輸血部における測定試薬および機器の評価と精度管理(包括的申請)
HISCL(シスメックス)およびルミパルス prestoII(富士レビオ)専用HBc抗体試薬の性能評価
東京大学倫理委員会承認日(承認番号):
平成28年10 月20 日(承認番号3545-15)
研究内容
はじめに
 B型肝炎の既往のある患者さんに治療のための免疫抑制療法や化学療法を開始したのち、肝炎が再発症しさらに重症化(劇症化)するケースがあることが知られています。この現象はB型肝炎ウィルスの再活性化によるものです。このB型肝炎ウィルス再活性化のリスクを事前に察知するための重要な肝炎ウィルス関連検査のひとつがHBc抗体検査です。
 HBc抗体を測定する試薬は複数社より販売されており、それぞれ十分な性能を有しているとされていますが、患者さんによっては測定する試薬の違いにより結果が異なることがあります。今回の研究では、HBc抗体測定可能な複数の分析装置にて同一の検体を測定し、その結果を比較してその性能を再度評価し、さらに結果が異なった検体について詳細に調査することで、測定試薬の改善点をみいだすことを目的としています。
 また、HBc抗体の測定値と臨床情報を比較することで、その臨床的意義を再追究することも併せて実施します。
 研究にあたっては検査後に残った検体(残余検体)を用いて検討を行います。
 なお、この残余検体を用いた検査の精度管理のための研究全般については、すでに東京大学倫理委員会の承認(承認番号:3545)を得て他の検査項目についても並行して実施しております。
研究の目的、方法
 検査終了後の患者さんの残余検体を用いて、全自動免疫測定装置HISCL(シスメックス株式会社)およびルミパルスPrestoII(富士レビオ株式会社)にて測定可能なHBc抗体試薬を用いて測定を行います。
 あらかじめ検査に関連する患者様の一部の情報(疾患歴、治療状況、検査状況)のみを抽出したのち、検体に個別の番号を再度割り付け、患者さん個人のその他の情報(病院のIDや氏名、生年月日など)と結びつかないようにした(連結不可能匿名化)のち、測定を行います。
研究が行われる機関または実施場所
 東京大学病院輸血部において、残余検体を用いた上記試薬の精度管理を行います。
研究における倫理的配慮について
 人権への配慮(プライバシーの保護)
 患者様の残余検体を上記試薬の精度管理に用いるに当り、残余検体および検査に関連した臨床情報は患者さんのその他個別の個人情報とは切り離して管理します(連結不可能匿名化)。
 したがって研究の過程で患者さんの個人情報に研究実施者がアクセスすることはできません。
(問合わせ窓口)
東京大学医学部附属病院 輸血部 名倉 豊 主任臨床検査技師(研究責任者)
03-3815-5411 (内線35162)
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
電子メール:nagura-lab@h.u-tokyo.ac.jp
 
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