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[一社)全国地域医療教育協議会事務局] TEL.0285-58-7394
医学教育に携わる皆様
私たちは、地域基盤型学習(Community-based Learning)、地域指向型教育などと称される地域医療に関わる教育、つまり地域医療教育に教員として取り組んできました。次に述べる背景を元に全国の医学部・医科大学における講義・実習において地域医療に関わる教育は、徐々に普及しつつあります。
その背景として、平成19年改訂版の文部科学省『医学教育モデルコアカリキュラム』において、すべての大学医学部・医科大学に地域医療臨床実習の実施を求めたこと、医師不足問題を背景に文部科学省が数次にわたり医学部入学定員を増加し、わずか4年の間に地域枠を含む約1300人もの医学部定員が増えたことなどがあります。 また政府予算および地方自治体の予算措置等により「地域医療」に関連した「寄付講座」が多数作られてきました。
それらの結果、地域医療教育は他の診療科と同様に、全国の医学生が学ぶべき分野として認知されつつあるかに見られます。
しかし地域医療教育においては多方面の努力にも関わらず、その目的、方法、教育資源、評価のいずれを見ても十分に確立されたとは言い難い状況です。実際には地域枠も含めて地域医療を指向する医師のその卒前・卒後教育、キャリアパス支援などについて十分に吟味された全国的な指針がないのが現状です。
そこで私たちは、次の事象の必要性の観点から地域医療教育について教員、及び実習指導者の間の情報交換や協議の場が必要と考えるに至りました。
1. 地域医療教育の目標を明確にする。
2. 地域医療教育の企画・実施の方法について議論を深める。
3. 地域医療教育の成果を評価する尺度を決める。
4. 地域医療教育を担う人材の育成について協議する。
5. 地域医療教育を担う講座・部署の安定的な存続と発展を図る。
6. 将来の進路を問わず、医学教育の一環として、地域医療について学ぶ環境を整備する。
以上を鑑み、ここに全国地域医療教育協議会の設立を呼びかけます。
2011年5月30日
発起人 阿波谷 敏英
井口 清太郎
大脇 哲洋
梶井 英治
竹内 啓祐
谷 憲治
長谷川 仁志
前野 哲博
前田 隆浩
山本 和利