堕落した検察官の教育
検察官教育における当事者意識
検察官が傲慢を通り越して堕落してしまったと私が考えるのは,北陵クリニック事件の再審開始活動を通して,彼らの異様な行動を目の当たりにしたからだ.私を藪医者呼ばわりし,あまつさえ神経難病患者の人権を蹂躙しながら今日も何事もなかったように仕事を続けている.これを堕落と言わずして何を堕落と言おうか.何も北陵クリニック事件に関わる検察官だけがとびきり堕落しているわけではない.それは弁護士の目の前で裁判官を騙して冤罪を創ってやると宣言する検察官が何も処分を受けていないことからも明白である.
捏造診断を笠に着る検察官と裁判官
北陵クリニック事件で一介の麻酔科医が捏造した筋弛緩剤中毒というガセネタを支持する医師はもはや世界中に誰一人としていない.「こんなのが筋弛緩剤中毒のわけないだろ,池田君,MELAS (Mitochondrial myopathy, Encephalopathy, Lactic Acidosis, Stroke-like episodes)に決まってるじゃないか」とは,ミトコンドリア病の世界的権威で,私に筋病理を教えてくださった恩師,埜中征哉(のなかいくや)先生である.
私の神経学の恩師であり,沖中重雄先生の高弟である塚越 廣先生は,東京医科歯科大学神経内科同門での症例検討会で私がこの事件の症例を発表した際に「検察は何を馬鹿なこと言ってるんだ.あんたが教育してやれ」と私を叱咤激励してくださった.
再審請求審で検察側証人として意見書を提出した後藤雄一氏(国立精神・神経医療研究センター)は埜中先生のお弟子さんである.その意見書には筋弛緩剤中毒の「き」の字もなかった.そして末尾には「ミトコンドリア病を否定できない」とあった.