CADASIL情報サイト

CADASILとは?

CADASIL (cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy) は、主に脳の細い血管が障害されて脳梗塞が起こることにより、症状が出ます。 脳梗塞を繰り返すことによって体が動きにくくなったり、認知症になったりします。 また、多くの患者さんは頭部のMRI画像で白質病変と言われる異常が認められます(「診断参照」)。

1996年に、原因遺伝子として常染色体上のNOTCH3遺伝子が報告されました。 NOTCH3は胎児が成長するときに主に働く遺伝子ですが、成人では主に血管に認められて、血管の壁の正常な機能を保つ役割を果たしています。 遺伝形式が優性(※1)であるため、遺伝子変異を持つ親の子供は50%の確率でCADASILを発症することになります。 ただ、家系内に病気がはっきりとしない場合もあります。 これまで、色々な研究がされてきましたが、NOTCH3遺伝子の異常からCADASILの症状が起きるメカニズムに関してはまだよく分かっていません。


※1 すべての遺伝子は、父親由来と母親由来の1対ずつ存在しています。 この1対の遺伝子のうち、より強く外に現れやすい方を優性遺伝子、優性遺伝子があると外に現れない方を劣性遺伝子といいます。 遺伝子疾患を起こす遺伝子が優性遺伝する場合、父親・母親由来の遺伝子のうち、どちらか一方でも疾患遺伝子であれば、 その遺伝病を発症します。一方、劣性遺伝の場合は、父親・母親由来の遺伝子両方が疾患遺伝子でなければ発症しないため、非常に稀です。