薬局で買える薬 2018 June 10

風邪薬といえばPLという粉薬ですが、店頭でも買うことができます。鼻水止めの抗ヒスタミン剤と解熱剤のアセトアミノフェンが成分です。医師の処方薬としては1回1gですが、1回0.8gに店頭販売のパイロンでは減らしてあります。主な副作用は眠気ですが、前立腺肥大の恐れのある50歳以上の男性では、尿閉:おしっこを力んでも絞り出せ無いことがあります。また緑内障にも眼圧を上げるので不具合です。

熱さましや頭痛には「バファリン」という薬がしばしば用いられます。でも「バファリン」はあくまでも登録商標で物質名ではありません。区別して注意して買い求めましょう。医者の処方薬としてのバファリンはアスピリンという薬です。今では解熱鎮痛剤としては殆ど用いられず、心筋梗塞や脳梗塞の予防に用います。COXという酵素を邪魔して、かさ蓋の成分の血小板がくっ付くのを邪魔して、血栓ができなくするためです。これを逆に言えば、出血を起こしやすくするということです。COXを邪魔すると気管を拡張する物質も減るので喘息が悪くなったり風邪の咳が酷くなることもあります。店頭の「バファリン」には4種類あり、本当のアスピリンのバファリンのほか、比較的安全なアセトアミノフェンが主なもの、ロキソニンの仲間、イブの仲間も「バファリン」というブランドで売ってます。

風邪薬といえば葛根湯という漢方ですが、どんな風邪でも葛根湯で推さないでください。葛根湯が効くのはインフルエンザ=流感です。高熱と関節痛が前面にでて、咳や鼻汁の割合が弱い風邪です。一方、風邪というとドロドログジュグジュした、痰と鼻水の噴水のような風邪が思い浮かびますが、その時は「小青龍湯」を買い求めてください。空咳が続く場合は「麦門冬湯」です。葛根湯はPLと同じで尿閉を起こし易いです。 胃が悪いときに胃薬をのむとき、新三共胃腸薬や太田漢方などを思い浮かべると、困ります。戦前からある胃薬は消化を助ける薬です。胃もたれに消化を助けるのは正しいです。その時は使っても悪くはありません。しかし、今の世の中、医者が処方するのは「消化を邪魔する薬」です、糖尿病でボグリボースやアカルボースという薬がありますが、これが澱粉の消化を邪魔する薬です。作用を打ち消しあってしまいます。いま皆さんが胃薬に期待するのは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のように胃酸を減らしたり、胃の粘膜を覆って保護してくれる作用です。漢方の成分は胃酸を分泌させることで消化を促します。作用を打ち消しあってしまいます。

下痢止めの正露丸ですが、環境への排出規制ではフェノール類は5ppm未満にしてくれと言われている物質です。腸の蠕動を止めて殺菌し下痢を減らします。しかし、今の常識には真っ向から反する薬です。さっさと病原体を押し流して毒素を血流に入れないのが今の医療です。O157などの志賀毒素が菌体が分解されることで吸収されやすくなり腸が動かないので吸収されやすくなります。イソジンも正露丸も同じですが、作用と副作用の兼ね合いで、役立つ・止めとくは決まります。軍隊で次々コレラが流行って部隊が成り立たない。水道水はなく湯を沸かすと煙に大砲が飛んでくる。そういう想定では、排せつ物に事前に消毒剤を混ぜる正露丸は役立ちますし、歯磨きでコレラが伝染するくらいならイソジンで嗽しましょうというのは正しいのですが、上水道・下水道の完備した状況では、欠点ばかりが突出します。粘膜障害による防衛機能の破綻・腸内細菌叢の廃絶という欠点しか残らないのです。

下痢の時には乳酸菌などの善玉菌やワカモト・エビオスなどを呑みましょう。サプリとしてのワカモト・エビオスは食物繊維とたん白が豊富な一方で、澱粉や蔗糖のような糖質を含まないものです。戦前はたん白が摂れない脚気の予防のビタミンBが多いということでエビオスが推されたのですが、昨今では脂肪や塩分の吸収を邪魔する食物繊維の補充に役立ちます。禁煙の時に飴を口寂しいから舐めて太るという失敗がよく聞かれますが、エビオスでも舐めておれば、たばこやビールに似た苦みと食物繊維やビタミンが補充されます。ただし、ビールが材料ですので、尿酸の材料のプリン体が多いという欠点が否めません。

貧困と肥満というのが今の常識です。腐らない食材を加工して安価にというと不健康に太る。腐らない安価な材料はコーンスターチや小麦粉といった澱粉、砂糖やコーンスターチから造った異性化糖になります。それをパーム油で加熱調理する。日持ちのするパンや麺で生活する。焼きそばパンなどが好例です。先ほど触れた食物繊維もそうですが、なかなか魚が摂れません。南の島、パラオや沖縄やトンガやサモアの現状も同じです。沖縄は兎も角、台風で停電すれば冷蔵庫の魚は腐ります。海に魚が居ても時化れば捕れません。メリケン粉とスパムという話になります。魚の油、ω3系はアレルギーなどの炎症を抑え血小板の凝集を抑え、喘息や動脈硬化性疾患に好都合です。バファリンの時に出てきたCOXで体に良いプロスタグランジンが作られます。男性は2g女性は1.5g摂取して貰いたいのですが、昭和の末期の農村部の調査でも1gに満たなかったですし、今となっては猶更減る傾向にあります。スパムではなくゲイシャ、焼きそばパンではなく魚肉ソーセージと海苔巻きに替えてくれると少しは助けになります。ちなみに揚げた魚というのは微妙です。揚げ脂のヘットやラードにタラの油が置き換わるので英国での心筋梗塞予防にフィッシュ&チップスは鬼門とされています。


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