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東京大学大学院農学生命科学研究科|寄付講座:食と動物のシステム学

21世紀病の解明、
その予防や治療方法の開発と提案
当講座は2022年4月にRevamp Corporationの
寄付により、東京大学大学院農学生命科学研究科に
開講された寄付講座です。

Research Contents

研究内容



食を含む生活習慣の変化を主な原因として、近年増加している人と動物の慢性的な疾患や体調不良を21世紀病と呼び、これにはアレルギーや腸炎、肥満、自閉症などが含まれます。これらの病気は慢性かつ緩徐な病態を示すことが多いため、病状を正確に評価して、正しく診断することが難しいです。

病気の発症や悪化のメカニズムを明らかにして、予防や治療方法を開発するには、動物を用いた病態モデルを作製し、評価する必要があります。しかし、21世紀病については、人の病状を反映できる適切な動物モデルや評価系がなく、予防方法や治療方法の提案に至っていないが現状です。

本講座は、環境や生活習慣の何がこれらの疾患を増やしているのかを明らかにするとともに、その予防や治療方法の開発・提案を行うことを目的に以下の研究を行っています。特に、これらの疾患を治療したり、適切に管理するためには、薬のみならず食や生活習慣の改善も必要であると考え研究を進めています。

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最新情報



2023.01 複数のマウスの中から、特定の個体を識別することで、動物の社会性を評価できる技術の開発に成功しました。 Sakamoto N. Front Behav Neurosci. 2023. 6:1086242.
 
2023.01 日本循環薬理学会参加し、がんの抗がん剤耐性を解除する方法の開発について発表しました。
 
2022.12 第96回日本薬理学会年会にて、①食物アレルギー患者さんやモデル動物の腸内細菌とその機能の変化、②食物抗原に対してIgE抗体できてしまうメカニズム、③アレルギー性鼻炎のつらい鼻づまりが起きるメカニズム、について発表しました。
 
2022.11 第59回日本小児アレルギー学会学術集会にて、①尿を用いた食物アレルギーの検査技術の開発、②生理活性脂質による、アレルギー性疾患の発症と悪化、について発表しました。
 
2022.10 第71回日本アレルギー学会学術大会にて、①食物アレルギーにおける脂質産生動態の変化、②アレルギーを起こす生理活性脂質、について発表しました。



疾患モデルの革新
人や動物で見られる慢性かつ緩徐な病態を再現できる疾患モデルの開発を進めています。動物で効いたアレルギーの薬は本当に人でも効くのか?動物に鬱はあるのか?寿命が短い動物に人のような認知症があるのか?など、私達が治療法や予防法の開発を目的としてきた疾患モデルには、多くの課題があります。私たちは、下に挙げるモデル評価系の革新を進めながら、より適切で、外挿性の高い疾患モデルの作製に挑戦しています。
モデル評価系の革新
これまでは、観察者がモデル動物を観察し、病状や精神状態を評価することが多く、多大な労力を必要とするだけでなく、実験結果の再現性や客観性に欠けるところがありました。また動物は人の前では、怪我や痛みといった弱点を隠す習性があります。我々は、微細なモデル動物の変化を長時間にわたり客観的に評価(数値化)できる、画像・動画解析技術や数理モデルの確立を目指しています。またこれらの技術を、実験室の動物のみならず、犬などの伴侶動物などにも応用しています。
予防法や治療法の開発
21世紀病を含む疾患の、罹患リスクを上げる要因の探索を進めています。特に環境化学物質や食を含む生活習慣に注目した研究を行っています。また、これらの疾患の予防や治療を可能とする食の機能探索、中でも食物に多く含まれ、かつ生体内で生理活性を示す脂肪酸やその代謝物の活性に注目した研究と応用を進めています。

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東京大学 大学院農学生命科学研究科
寄付講座|食と動物のシステム科学
東京都文京区弥生1-1-1
東京大学農学部フードサイエンス棟 404号室

Food and Animal Systemics
Graduate School of Agricultural and Life Sciences,
The University of Tokyo
Food Science Bldg. 404, 1-1-1 Yayoi, Bukyo-ku, Tokyo 113-8657, Japan.