Del型検出のためのRho(D)血液型判定試薬の評価およびRho(D)陽性・陰性型の遺伝子型との比較検討
研究課題名:
輸血部における測定試薬および機器の評価と精度管理(包括的申請)
Del型検出のためのRho(D)血液型判定試薬の評価およびRho(D)陽性・陰性型の遺伝子型との比較検討
東京大学倫理委員会承認日(承認番号):
平成24年8月2日(承認番号3545-5)
研究内容:
 輸血に際してRho(D)血液型の精確な同定は重要な課題である.通常,Rho式血液型は,D抗原の有無により陽性および陰性と判定される.Rh陰性患者にRh陽性血液を輸血すると,抗D抗体が産生され,その後の輸血や妊娠に際して望ましくない事象を引き起こす.したがって,Rh陰性患者に対してはRh陰性血液を輸血すべきである.しかし,Rh陰性と判定された症例の約10-20%では,D抗原の発現量が非常に少ない症例(Del型)が含まれることが知られている.このRh陰性と判定されたD抗原の発現が弱いDel型を真のRh陰性患者に輸血されると,抗D抗体が産生され,輸血副作用の原因となる.D抗原の発現が弱いDel型を通常のRho(D)検査試薬及び抗体解離液で検出できるかについて比較検討する.また,Del型について,Rho(D)の遺伝子検査を,RFLP法及びLuminex法(資料2)にて実施し,上記結果と比較することで総合的に評価し,Rho(D)検査試薬及び抗体解離液および検査法の評価を実施する.
 方法は輸血部に提出されたRho(D)血液型検査の残余検体を,患者情報と連結不可能にして取り扱い,血清学的な吸着解離法でDel型検査を実施し,また同残余検体の白血球より抽出したDNAを用いてRho(D)の遺伝子型を検査する.これらの検査を総合的に評価することで,Rho(D)型検査試薬および抗体解離液の評価を実施する.  (曽根伸治)
研究における倫理的配慮について
 上記研究に関して患者さんの残余検体を上記試薬の研究に用いるに当り、患者さんから専用の同意書をいただくことはなく、残余検体を連結不可能匿名化して用いますので、検体と患者さんを連結できなくなります。したがって、患者さんに不利益を及ぼすことはありません。また、過去に実施した検査結果と異なる結果が得られた場合、患者さんにその情報を提供することも出来ません。
 本研究に対してさらに説明を希望される方は下記連絡先までお申し出ください。
連絡先 (曽根伸治)
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学医学部附属病院 輸血部
電話:03-3815-5411(内線:35162)
電子メール:sone-blo@h.u-tokyo.ac.jp
 
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