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財団法人一新会は、眼科学の研究および国字改良に関する研究、調査、啓蒙およびその助成を行い、学術文化の向上発展に寄与することを目的として昭和37年に財団法人として認可、設立されました。
本財団の事業の内容は東京大学医学部 石原 忍 名誉教授の考案された石原色覚検査表の性能の維持、向上および色覚異常に関する医学的研究、社会的活動の支援を主な目的とし、あわせて日本国字の改良に関する研究調査、啓蒙であります。
「色覚」は物を見る機能(視力、光覚(明暗)、色覚の三要素に大別される)の一要素として、「視の質(Quality of Vision; QOV)」に関して重要なものであり、ひいては「生活の質(Quality of Life; QOL)」で重要な役割を担っている人間の五感の重要な要素であります。
この色覚はカメラのフィルムにあたる網膜を構成する視細胞レベルでの働きによるもので、この視細胞の特性は人によって異なります。多くの人では基本的な色(三原色:緑、黄、赤、デジタルカメラなどでのCCD素子でのRGBなどに相当)のすべてに対して一定の感受性がありますが、人によってはこれらの一部に感受性の低下などがみられ、色の見え方に差が出てきます。この差は実際の生活に大きな支障を来たすことは稀ですが、違いを認識しておくことは広い意味のQOLの維持、向上に意義のあることです。色覚の違いを評価する方法には様々なものがありますが、石原色覚検査表はその優秀な成績のために国際眼科学会(1933年、マドリード、スペイン)において世界的な検査表として推奨され今日にいたっております。
現在、石原色覚検査表は広く、世界中で使用され、かつ眼科の教科書などにも引用され、本検査表を知らない眼科医、さらに医師は居ないと言っても過言ではないほどです。いわば、我が国から世界に向けて発信している知的財産の一つであります。こうした色覚検査表の質の維持、向上が本財団の中心的活動事業であります。また、本財団では検査表にとどまらず、色覚の研究ならびに色覚に関する社会的活動の支援を行なっております。
このように、石原色覚検査表の取扱説明書は英語で記載もされていますが、検査表そのものは国、人種、言語を超えて使用されております。一方で、日本語は限られた地域のみで流通しているにすぎません。エスペラント語に代表されるように共通の言語は人々の意思疎通に貢献し、人類の幸福に比類ない寄与が期待されます。そこで石原名誉教授はアルファベットをもとにした表記法を中心としての日本国字の研究をおこない、日本語がより広く世界に認知されることを考えられました。こうした経緯のもと、日本国字の研究が本財団の目的ともなっております。
こうした石原名誉教授の学術的業績に対し、昭和16年に学士院賞、昭和36年文化功労賞などが授与されました。本財団では石原名誉教授の業績の顕彰をもあわせて行なっております。
一新会 理事長 澤 充
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