MRIで骨端炎があり関節周囲の軟部組織も造影効果があった。歯肉の肥厚と歯肉出血があり、貧血を伴ない、造血器腫瘍も疑われた。発症2カ月半で頭痛が有り右前頭部に硬膜外出血が有った。入院時は車椅子移乗全介助だった。
入院するまでは食歴を問わなかった。
関節への出血は血友病である。また小児血液腫瘍でもよくある症候である。歯肉肥厚や歯肉出血も小児血液腫瘍での着目点である。そのため先にマルクまでしている。
車椅子になる、頭蓋内出血を来す、そこまで食歴を問わなかった。
採取した骨や血腫に異状なく、周囲の結合織の異状が原因であろうコラーゲン合成を損なうビタミンC欠乏（壊血病）を疑うのは病理所見が出た入院14日目であった。
結合織が脆弱で硬膜外出血をおこし、関節周囲の脆さで痛みを感じていた。歯肉出血は大航海時代以来の壊血病の所見である。
ここで初めて食歴が問われ、炭水化物を中心とした偏食があきらかになった。
ビタミンCを測定し同時に投与を開始した。ビタミンDも欠乏していたのでくる病の恐れもあった。 ビタミンC投与後2日で痛みが取れ、11日目は歩行器が22日目は独歩が可能になった。2か月後は走り回れるようになった。
精肉100ｇ当たりのビタミンB1をみると、豚肉は0.9〜0.7ｍｇだが、牛肉鶏肉では十分の一の0.09〜0.05ｍｇになる。
オランダ人がジャワで鶏を実験動物に脚気を研究した故事を考えると鶏は足らないのだろう。
脚気は心不全を引き起こし、心不全には利尿剤を用いられる。しかし利尿は水溶性ビタミンのビタミンB1の排泄を促し、脚気に着目しないと、脚気の心不全を悪化させる恐れが生じる。
淡水魚やワサビにはビタミンB1を失活させる酵素がある。加熱で酵素は失活するが鯉の洗いと本わさびは留意が必要（流石にそういう偏食は無いだろう）。かば焼きが滋養があるというのは脚気にビタミンB1を補うから。
1年間に3回、正月・6月・9月と下腿出血で入院した60歳代の男性。3回目の9月の入院の問診で「３食ともレトルトカレーで野菜や果物は摂取していなかったこと」が判明したため、検査したところ、ビタミンC＜0.2μg/mlと測定感度以下だった（日内誌110(10)p2256)
数日入院して給食は残さないからビタミンCが補充される、その結果下腿出血や出血傾向が改善する、原因「(・・?」のまま退院する、数か月すると欠乏する、を繰り返していた。
カレーでレトルトだと、スパイスが幾ら入っていても「薬膳」にはならない。
また、具材をコトコトと煮込むカレーは、熱に弱いビタミンCが不足しやすくなりますし、牛乳や乳製品に多く含まれるカルシウムも不足しがちです。
副菜や付け合わせなら、熱で壊れやすい栄養素の摂取も期待でき、カレーの具材で不足しやすい栄養素を組み合わせることも可能です。栄養バランスを整える副菜や付け合わせのレシピをご紹介します。(森永製菓)
16歳の男の子が、「朝飯抜き、うどん、牛丼」みたいな食生活をしていたら、狭心症をきたした。動脈硬化は無いが冠攣縮をおこしていたらしい。ホモシスティンが高いが、葉酸は足りている、ビタミンB6が駄目で、食事指導をしたらホモシスティンは低下傾向をしめした…そうだ。
偏食だと、ビタミンB不足で「脚気」から心不全を起こすというのはよく知られている。江戸患い、203高地、インスタントラーメンやペットボトルの今も、NSTの流行っている陰でウィルニッケ脳症とならんで脚気にも気を配る必要がある。
じゃぁサプリメントかというと、補充療法の否定が、報告されている。食育が基本である。
アイルランドでも、ピザやフィシュアンドチップスみたいにフォークナイフが使えない食事ばかり食べたりする層の懸念がされており、ベンチャーではピザや、ハンバーグとコーラ、寝袋が基本とされているが、いろんな物を食べないと行けない。ぇえ？ピザは地中海料理だって？
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