
今後の認知症医療・社会の方向性への提言を試みる。

神経炎症から読み解く認知症―感染・環境・内因をつなぐ統合モデルと予防戦略―

日時:
11月13日(金曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
下畑 享良(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
中嶋 秀人(日本大学医学部 神経内科学分野)
演者:
中嶋 秀人(日本大学医学部 神経内科学分野)
横山 和正(東静脳神経センター)
下畑 享良(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
森  泰子(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
▼ 概要
認知症は従来、アミロイドβやタウの蓄積を中心とした神経変性疾患として理解されてきたが、近年、これらは感染防御などの宿主応答に関与する可能性が示されている。さらに、ウイルス感染やその再活性化に加え、免疫老化や自己免疫といった内因性要因、さらには大気汚染やマイクロ・ナノプラスチックなどの環境曝露が、神経炎症を介して認知症発症に関与することが明らかとなりつつある。本シンポジウムでは、感染、内因、環境という多様な要因を神経炎症という共通基盤で統合的に理解し、ワクチンや抗ウイルス薬を中心とした予防戦略と臨床応用への展開について議論する。

抗Aβ抗体薬治療の現状・課題と今後の展望―臨床の現在地とその先へ―

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 健康長寿イノベーションセンター 臨床開発ユニット)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室)
演者:
佐藤 恒太(脳神経センター大田記念病院 脳神経内科)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室)
冨本 秀和(三重大学大学院医学研究科 神経内科)
井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 健康長寿イノベーションセンター 臨床開発ユニット)
齊藤 貴志(東京大学大学院医学系研究科・神経病理学分野)
▼ 概要
抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬の上市から約3年になろうとしている。多部署を巻き込む施設の立ち上げ、共同意思決定の必要性、地域ごとに特色を持った地域連携の構築、抗Aβ抗体薬2剤の選択、18か月以降の長期継続投与の是非、とおよそ半年単位で抱える課題は変化してきた。臨床現場では目前の課題に対処することで精一杯になりがちだが、一旦立ち止まって抗Aβ抗体薬治療の現在の立ち位置を確認し、今後の展望を見据えることを目的に本シンポジウムを企画した。前半で、ハイボリュームセンターにおける抗Aβ抗体薬診療の実際やそこから見えてきた課題、そして全国規模の医療機関あるいは患者・家族のアンケート調査から浮き彫りになった課題についてご発表いただく。後半では、アルツハイマー病の基礎研究者の視点から抗Aβ抗体薬治療をどう見ているか、またどのような治療戦略が考えられるか、そして現在進行中の抗Aβ抗体薬を用いた前臨床期アルツハイマー病の予防的介入の展望について整理する。現在抱える課題を整理し、抗Aβ抗体薬が目指す将来につなげられるかどうか、ディスカッションする機会となれば幸いである。

認知症ゲノム・オミックス研究の進展と臨床応用

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
池内  健(新潟大学脳研究所ブレインヘルスケア領域)
間野 達雄(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第四部)
演者:
池内  健(新潟大学脳研究所ブレインヘルスケア領域)
菊地 正隆(新潟大学 脳研究所 生命科学リソース研究センター 遺伝子機能解析学分野)
木村 公俊(京都大学医学部附属病院脳神経内科)
佐治 直樹(国立長寿医療研究センターもの忘れセンター)
間野 達雄(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第四部)
▼ 概要
認知症ゲノム・オミックス研究は近年急速に進展している。大規模GWASにより新規リスク座位が同定され、ポリジェニックリスクスコア(PRS)の臨床応用やAIによサブタイプ分類が現実味を帯びてきた。また、空間トランスクリプトーム解析・シングルセル解析やマルチオミックスの統合解析の進展により、病態の細胞解像度での理解や、多層的な構造が明らかになりつつあり、腸内細菌解析は認知症研究の新たなフロンティアとして注目を集める。本シンポジウムでは、このようなゲノム・オミックス研究の進展と臨床への貢献について、5名の演者が最新の成果を報告し、日本からの貢献と今後の展望を議論する。

タウオパチーの病態解明と治療薬開発

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
山田  薫(東京大学医学部附属病院・認知症共生社会創成治療学)
樽谷 愛理(東京都医学総合研究所 臨床医科学研究分野 認知症研究プロジェクト)
演者:
山田  薫(東京大学医学部附属病院・認知症共生社会創成治療学)
上村麻衣子(大阪公立大学 健康長寿医科学講座 病因診断科学)
松本  弦(大阪公立大学 健康長寿医学講座 神経疾患制御学)
石垣 診祐(滋賀医科大学 神経難病研究センター)
▼ 概要
本シンポジウムでは、タウオパチーの病態解明と治療戦略の創出に向け、分子から細胞、組織、個体レベルに至る多階層的視点から最新の研究成果を共有し、統合的に議論する。伝播を担う脳間質液(ISF)中におけるタウシードの動態の解析を基盤として、タウ病態が規定する分子・環境要因に迫るとともに、脳血管系がタウ病態進展に果たす役割について最新の知見を紹介する。さらに、細胞内におけるタウ凝集体の分解機構としてのアグリファジーに着目し、その破綻と制御可能性を議論する。加えて、これらの基礎的知見を踏まえ、核酸医薬を用いた治療アプローチの現状と課題を提示し、タウオパチーに対する革新的治療法の実現に向けた今後の展望を探る。

アルツハイマー病解明における基礎研究の徹底解説:神は細部に宿る

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
西道 隆臣(理化学研究所)
橋本 翔子(滋賀医科大学 創発的研究センター挑戦的研究部門)
演者:
齊藤 貴志(東京大学大学院医学系研究科・神経病理学分野)
舟本  聡(同志社大学生命医科学部 医生命システム学科 神経病理学)
岩田 修永(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
橋本 翔子(滋賀医科大学 創発的研究センター挑戦的研究部門)
永田 健一(名古屋大学大学院医学系研究科)
遠藤 史人(名古屋大学 環境医学研究所)
▼ 概要
抗Aβ抗体医療の一つであるドナネマブは、ピログルタミル化Aβ(Aβ3pE-X)を標的としている。しかし、ピログルタミル化Aβとは何か、またAβ40、Aβ42、Aβ43といった分子種やその生成機構がどのように明らかにされてきたのかについては、必ずしも広く理解が共有されているとはいえない。さらに、アルツハイマー病研究で長年用いられてきた第一世代モデルでは、インフラマソーム活性化や小胞体ストレス、カルパイン活性化、ミクログリア活性化など、病態解釈に影響を与えうる現象が指摘されてきた。
近年、ノックインモデルを基盤として開発されたヒト病態をより忠実に再現する第二世代アルツハイマー病モデルマウスが発表されてから約10年が経過し、これらのモデルを用いた研究が進展してきた。その結果、Aβ蓄積依存的タウ病理の形成機構やそのメディエーター、さらにはタウ伝播やグリア応答の分子基盤について新たな知見が得られつつある。本シンポジウムでは、各Aβ種の生成・分解機構といったAβ研究の基盤を整理するとともに、Aβ蓄積とタウ病理を結びつける分子機構、さらにアミロイド・タウ病理によって誘導されるグリア応答についても取り上げる。次世代モデルから見えてきたアルツハイマー病の分子病態を改めて議論し、臨床薬学の基盤となる基礎研究の重要性と今後の研究の方向性を共有したい。

若年性認知症の人への医療と支援

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
中西 亜紀(大阪公立大学大学院生活科学研究科)
鷲見 幸彦(認知症介護研究・研修大府センター)
演者:
鷲見 幸彦(認知症介護研究・研修大府センター)
武田 章敬(国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター)
齊藤 千晶(認知症介護研究・研修大府センター)
表 志津子(金沢大学)
中西 亜紀(大阪公立大学大学院生活科学研究科)
▼ 概要
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行され、「認知症施策推進基本計画(以下、基本計画)」に基づく新たな計画が各自治体で策定されつつある。特に、若年性認知症の人については、就労、家事、育児といった現役世代特有の課題があり、基本計画においても「社会参加の機会の確保」「若年性認知症支援コーディネーターを中心とした保険医療福祉の関係機関による連携体制の構築」及びそれらにかかる研究の推進等が具体的に掲げられている。本シンポジウムでは、これまでに進められてきた公的研究等の成果を踏まえ、若年性認知症の人をとりまく課題を明らかにするとともに、今後我々が取り組むべき方向性について議論を深めたい。

脳血管周囲環境と神経変性:グリア・免疫・血管のクロストーク

日時:
11月14日(土曜日)8:50 ~ 10:50
座長:
新堂 晃大(三重大学 脳神経内科学)
富田 泰輔(東京大学大学院薬学系研究科 機能病態学教室)
演者:
眞木 崇州(京都大学 脳神経内科)
安藤昭一朗(新潟大学脳神経内科)
山本 誠士(富山大学 分子神経病態学)
久保田義顕(慶應義塾大学医学部解剖学教室)
西山 功一(宮崎大学医学部 機能制御学講座 血管動態生化学分野)
▼ 概要
本シンポジウムでは、脳血管周囲環境を構成する細胞群の分子・細胞生物学的特性に焦点を当て、神経変性との関連を基礎研究の視点から再考する。
Neurovascular unitを基盤に、ペリサイト、内皮細胞、グリアの相互作用、脳小血管病の分子機構、リンパ管、血管新生および微小環境制御機構を横断的に議論する。
細胞間クロストークと微小環境の破綻が神経変性に及ぼす影響を明らかにし、新規病態理解の深化を目指す。

認知症の早期診断・早期治療における告知、Shared Decision Making、意思決定支援

日時:
11月14日(土曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
成本  迅(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
東  晋二(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科)
演者:
東  晋二(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科)
井藤 佳恵(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム)
小賀野晶一(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
加藤 佑佳(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 健康長寿イノベーションセンター 臨床開発ユニット)
▼ 概要
認知症領域では、早期診断技術の進歩と疾患修飾薬の登場により、診断をどのように伝え、治療選択をどのように支えるかが、臨床の大きな課題となっている。本シンポジウムでは、患者・家族のニーズ、診断告知とShared Decision Makingの実践、法的・倫理的観点、意思決定能力評価(MacCAT-T)、最新研究成果を踏まえた説明方法を取り上げ、本人中心の認知症医療に必要な意思決定支援のあり方と今後の展望を多角的に議論する。

認知症臨床におけるMild Behavioral Impairment (MBI)の意義

日時:
11月14日(土曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
松岡 照之(舞鶴医療センター)
小林 良太(藤田医科大学医学部認知症・加齢脳科学科)
演者:
松岡 照之(舞鶴医療センター、京都府立医科大学大学院精神機能病態学)
船山 道隆(足利赤十字病院神経精神科)
小林 良太(藤田医科大学医学部認知症・加齢脳科学科)
品川俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
▼ 概要
軽度行動障害(Mild Behavioral Impairment: MBI)は前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia: FTD)の初期症状として行動障害が出現することから2003年に提唱された。しかし、FTD以外の認知症の初期症状でも行動障害は生じるため、2016年に診断基準に改訂された。近年、認知症の初期症状として神経精神症状(Neuropsychiatric symptoms: NPS)が出現することが注目されている。MBIは正常認知機能、主観的認知機能低下、軽度認知障害の段階で出現するNPSの内、50歳以降に出現し、6カ月以上持続するものであり、認知症の早期発見に有用であるかもしれない。本シンポジウムではアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症の初期症状としてのNPS, MBIについて議論する。

分子メカニズムから読み解く老化・神経変性疾患の性差

日時:
11月14日(土曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
安藤香奈絵(東京都立大学 大学院理学研究科 生命科学科)
齊藤 祐子(東京都健康長寿医療センター神経病理(高齢者ブレインバンク)
演者:
溝上 顕子(九州大学 歯学研究院 OBT研究センター)
笹岡 利安(富山大学 未病研究センター 富山赤十字病院 健診センター/糖尿病・内分泌・栄養内科)
生島 芳子(東北大学 医学イノベーション研究所)
高山 賢一(東京都健康長寿医療センター研究所 加齢変容研究チーム)
▼ 概要
本シンポジウムでは、老化および神経変性疾患における「性差」の分子基盤に焦点を当て、疾患発症機序の再解釈を試みる。まず、神経変性疾患治療における性差、次に老化過程に伴う脂肪組織の性差とその代謝制御ネットワークを議論する。さらに、糖尿病における雌特異的分子経路の最新知見を紹介し、最後に薬物動態の性差が治療反応性に与える影響を検討する。多角的視点から性差を理解し、個別化医療への展開を目指す。

認知症フレンドリー地域の実現に向けた多角的な心理・社会的支援

日時:
11月14日(土曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
山中 克夫(筑波大学人間系)
目 麻里子(筑波大学 医学医療系)
演者:
山中 克夫(筑波大学人間系)
河野 禎之(筑波大学人間系)
樫村 正美(常磐大学人間科学部)
野口  代(新潟青陵大学福祉心理子ども学部)
目 麻里子(筑波大学 医学医療系)
▼ 概要
認知症の人が暮らしやすい地域を構築していくためには、拠点やサポーターの数的拡大のみならず、支援の方略・内容や、発症後・診断後のシームレスな支援体制を整備していく必要がある。そのために、我々は障害と共に生きていくことを中心とする包括的な認知リハビリテーションの定義(Wilson , 1997) に基づき、①本人、②家族、③対人援助職、④住まいと地域作りの視点から多角的に心理・社会的支援の研究を行っている。本シンポジウムでは、全体の枠組みを示したうえで、本人への心理的支援、本人の地域参加支援、家族への心理的支援、BPSDの対応に関する職員支援、認知症理解の普及促進に関する話題を提供し討論を行う。

「診断」から「伴走」へ~診断後支援における認知症リハビリテーション~

日時:
11月14日(土曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
北村  立(石川県立こころの病院)
池田  学(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪精神医療センター)
演者:
矢吹 知之(高知県立大学 社会福祉学部)
嶽北 佳輝(関西医科大学医学部  精神神経医学講座)
石丸 大貴(大阪大学 医学部附属病院 医療技術部 神経科・精神科、大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室)
泉 里加子(医療法人医誠会 介護老人保健施設みつぐ苑)
▼ 概要
認知症の早期発見・早期治療が進められる中、診断直後において十分な支援が受けられない「空白の期間」が存在することが指摘され、診断後支援の推進が喫緊の課題となっている。診断後支援の一つとして、早期からの日常生活動作・社会参加に対する支援が重要であり、令和5年に成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の基本方針の中でも「認知症の人の意向を尊重した生活を目標にした(中略)基本的・手段的日常生活動作の向上と社会参加及びウェルビーイングの向上を目的とした認知症リハビリテーションを推進する」と記載されている。
今回、認知症診断・治療の最新の動向と、診断後早期からその後の生活を支援する「認知症リハビリテーションの推進」について、薬物治療、病診連携、初期集中支援チーム等の社会資源との連携を含めて議論したい。

認知症の本人と家族等による研究への参画を考える

日時:
11月14日(土曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室)
栗田駿一郎(日本医療政策機構)
演者:
山中しのぶ(一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ)
森口 奈菜(日本医療政策機構)
山口 創生(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部)
古結 敦士(京都大学大学院医学研究科医療倫理学分野)
武藤 香織(東京大学 医科学研究所 公共政策研究分野)
▼ 概要
2024年12月に閣議決定された認知症施策推進基本計画では、認知症の本人と家族等の意見を認知症に関する研究事業に反映させることが重点目標とされている。認知症政策が目指す「共生社会の実現に資する研究」の実現に向けては、研究への参加のみならず、認知症の本人や家族等が研究に参画し、研究者と対等に研究を共創することが期待される。本シンポジウムでは、認知症領域からの調査や実践報告に加えて、患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)を推進する他領域の研究者にも登壇いただき、各演者から提供される実践報告や論点・課題を踏まえ検討し、認知症領域に求められる取り組みと今後の方向性を考える。

診断後の“次の一手”を整える産学官連携:CADASILと患者市民参画

日時:
11月14日(土曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
猪原 匡史(国立循環器病研究センター脳神経内科)
水田依久子(京都府立医科大学大学院医学研究科 脳神経内科学)
演者:
安藤昭一朗(新潟大学脳神経内科)
齊藤  聡(国立循環器病研究センター脳神経内科)
勝井 恵子(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究開発戦略推進部 社会共創推進課)
患者 当事者(CADASIL友の会)
縄野 雅夫(株式会社ファーマフーズ)
▼ 概要
CADASILはNOTCH3バリアント判定後の情報提供・心理支援が標準化されず、患者・家族の負担が大きい。PPIを中核に、AMED主幹、当事者、脳神経内科専門医、臨床遺伝専門医、治験準備中の企業が産学官で議論し、診断から治験・治療選択へ至る意思決定支援を整理する。当日、座長が組織するAMED難治班で共同作成した患者・家族向け提言を公表する。

認知症診療と支援におけるトラスト形成支援-非対面支援とAI活用の可能性-

日時:
11月14日(土曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
加藤 佑佳(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
江口 洋子(慶應義塾大学医学部医科学研究連携推進センター)
演者:
加藤 佑佳(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
上野 大介(京都女子大学)
シリアーラヤ パノット(京都工芸繊維大学)
松岡 照之(舞鶴医療センター)
▼ 概要
認知症診療や地域支援の現場では、患者本人の意思を尊重した支援が求められる。一方、近年は電話相談やオンライン支援、AIを用いた情報提供など非対面での支援が広がっている。しかし、認知的脆弱性を有する高齢者にとって、提供される情報や支援者、AIシステムをどのように信頼し判断するかは大きな課題である。本シンポジウムでは、認知症診療と支援におけるトラスト形成支援に焦点を当て、心理学的知見、AI対話システムの設計、地域支援の実践など、RISTEX研究プロジェクトで得られつつある知見をもとに、非対面支援時代における認知症支援のあり方と今後の課題を検討する。

タウ病態と脳ネットワークのレジリエンス:認知症の超早期診断と予防戦略

日時:
11月14日(土曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
石垣 診祐(滋賀医科大学 神経難病研究センター)
畑  純一(東京都立大学大学院 人間健康科学研究科)
演者:
藤岡 祐介(滋賀医科大学神経難病研究センター)
高島 明彦(学習院大学理学部生命科学科)
小野麻衣子(量子科学技術研究開発機構)
渡辺 宏久(藤田医科大学医学部脳神経内科学)
▼ 概要
本シンポジウムでは、認知症の重要分子タウに着目し、神経ネットワークの視点でミクロからマクロへ連続的に病態を再考する。分子病態(藤岡)、動物モデル(高島)、分子イメージング(小野)、ヒト脳画像(渡辺)の最新知見を多層的に統合し、タウが制御する神経回路と機能障害、タウ沈着の分子ネットワーク病態、早期沈着が脳ネットワークに及ぼす影響を討論する。さらにネットワークの機能代償・再構成=レジリエンスに焦点を当て、バイオマーカーと介入指標も整理しつつ、環境エンリッチメント、新規モダリティ治療、エネルギー代謝改善が回復と予防に与える可能性を議論し、超早期診断に基づく予防戦略へつなげる。

高齢者の孤独・孤立の現状と対策

日時:
11月14日(土曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
忽滑谷和孝(東京慈恵会医科大学附属柏病院精神神経科)
太刀川弘和(茨城県立こころの医療センター)
演者:
小林江里香(東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム)
太刀川弘和(茨城県立こころの医療センター)
新村 秀人(大正大学臨床心理学部)
前田 展弘(ニッセイ基礎研究所 ジェロントロジー推進室)
▼ 概要
近年、高齢化の進行や社会的つながりの希薄化を背景に、高齢者の孤独・孤立は深刻な社会問題となっている。高齢者診療の現場においても、抑うつ、不安、不眠、身体症状などの背景に孤独感が関与する症例は少なくなく、その理解と対応は重要な課題である。本シンポジウムでは、「高齢者の孤独・孤立の現状と対策」をテーマに、4人のシンポジストがそれぞれの専門的立場から、孤独を感じる心理的背景、地域医療との連携、精神療法の実際、社会参加支援による予防的介入について話題提供を行い、多角的に検討する。

認知症初期支援が描く本人・家族のレジリエンスと介護支援の継続性

日時:
11月14日(土曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
山川みやえ(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻老年看護学教室)
繁信 和恵((公財)総合病院浅香山病院精神科)
演者:
小河 拓人(千里丘地域包括支援センター)
太田 俊輔(医療法人太田医院)
繁信 和恵((公財)総合病院浅香山病院精神科)
江頭 関巳(飯塚記念病院 福岡県認知症医療センター)
大庭  輝(弘前大学大学院保健学研究科心理支援科学専攻)
▼ 概要
認知症初期の支援の質は、その後の介護継続性や本人・家族双方のレジリエンスを決定づける。本シンポジウムでは、初期集中支援を含む地域包括支援センターの介入を起点に、いかに本人と家族を「両輪」で支え、持続可能なケア基盤を構築できるかを多角的に議論する。
地域包括支援センターによる相談・アウトリーチから、かかりつけ医による継続的な伴走、専門医による医学的展望の共有、臨床心理士による心理的受容の支援、ソーシャルワーカーによる社会資源の最適化まで、各専門性が初期段階でどう編み合わされるべきかを横断的に検討する。
初期の機能的な連携が、本人・家族の力を引き出し、看取りまで続くケアの質をいかに規定するか、診断直後からの包括的支援モデルを考察したい

認知症治療の多面的価値評価

日時:
11月14日(土曜日)14:55 ~ 16:35
座長:
五十嵐 中(東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学)
齋藤 英子(東京大学大学院新領域創成科学研究科附属サステイナブル社会デザインセンター)
演者:
伊東 大介(慶應義塾大学医学部 神経内科/メモリーセンター)
新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)
髙瀬 義昌(医療法人社団 至髙会 たかせクリニック)
冨田 清行(エーザイ株式会社)
▼ 概要
認知症ケアの評価について、新たな疾患修飾薬の登場や、プレクリニカル領域への拡張可能性なども伴って、どのような軸での評価を行うかのニーズが高まっている。有効性・安全性・経済性のような単純な評価軸だけではなく、家族介助者やプロフェッショナル介護者の負担の測定法や、公的介護費・インフォーマルケア費用の測定法、さらには「認知症」そのものの疾患としての優先順位付けなど、多くの論点が残っている。このシンポジウムでは、多面的価値評価に関するこれまでの論点や研究結果を概括すると共に、さまざまなステークホルダーの立場からみた「最大公約数的な価値評価のあり方」について、問題提起と議論をしていきたい。

ガイドラインを踏まえ、その一歩先を行くBPSDの治療-エビデンスから個別化へ-

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 10:30
座長:
品川俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
馬場  元(順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック)
演者:
品川俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
西尾 慶之(大阪大学大学院連合小児発達学研究科 行動神経学・神経精神医学寄附講座)
永田 智行(医療法人永光会 あいらの森ホスピタル 認知症疾患医療センター)
馬場  元(順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック)
小林又三郎(大阪大学医学部附属病院精神科)
▼ 概要
認知症におけるBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)は、患者の生活の質(QOL)を著しく低下させ、介護負担を増大させる主要な要因である。BPSDは様々な症状を包含する概念であるが、なかには神経回路や神経伝達物質の異常に根ざした疾患特異的なかつ中核的な症状もあり、近年ではNPS(Neuropsychiatric Symptoms)とも呼ばれる。現在のガイドラインでは安全性を重視せざるを得ず、そのため薬物療法は最低限の制限的な位置づけになっている。しかし現場の医療者が治療選択に迷う場面も少なくない。本シンポジウムは、「BPSDの治療」をテーマに、ガイドラインを踏まえながらもその一歩先を見据える実践的な試みである。コリンエステラーゼ阻害薬の効果、抗精神病薬の最適使用戦略、抗うつ薬の再評価、そして薬物抵抗性症例に対するECTの臨床的活用など、認知症を診療するが直面する臨床課題を多角的に検討する。エビデンスを出発点としつつ、患者と家族の価値観を尊重した個別化医療へ、医療者が多職種と連携しつつ主体的に担う次世代のBPSD治療の方向性を提示するものである。

老年期せん妄の予防とマネジメント

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 10:30
座長:
八田耕太郎(順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学)
小川 朝生(国立研究開発法人国立がん研究センター東病院)
演者:
小川 朝生(国立研究開発法人国立がん研究センター東病院)
西澤 由貴(大阪医科薬科大学 神経精神医学教室)
貞廣 良一(国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科)
八田耕太郎(順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学)
▼ 概要
せん妄の臨床は、多方面からの研究の進展によって10年前とは全く異なり、さらに進化しようとしている。臨床現場でも研究面でも関心は予防に向いており、本シンポジウムではまず、エビデンスに基づくせん妄ハイリスク因子の序列化やその組み合わせによるハイリスク患者の同定、簡易脳波計など生物学的アプローチによるせん妄ハイリスク患者の同定について概説する。それらを踏まえて、せん妄の非薬物的および薬理学的な予防、さらにせん妄のマネージメントについて議論を深めたい。

FTLD-FUS再考

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 10:30
座長:
長谷川成人(東京都医学総合研究所)
横田  修(きのこエスポアール病院・岡山大学医学部)
演者:
横田  修(きのこエスポアール病院・岡山大学医学部)
森  康治(大阪大学大学院医学系研究科精神医学)
樽谷 愛理(東京都医学総合研究所 臨床医科学研究分野 認知症研究プロジェクト)
木村  朴(東京都医学総合研究所 認知症研究プロジェクト)
▼ 概要
FTLD-FUSは、FUSの異常蓄積を特徴とするTau/TDP-43陰性の前頭側頭葉変性症(FTLD)として位置づけられ、2009年に筋萎縮性側索硬化症でFUS遺伝子変異が同定されたことを契機に、FTLDの一亜型として確立された。ところが近年、FTLD-FUS脳のクライオ電子顕微鏡構造解析により、脳内に蓄積する線維の主体はTAF15であり、従来想定されていたFUSやEWSでないことが明らかとなった。この知見は従来の「FTLD-FUS」という疾患概念の再考を強く促すものである。本シンポジウムではFETタンパク質関連FTLDについて、病理学的再分類の可能性とその分子機序について議論する。

災害時の認知症支援-過去に学び未来に備える-

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 10:30
座長:
秋山 治彦(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター MCI・認知症センター)
加藤 伸司(東北福祉大学総合福祉学部福祉心理学科)
演者:
加藤 伸司(東北福祉大学総合福祉学部福祉心理学科)
山崎 正人(スタジオ代)
高橋  晶(筑波大学附属病院 茨城県災害・地域精神医療研究センター)
中西 亜紀(大阪公立大学大学院生活科学研究科)
追加発言:
和田 健二(川崎医科大学認知症学)
▼ 概要
これまで大規模災害の際に認知症の人や介護家族にどのような問題が発生し、どのような支援がおこなわれてきたかを振り返ることで、被災時の認知症の人への支援における課題を明らかにする。今世紀に入って発生したいくつかの大規模災害において様々な立場で被災支援に関わったシンポジストがそれぞれの経験を報告するとともに、そこでの考察を通じて、これからも必ず起こる災害時の認知症支援に向けて、私たちにはどのような準備が必要なのかを検討する。平時に何をしておくことが突然の災害発生時に役立つのか、また災害時の経験を日常の認知症医療、介護、そして共生社会実現にどう役立てることができるのかを考えたい。

iNPH Societyを広げるために

日時:
11月15日(日曜日)8:50 ~ 10:30
座長:
數井 裕光(高知大学医学部神経精神科学講座)
貴島 晴彦(大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科学)
演者:
茶谷 佳宏(高知大学医学部神経精神科学講座)
中島  円(順天堂大学医学部脳神経外科学講座)
末廣  聖(大阪大学大学院医学系研究科精神医学分野)
田岡 俊昭(名古屋大学大学院医学系研究科 革新的生体可視化技術開発産学協同研究講座)
山田 茂樹(名古屋市立大学脳神経外科学講座)
▼ 概要
特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydrocephalus: iNPH)は高齢者の100人に1人程度という高い頻度と歩行障害、認知障害、排尿障害という3徴などの臨床症状に対する治療可能性などから臨床上重要な病態である。しかし本病態の発現機序が不明確であるため、的を射た診断方法が未開発であること、シャント術の効果が限定的で3徴が残る患者も多いことなどから、本病態に対する診療が我が国において広く一般化しているわけではない。そこで本シンポジウムでは、認知症診療医の中で、iNPH Societyを広げるために、これまではあまり取り上げてこられなかったが、診療上重要な知見、発現機序の解明に資する知見、そして現在、国際水頭症学会で作成しつつある国際診療ガイドラインに関する最新の知見などを共有したい。また総合討論の時間をとり、フロアの診療者が日常診療で困っていることなどについて、シンポジストと積極的にディスカッションしたい。

認知症疾患医療センターの役割:現状と展望

日時:
11月15日(日曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
粟田 主一(社会福祉法人 浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)
武田 章敬(国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター)
演者:
粟田 主一(社会福祉法人 浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)
武田 章敬(国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター)
深澤  隆(医療法人財団青仁会青南病院)
新井 哲明(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)
田中 志子(医療法人大誠会内田病院)
▼ 概要
認知症疾患医療センター運営事業は2026年4月1日現在で全国に514ヵ所(基幹型Ⅰ:17、基幹型Ⅱ:5、地域型:387、連携型105)設置されているが、認知症基本法の施行、当事者参画の診断後支援(ピアサポート活動等)の推進、抗Aβ抗体薬の導入、医療介護連携体制の強化、若年性認知症や災害時認知症医療の在り方の検討、地域医療構想における認知症の精神医療の位置付けの検討が進められる中で、センターが果たすべき役割は変化してきている。このような今日の情勢を踏まえて、本シンポジウムでは、一般病院、精神科病院、基幹型センターに求められる役割とともに、認知症疾患医療センター全国研修会が果たしてきた役割と今後の展望について討議しておきたい。

アミロイドの凝集と脱凝集から理解するプロテイノパチーの病態

日時:
11月15日(日曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
佐原 成彦(新潟大学脳研究所脳病態評価技術創生学分野)
田中 元雅(国立研究開発法人理化学研究所 脳神経科学研究センター)
演者:
田中 元雅(国立研究開発法人理化学研究所 脳神経科学研究センター)
玉井 真悟(理化学研究所脳神経科学研究 センター)
遠藤  良(理化学研究所脳神経科学研究 センター)
真板 宣夫(量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所)
佐原 成彦(新潟大学脳研究所脳病態評価技術創生学分野)
▼ 概要
プロテイノパチーとは異常な構造をもつタンパク質が脳内で凝集・沈着し神経細胞の機能障害や細胞死を引き起こす疾患の総称である。その背景には、タンパク質の合成・折りたたみ・分解のバランスを保つ「プロテオスタシス(タンパク質恒常性)」の破綻がある。近年、タンパク質は単に凝集して蓄積するだけでなく、シャペロンなどの細胞内因子によって脱凝集されることも明らかになってきた。本シンポジウムでは、タンパク質の凝集・脱凝集の包括的理解を目指し、タウ、シヌクレイン、TDP-43 などを例に、凝集・脱凝集の制御機構と病態制御の可能性、医療応用について議論する。

かつてDementia praecox(早発性痴呆)と呼ばれた疾病理解はどう進展したか?
―精神疾患と認知機能障害・認知症の関係―

日時:
11月15日(日曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
入谷 修司(桶狭間病院附属脳研究所)
羽渕知可子(愛知県精神医療センター精神科)
演者:
笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
小林 良太(藤田医科大学医学部認知症・加齢脳科学科)
竹田 和弘(名古屋大学医学部附属病院精神科)
関口 裕孝(桶狭間病院藤田こころケアセンター精神科)
大島 健一(都立松沢病院精神科)
▼ 概要
かつてDementia praecox(早発性痴呆)と呼ばれた統合失調症と、同時期に提唱された躁うつ病(双極症)とで2大内因性精神疾患とよばれている。統合失調症は、幻覚妄想といった陽性症状および陰性症状とよばれる欲動障害や認知機能の障害を呈するがその生物学的機序については不明である。一方、双極症の臨床研究においても、経過によって認知機能の障害を呈することが明らかになってきている。本シンポジウムでは、精神疾患と認知機能の障害との関係性について、精神疾患の疾患単位の理解の変遷や長期経過の認知機能低下の観点から病態の理解を深めたい。

認知症性疾患診療・研究における医科-歯科連携

日時:
11月15日(日曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
眞鍋 雄太(神奈川歯科大学歯学部臨床先端医学系認知症医科学分野)
橋本  衛(近畿大学医学部精神神経科学教室)
演者:
釘宮 嘉浩(国立長寿医療研究センター)
木本 克彦(神奈川歯科大学歯学部歯科補綴学クラウンブリッジ補綴学分野)
笛木 賢治(東京科学大学咬合機能健康科学分野)
▼ 概要
実臨床では、認知症性疾患の症状や病態への口腔機能の関与をしばしば実感する。歯科発信の口腔機能と認知機能に関する知見をサマライズしてもらい、これを受け、医科-歯科連携研究として現在進行している咀嚼と認知症性疾患との関連に関する介入研究を報告。医科でも可能な歯科診察なども紹介し、医科専門家の口腔機能への理解の深化を図る。

認知症の終末期医療・ケア

日時:
11月15日(日曜日)13:05 ~ 14:45
座長:
井藤 佳恵(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム)
成本  迅(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
演者:
小賀野晶一(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
児玉  聡(京都大学大学院文学研究科)
井藤 佳恵(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム)
小川 朝生(国立研究開発法人国立がん研究センター東病院)
▼ 概要
「認知症の人の終末期医療をどう考えるか:倫理・法・臨床からの対話」
認知症の人の終末期医療をめぐっては、意思決定能力の変化、家族の役割、医療者の責任、社会制度との関係など、複雑な課題が存在する。とりわけ、本人の意思をどのように尊重し支えていくのかということは、医療・ケアの現場で重要なテーマとなっている。本シンポジウムでは、倫理学、法学、臨床のそれぞれの視点から、認知症の人の意思と尊厳をどのように支えることができるのかを検討する。Advance Care Planning(ACP)を含む意思決定支援のあり方を手がかりに、現場で生じている課題と制度的・社会的背景を整理し、今後の実践と議論の方向性について対話的に議論する。
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