さらば隣のおじさん達:PCRが生んだ偽のパンデミック
−5類扱いが医療を救う−
医師は検査をどう利用するかのプロです。どういう状況でどんな患者に使用して,その結果,どのような判断をするのか,十分理解して,利用できなければいけません。患者の希望があれば検査をして,陽性なら「インフルエンザです」,陰性なら「インフルエンザではありません」ということなら,隣のおじさんにもできます。医師免許など必要ないでしょう。(名郷直樹 迅速検査を利用するプロの医師として)
要約:新コロが季節性インフルエンザと同等,あるいはそれ以下の脅威であることは,もはや疑いのない事実である。にもかかわらず新コロが未だに偉そうにのさばり続けているのは,マスゴミの炎上商法,いわゆるインフォデミック=偽のパンデミックのおかげである。そのインフォデミックの脚本を書くと同時にプロデュースしたのが隣のおじさん達である。彼らは指定感染症2類相当を黄門様の御印籠よろしく,@それまで我々が培ってきた伝統的な臨床診断手法を否定し,A偽陽性率95%(つまり特異度がたったの5%)のPCRを,事前確率がゼロに近い集団にまでスクリーニング手法として適用し,さらにはBマスゴミがPCR陽性者を全て「患者」と決めつける偽装工作を支持し続けてきた。その結果我々は鬱病,失業,自殺といった重大な社会損失を蒙った。新コロを5類にダウングレードさせる理由は数々あれど,もはや2類相当を維持する理由は一切ない。Cそれどころか,新コロを2類扱いしたがゆえに,「医療崩壊」が生まれた
気のあった友人達との食事,ライブハウスでの音楽,多忙な毎日の後の小旅行。日本国憲法はこれらのささやかな幸せを保障している(* 第13条 幸福追求権,第22条 移動の自由)。そんなささやかな幸せを願う我々を,隣のおじさん達一味(マスゴミや自粛警察)は「非国民」呼ばわりしてきた。しかし新コロも第3波,仏の顔も三度である。我々がこれ以上サイレント・マジョリティを気取る理由はこれっぽっちもない。直接原因とする死者数がインフルエンザを超えることがなく,さらには超過死亡さえも示さない新コロを2類相当に止めておく理由も,これっぽっちもない。
(ここまで読んでいただければ,私が言いたいことはわかっていただけたと思います。下記は上記要約の医学的背景を解説したもので,どちらかというと医療専門職向けですが,そうでない方でも,お時間のある時にどうぞ。よくわからない所は飛ばして読んでもらって結構です。それだけでも,新コロやインフォデミックに対する理解が深まるでしょう)
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似非臨床の出現と隣のおじさん/PCRの大量発生
病歴→診察→検査。これが臨床診断の根本原理である。各段階には事前/事後確率がある。もちろん病歴にもある。病歴の前には予診票確率がある。そして病歴を聴取した後に形成される病歴後確率=診察前確率診断によって初めて,何千何百とある診察手技のなかから診断をさらに絞り込むことができる。こうして形成された診察後確率=検査前確率に基づき,必要な検査が決まる。この根本原理を逸脱した診断を臨床の消失と言わずして何と言おうか。その臨床の消失が,今日,この日も世界中を覆っている。あまりにも普遍的になってしまったため,臨床の消失がそれと認識されなくなってしまった。そして臨床が一旦姿を消した後に大量発生したのが,新コロのRT-PCR検査(以下PCR)とそのPCRを唯一の売り物にする似非臨床師,つまり隣のおじさん達である。
体温が37.5度ある,咳が出る,くしゃみが出る,鼻水が出る,昨晩のスープが薄味だと指摘したら,「コロナじゃないの?」と家人に言われ怖くなって受診した・・・・今時はどれも予診票にリストアップされている。どれか一つでも相当すれば,文字通り有無を言わさず鼻の穴に綿棒を突っ込まれる。そして今では数日後まで結果を待つ必要さえ無くなった。「陰性」と聞いて,ほっと安心して家路につく。感激の余り,涙さえ出てくる。とにかくコロナでさえなければ,後はどうでもいい。そんな暴挙が,今日,この日も世界中で闊歩している。救急外来に運び込まれた昏睡患者の病歴も知らず,診察もせず,直ぐさまMRIに突っ込んで,脳に異常がなければ後は野となれ山となれ。そんな病院は世界中どこにもない(はず)なのに。
PCRが創作した「感染爆発」 現行のPCRが抱える数々の問題点については,次の記事がわかりやすくまとめている→Rethinking Covid-19 Test Sensitivity ― A Strategy for Containment. N Engl J Med 2020; 383:e120 DOI: 10.1056/NEJMp2025631
やはり現行のPCRを感染の連鎖を絶つ目的で使うのは非現実的だろうというのが結論である。それに代わる可能性のある抗原検査についても言及しているので,興味のある方はどうぞ。
@新たなRT-PCR法開発の難しさ:そもそも新興感染症のRT-PCR法の組み立てもバリデーションも容易な作業ではない。以下,「RT-PCR法によるSARSコロナウイルス遺伝子の検出」より
−PCRの感度は使用する酵素のメーカーやPCRチューブの材質、サーマルサイクラーの機種によっても大きく影響を受ける。
−使用するプライマーセットによっては偽陰性による見落としの危険性がある。
−一方,非特異的産物による偽陽性の危険性もある。
ACt値と偽陽性率:たとえ@をクリアしたとしても,Ct値の閾値と95%という偽陽性率の異常な高さの問題は残る。
B隣のおじさん大量発生:このような偽陽性率の異常な高さが見逃された背景には,PCR法の結果そのものをgold standardと誤認した,つまりPCR陽性は全て患者と考える,隣のおじさんの大量発生がある。その意味では「無症状性病原体保有者」という呼び方もまた間違っている。なぜならばPCR陽性者が保有しているのが「病原体」かどうかさえもわからないからだ。。
C世界中から臨床が消えた:これほど特異度の低い検査法が世界中でスクリーニングの手段として跳梁跋扈している。これを臨床の消失と言わずして何と言おうか。
D患者の偽造と感染爆発の創作:こうして本来の偽陽性者が真の陽性者=患者として偽造され感染爆発が創作された。
新コロの化けの皮
@死者数はインフルエンザを超えない:新コロデマゴーグの最大の特徴は決してインフルエンザによる死者数に言及しない点にある。2020年2月半ばから同年12月までの10ヶ月間余りで,COVID-19による死者数は3305人(20/12/28現在),2018/19,2019/20シーズン(各6ヶ月ほど)のインフルエンザによる死者数と同程度である。すなわち,現在我々が直面している様々な問題の原因はCOVID-19の生物学的脅威に由来するもの「ではない」。
A超過死亡もなし:さらに,新コロには兄貴分であるインフルエンザのような超過死亡を生む威力さえない。インフルに遠く及ばない格下のチンピラ野郎。それが新コロの正体である。
インフルエンザでもスクリーニングは無意味
@インフルエンザではスクリーニングはやっていない:インフルエンザでは検査によるスクリーニングはやっていない。これはスクリーニングが「できない」のではなく「やる意味がない」からだ。下記に示す通り(隣のおじさんではなく)医師が患者の話を聴き,診察をすれば,80%という検査前確率が確保されるから,感度50-70%の検査などやる必要がないのである。一方,新コロのPCRの感度については上述した通り,せいぜい70%程度なので,これをスクリーニングに使うこと自体,隣のおじさんの何よりの証拠。
A基本に忠実=エビデンスを踏まえた診療:病歴を聴取し,診察をしてインフルエンザかどうかを見極める=検査前確率を高める←インフルエンザの流行期に熱と咳があれば,事前確率は79%,熱だけでも77%,咳だけでも69%。(流行期のインフルエンザ診断[第2回] 診断に関するエビデンスの検索)
B検査の感度は50-70%:インフルエンザの検査(PCRではなく,抗原検査である)の感度は50-70%程度,それにたいして特異度は98%。
C検査前確率だけで79%もあるのだから,検査でスクリーニングをやる意味が無い。
新コロを2類→5類感染症にする意義
@諸悪の根源となっているPCR法によるスクリーニングの廃止
Aインフォデミックの根絶とマスゴミの炎上商法に起因する医療危機の回避
B本来の臨床,すなわち季節性インフルエンザで行っている日常診療の復活
Cインフォデミックが引き起こした,鬱病,失業,自殺といった重大な社会損失がこれ以上拡大するのを回避する
→PCR依存症の病態
→COVID-19流行下における自殺者の動向
→恥を知れ!−新コロデマを垂れ流す爺・オヤジどもに告ぐ−
→保健所からも悲鳴が
→コロナのデマに飽きた人へ
→表紙へ