1.研究テーマの選択(最も重要!)
(1)自分の興味(自分がやりがいを感じることができること)
(2)関連分野の研究をよく調べ、どのようなことが解っていないのかについて検討する
(=novelty)
(3)研究材料として何を用いるのが適切かを考える
(4)自分(研究室)で持っている技術で、計画した実験を遂行できるかどうかを考える(共同研究の必要 性の有無)
(5)新しい技術、実験系の開発(自分達に独特な系を持つことは、他の研究者の追随を許さない。 =originality)
(6)時にはバクチ実験も必要
(7)たとえ他人が既に研究していることが判っていたとしても、 本当に興味深い研究ならば敢えて中央 突破して遂行しなければならない時もある
2.研究の進め方
(1)実験に用いる技術、方法の原理をよく理解する。特にキット等を用いる際には原報のMethodsを よく調べる。初期の論文には実験方法のノウハウが書かれていることが多い!)
(2)ある程度、出てくる結果を前もって予測する
(3)実験を行う前にフローチャートを書き、実験の目的と流れを把握する
(4)記録(ノート)を後で他人が見ても解るようにきちんと整理してつける(今後研究していく上での自 分の財産である!特に、失敗した時や予想に反するデータが出た時は、自分なりにその理由を考察す る。予想に反するデータから新しい発見が生まれることは多い。解らない時は先生や先輩に相談する 。わらないことを恥じる必要は全くない!聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥)
(5)常に論文としてまとめることを意識し、良い雑誌に投稿するためにはどのようなデータが必要かを考 えながら研究を進める
(6)研究の好不調の波をいかにして乗り切るか。良いデータが出ない時、あるいはcompetitionに負けた 時の引き際(テーマ換え)
3.論文の読み方
(1)関連分野の論文がよく掲載される雑誌は、全巻全号フォローする(E-mail Alertsを利用し、タイト ルを見て面白そうな論文は少なくともアブストラクトを読むこと!)
(2)Pub Medで定期的にキーワードを入力して調べる
(3) 読みやすい英文や和文の総説は、関連がなくてもできるだけ読む(研究の視野を広げるために必要 !自分今やっている研究分野を一生続ける訳ではない)
(4)読んだ論文は項目別にまとめ、きちんと整理して保存しておく(End Noteの利用。今後研究してい く上での自分の財産である!)
4.セミナー・研究成果発表
(1)論文紹介をする人は、できるだけ関連論文をフォローし、その分野に精通しておき、どんな質問にも 対応できるようにする(これが自分のためにもなる)
(2)仕事の紹介の際には、まず実験の目的、原理を説明する。また、細かい実験方法を説明し、失敗した 時は必ずそのデータを載せる
(3)聞き手は,どんな些細なことでも解らないことは質問する(解らないことを恥じる必要は全くない!)
(4)質問に答える場合に、「はい」か「いいえ」で答えられる質問に関しては、まず「はい」か「いいえ 」を言ってから、その理由を後で述べる
(5)データの解釈やその解釈の根拠に関する質問の場合には、自分の意見なのか、それとも一般論や他の 人の考えなのかがわかるように回答する。わからない場合に曖昧な答えをするのが最も良くない。 「間違っているかもしれませんが....」と前置きしてでも、自分の意見をはっきりと述べる
(6)セミナーノートは必ず整理して保存しておく
(7)とにかく、セミナーを聞いた人が「時間を損した!」と思わないようにすること
(8)成果の発表をする際に、自分の研究内容を理解してもらうためには、まず聞いている人が誰かを考え て、話し方を変えなければならない。たとえば、相手が一般の人か、学部生か、大学院生か、先生か によって話し方は異なるはずです