理事長あいさつ of 日本甲状腺外科学会

 2017年は日本甲状腺外科学会にとって大きな決断をした年となりました。
 2016年に会員全員に今後の本学会の進む方向についてアンケート調査を行いました。その結果、日本内分泌外科学会と発展的に統合・法人化することに賛成される会員が70%以上ありました。これを受けて日本内分泌外科学会と合同将来検討委員会を立ち上げ、臨時理事会などで議論を重ねました。結果2017年10月25日~27日に福島市で開催された第50回日本甲状腺外科学会学術集会の理事会・評議員会・総会において、2018年10月の第51回日本甲状腺外科学会学術集会最終日に解散することを決定いたしました。
 本学会に先立ち2018年6月に日本内分泌外科学会が解散し一般社団法人日本内分泌外科学会が設立されます。2018年10月に日本甲状腺外科学会が合流し統合が完了いたします。

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 新学会の設立時役員は両学会の現役員が全員就任し、その後選挙により新しい役員を決めます。一般社団法人日本内分泌外科学会となっても、当分のあいだ10月に開催している甲状腺・副甲状腺中心の学術集会は継続いたします。
 わたくしは2014年10月の第47回日本甲状腺外科学会学術集会終了後から理事長を拝命し本年10月の学術集会をもって1期3年の任期が終了いたしました。あと1年で日本甲状腺外科学会が解散するにあたって理事長再任となりました。ここに謹んでご報告申しあげます。理事に関しては本来なら理事3期(9年)務められた役員は退任となりますが、役員が交代すると引き継ぎなどで業務が滞ることがありますので、特例で来年の解散まで現在の役員を継続することを提案し評議員会・総会でお認めいただきました。
 日本甲状腺外科学会は昭和43年(1968年)にその前身である甲状腺外科検討会として設立された伝統ある学会です。外科・耳鼻咽喉科などの外科系診療科のみならず、内科・病理・放射線科・核医学科など診療科の枠を超えた会員の参加により日本の甲状腺・副甲状腺外科を常にリードしてきました。1998年に甲状腺外科研究会になり、2006年に日本甲状腺外科学会に発展しました。設立当初からの甲状腺外科に関して熱く議論するという伝統は受け継がれております。学術集会の開催、専門医制度の維持管理・新専門医制度への対応、日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌の発行、NCD登録による甲状腺癌登録、NCDデータの学術利用、甲状腺癌取扱い規約改訂、甲状腺腫瘍診療ガイドライン改訂など、学会として継続して取り組んでおります。甲状腺外科に関する標準的医療の確立・普及、先進的医療の開発、若手臨床医・研究者の育成、甲状腺外科に関する社会的責任など、この学会に課せられたミッションは多くあります。一般社団法人日本内分泌外科学会となったあとも継続して滞りなく遂行していけるよう努力いたします。
 2011年の東日本大震災以降、東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による影響調査のため、福島県民健康管理調査事業が継続して行われています。日本甲状腺外科学会としても甲状腺外科の専門医集団として必要なサポートを行っております。一般社団法人日本内分泌外科学会となった後も継続支援していきます。
 上述の活動を含め甲状腺外科に卓越した医師を育成すること、甲状腺外科技術のさらなる発展を目指していくことが、本学会としての社会的責任を果たすことになると考えております。会員の皆様、学会支援者の皆様には、なにとぞより一層のご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

2017年11月
日本甲状腺外科学会
理事長 今井常夫
国立病院機構 東名古屋病院 院長