うなぎ

小屋で夜を明かした兄妹は、前の晩はマスしか食べられなかったが、仕掛けたワナが功を奏して、ニュージーランドのウナギを食べる事に、成功した。
このウナギたち、日本人が目をつけた。日本のウナギが激減したので、生体や稚魚を南半球から輸入しようという試みがある。
既に、欧州からのウナギの輸入は絶滅の危機にあり、停められている。ウナギパイですら、日本種であるという原産国証明書を求められる具合である。
アメリカにもウナギが居るが、これも減少している。そのため、米国政府はワシントン条約の対象にウナギを入れようと言う。
NZのウナギは、卵を産む迄、数十年かかる。いま、ケンタとミノリが捕っているのも、日本人がガタガタやってきて捕ってしまうと、すぐ無くなってしまうだけでなく、資源の回復には半世紀掛かるかもしれない。
日本のウナギも、養殖は温室でたくさんの餌を与えて、年単位で出荷するが、卵を産む天然のウナギが育つには遡上から十数年が必要である。マリアナマリアナと産卵場所の神秘を持ち上げる前に、日本の川が、十分な数のウナギをマリアナに還す事ができるか?ウナギ資源の保護はそこから始まる。
そして、無秩序に、モザンビークやタスマニアから、種の違うウナギを持ち込む事は、逃げ出せばそのまま、遺伝子資源の撹乱に繋がる。すでに、日本の川では欧州種が釣れる。幸い、今のところ欧州と日本の交雑はないらしいが、これからはどうなるか判らない。放流だけでは駄目で、生育環境を整えないと仕方も無い。
しかし、直近の話をすれば、輸入するなら、焼いてもってこい、としか、言いようが無い。。

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