遺伝性周期性四肢麻痺 Familial Periodic Paralysis
- 遺伝性低カリウム性周期性四肢麻痺
- 遺伝性高カリウム性周期性四肢麻痺
- Andersen-Tawil症候群
発作性の骨格筋の脱力を呈する疾患。 発作時の血清カリウム濃度により、低カリウム性と高カリウム性に分類される。発作は低カリウム性のもののほうが、持続が長く程度も強い。低カリウム性は高炭水化物食・精神的ストレス・運動後安静(翌朝起床時などに気づく)などが誘因となる。高カリウム性は寒冷暴露・運動(運動後30分〜数時間で出現する)などが誘因となり、眼輪筋・手指筋に軽いミオトニーを合併することが多く、下に述べる先天性パラミオトニーなどとも関連する疾患である。
なお、遺伝子異常によるものより、甲状腺機能亢進症などにともなう二次性のものがはるかに多く鑑別が重要である。主な原因遺伝子は、低カリウム性ではL型Ca
2+チャネルおよびNa
+チャネル、高カリウム性ではNa
+チャネルの遺伝子異常である。なお、カリウムチャネルの遺伝子異常に伴い、不整脈・骨格奇形を伴う周期性四肢麻痺もある(Andersen-Tawil症候群など)。
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非ジストロフィー性ミオトニー症候群 Non-dystophic Myotonia
- 先天性ミオトニー
- 先天性パラミオトニー
- Naチャネルミオトニー
筋強直現象(ミオトニー)を主症状とし、以下の筋強直性ジストロフィーと異なり、あまり進行性の筋萎縮がみられない疾患。なお、ミオトニーとは筋のこわばりのひとつで、手を強く握った時の開きにくさや、診察用ハンマーで母指球を叩打した時の筋収縮が有名である。
症状の特徴から先天性ミオトニー、先天性パラミオトニー、Naチャネルミオトニー(カリウム惹起性ミオトニー)などに分類される。一部では新生児期に喉頭痙攣をきたし新生児突然死症候群の原因となることが近年示された。
原因遺伝子は、先天性ミオトニーではCl-チャネル、先天性パラミオトニー、NaチャネルミオトニーではNa+チャネルである。
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