Radio Frequency Identifier(RFID)タグを用いた輸血用血液の管理の検討
 
東京大学倫理委員会承認日(承認番号):
平成27年9月7日(承認番号10896)
 
研究内容
 患者さんや血液製剤取違え防止のための照合システムや輸血用血液の管理には,一般的に1次元バーコードの照合が用いられています.当院でも輸血管理や照合確認には1次元バーコードを利用しています.最近ではバーコードに替わって,Radio Frequency Identifier (以下,RFID)を利用した照合システムが利用されています.RFIDとは電波を用いてチップに非接触式でデータの読み書きを行い,データ照合を行うための記録方式のことです.自己赤血球や末梢血幹細胞は,-192℃の液体窒素で凍結するため,通常の1次元バーコードシールの貼付は困難であり,保存バックに直接バーコードを印字することもできないので,保存バックに手書きで記載した情報を目視で照合確認をしています.自己血は,同種血による感染リスクや免疫抑制の副作用を軽減するために術前に貯血を行い,冷蔵あるいは冷凍保存して手術時に使用されています.また,末梢血幹細胞は自己と同種移植が実施されており,自己血同様に厳密に患者の照合と細胞の取違えを防止する必要があります.
 今回,凍結自己赤血球バックや末梢血幹細胞バックに,患者情報を記録したRFIDタグを貼付して液体窒素で保存します.輸血や細胞の輸注が必要な時に,液体窒素タンクから保存した血液や細胞を保存したバックを取り出し,照合システムを用いて患者と製剤,細胞のバックに貼付したRFIDタグと照合が可能であるか,液体窒素内でのRFIDタグの耐久性を含めて検討を行い,照合システムの開発を行うことを目的としています.
 RFIDタグを利用することで,より安全に患者さんへの自己血あるいは末梢血幹細胞の輸血が可能となることが期待されています.
 
研究における倫理的配慮について
 上記研究に関して,患者さんの自己血を多く採血するなど患者さんの負担はなく,患者さんから専用の同意書をいただくこともありません.したがって、患者さんに不利益を及ぼすことはありません.
 本研究に対してさらに説明を希望される方および研究に参加を希望されない方は,下記連絡先までお申し出ください.
 
(問合わせ窓口)
東京大学医学部附属病院 輸血部 曽根伸治 副臨床検査技師長(研究責任者)
03-3815-5411 (内線35162)
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
電子メール:sone-blo@h.u-tokyo.ac.jp
 
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