川端 裕人 早川書房 ISBN : 9784152096302
2016-08-05
追いつくだけじゃなく、大人の方が衰えてくる。
母さんとか、親の世代が、子供の頃感じていた程には強くないとも気づき始めた。[p306]
無事、上がったロケットは高校生になった駆を置いて、木星によって太陽系脱出速度まで引っ張り上げられて、早足で立ち去っていく。
そして春夏編で思った通り、弟は「オヤジ」と島で、のびのび居場所を確保している。
川端 裕人 早川書房 ISBN : 9784152096296
2016-07-24
このところ続いている四六判のソフトでスカイエマ描く表紙。上下二巻の群像劇でまず夏休みまで。大きな組織の立ち位置に揺れるお兄さんと、小学生など。
お兄さんは、平成10年ごろ小学生だった頃に触れた「夏のロケット」を彷彿とさせる「真夏のロケット団」に悶々としている。
宇宙をネタに漁村留学をしている。「宇宙遊学でも、生物が好きなんので、宇宙じゃなくても良いですね」というのが男の子の主人公。
結果としてロケットは飛ばすけど、それよりも南の島の自然や民俗の描き方が力強い。「川の名前」の流れに身を任せている。「ケンタとミノリ」のように鰻も食べます。鯉汲みとか「鮒汲み(フナクミ)」と言います。
ケサランパサランも出てくるし、感染症も出てくる。海と川と土地の境目という組み合わせは「エピデミック」だ。
主人公は手の掛からない子になっている。なんでも風疹を物心つく前に罹って母親のお腹の中の弟の耳の聞こえが悪いらしい。「三十人のここの方が溶けこめるだろうに」という位で、弟に母を譲って健気に巣立とうと島に来た。著者は違うが「コウノドリ」である。
ガオウと呼ばれる、鎮守の森に入るとおチンチンが腫れる。呼ばれて入ったなら仕方がないがと言われても、伝承通りおチンチンが腫れる。思春期に入る通過儀礼か!?レプトスピラでもフィラリアでもなんでも来いという、無邪気な自然の親しみ方は小説の中だけの楽しみにしたいヽ(´▽`)/
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