炎症性腸疾患(IBD)とは? 治療方法 手術室

内科治療

IBDの活動期には、少しでも早く確実に、また安全に炎症を治める治療を行っています。病気がなかなか緩解期に入らない場合(=「難治」)や、ステロイドが中止できない(=「ステロイド依存」)場合は、ゆっくりではあっても確実に、病気を緩解導入しステロイドを止める工夫をしています。すなわち、潰瘍性大腸炎では白血球除去療法(GCAP・LCAP)やイムランなどの免疫調整剤、クローン病では栄養療法や免疫調整剤、抗 TNFα抗体(“レミケード”)などを病状に応じて組み合わせ、ステロイドの離脱を図ります。さらに2009年からはクローン病にも白血球除去療法(GCAP)が保険適応で行えるようになり、当院でも治療を受けることが可能となっています。

治療法の選択については医学的必要性は勿論ですが、学生や社会人などの若い患者さまが多いため、患者さま一人一人のQOLやニーズに併せて治療法や剤形を選ぶなどの工夫を行っています。また、各種漢方薬を用いた対症療法などもあわせて行っています。

一方、大量出血や強い炎症を伴うような重症再燃では、潰瘍性大腸炎ではサイクロスポリン療法、クローン病では抗TNFα抗体(“レミケード”)などの抗免疫治療を積極的に行っています。当センターの最大の特徴は、一般には手術を考慮しなくてはならないような重篤な再燃であっても、内科・外科医が同一部門で診療にあたることにより、積極的に内科治療を行うことが可能なことです。

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外科治療

内科治療で改善がない場合や、一時的に改善するもののすぐ再燃して日常生活に支障がある場合に、外科治療で大きな改善が得られる場合があります。炎症性腸疾患では手術適応の判断や手術術式の選択が難しいため、経験のある専門医による判断、治療が望ましいと思われます。潰瘍性大腸炎に対する肛門機能温存と根治性のバランスを考慮した回腸嚢肛門管吻合術、一時的人工肛門を作成しない1期的手術の適応拡大、Crohn病に対する個々の病態に対する適切な術式(切除範囲、吻合法)の選択、腸管温存の工夫(狭窄形成術)、複雑痔瘻に対する、肛門機能を温存するseton(シートン)法などを行っています。 2008年の手術件数は68件でした。

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患者さま説明用資料

こちらでは、診療時に患者さまへとご説明させていただく際に使用している資料を、お読みいただくことができます。ご来院前にあらかじめ読んでいただき、ご質問されたい疑問点などをいくらかはっきりさせるのにお役立ていただければと思います。

【pdf データ】(日本語)
クローン病内科病状説明用紙(297KB)
クローン病内科病状説明用紙(ふりがなつき)(345KB)
潰瘍性大腸炎内科病状説明用紙(295KB)
シクロスポリン説明書(387KB)
タクロリムス説明書(254KB)
5ASAアレルギーの患者様の治療法(167KB)

【pdf data】(English)
Crohn's Disease: Symptoms and Treatments(202KB)
Ulcerative Colitis: Symptoms and Treatments(241KB)

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