薬学生化学分野は、平成21年4月に従来の薬学生化学分野と細胞機能分子制御学分野を統合してスタートした研究室です。平成24年4月現在、ラボの在籍者は、杉本(教授)、三隅(准教授)、高宗(助教)、川原(助教)、土屋(助教)5名のスタッフと研究補助1名、秘書1名、熊本大学薬学部の学生・大学院生25名、計32名です。
分野主任の杉本は、平成21年3月までは京都大学薬学部生体情報制御学分野に在籍し、プロスタグランジンとその受容体による生体機能調節の研究を行ってきました。アスピリンがどうして多彩な作用を発揮するのか、その標的分子・プロスタグランジンの作用発現メカニズムは何なのか?という単純な疑問が研究の モティベーションとなっています。これからは炎症やアレルギーなどの疾患、あるいは生体に不可欠の生理プロセスごとにプロスタグランジン受容体の果たす役割やシグナル伝達機構を明らかにし、さらには受容体やシグナル分子を標的とした創薬研究を展開することで、最終的にはアスピリンを超えるような薬の創成に繋がることを目標にしています。
現在、薬学生化学分野での研究内容は、遺伝子欠損マウスを用いたプロスタグランジン受容体による生体調節研究(杉本)、プロテオミクス法を用いたHIV複製機構に関する研究(三隅)に大別され、それぞれ炎症・アレルギー、感染症に対する新たな創薬ターゲットを提示することを目指しています。(研究内容の頁をご覧ください)これら研究の二本柱に共通することは生化学的アプローチを重視していることであり、これが薬学生化学分野の最大の特徴です。5人のスタッフはそれぞれ研究背景や得意とする手法が異なり、従って当ラボ内の学生や大学院生は、さまざまな発想に触れ、いろんな見方・手法に基づいた生化学的考え方を吸収することができます。具体的には、インビトロを中心とした生化学・分子生物学的な手法を基本とし、研究目的に応じて、ノックアウトマウス、トランスジェニックマウスなどの遺伝子改変動物を使用したり、さらにはウィルス学、免疫学、細胞生物学、神経科学、生理学、薬理学といった広範な生物学的手法を駆使することになります。
肥後・熊本の地から最新の成果を世界に発信し、最終的に世界規模で活躍できる研究者を育成することを究極の目標としています。
スタッフ一同は、自らの得意領域・手法をベースとしながら、互いに新たな発想と出逢うことでこれまでの研究を発展させ、さらに新しい研究領域を創造していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
こんな薬学生化学分野の研究に興味を持たれた方、どうぞ私たちのホームページをご覧ください。直接ラボにきて話をきいてもらっても大歓迎です。