医師達はいかにして検察を騙してきたか
序
殆どの医者は政治家や警察・検察と関わりたいとは思っていない.ところが検察や警察が,その権威を利用しようと医者に近づいてくることがある.一方,報道機関はそんな検察や警察の動きを監視するどころか逆に見て見ぬふりをする.だから,検察や警察と結びついた医者の破廉恥行為は決して報道されない.その結果今日まで,一部の破廉恥な医者が検察を騙してきた(もちろん検察官が自分を騙してくれ,嘘をついてくれとお願いしているわけだが)事実が隠蔽されてしまった.その報道管制も今やネットの発達によって完全に破綻した.以下、日経メディカルオンライン掲載(2017/4/21)の記事である
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「一審の無罪判決直後に、親しいある検察官から夜に電話がかかってきて、『事件の記録は、俺もよく見た。確かに証拠から言って無罪だ』と言われた。けれども、その次のセリフが凄かった。『でも、これは筋から言って有罪。高裁でひっくり返してやる』と言われた。『なんですか』と。『証拠は無罪って、言ったじゃないですか。筋って、何ですか』と僕は怒ってしまった。でも実際、本当にひっくり返された」(東京地検公判部東京高裁出張所)
裁判官を騙す検察官、その検察官を騙す医師
「刑事裁判は全て冤罪である」。この元裁判官の言葉は、刑事裁判が冤罪リスクの管理の場であることを教えてくれます。冤罪の社会的影響は、被疑者に対して「ぶっ殺すぞ、お前!」と恫喝するより、はるかに甚大です。なぜなら冤罪は国家の一大不祥事であり、司法への信頼を失墜させるからです。(国家公務員法第 99 条 信用失墜行為の禁止)
しかし暴言検事はクビになっても、見事に裁判官を騙して冤罪を勝ち取った上記の検察官には何のお咎めもありませんでした。私を藪医者呼ばわりして検察への信頼を失墜させた検察官も同様です。検察庁は無医地区というだけでなく無法地帯でもあるようです。
ところが上には上がいるものです。古畑種基のように権威ある研究者・医師は、検察官を騙して冤罪作りの主導権を握ります。ロッキード事件で検事総長を頂点とする東京地検特捜部を丸ごと騙したのが喜多村孝一(当時東京女子医科大学脳神経外科学教授)です。彼は児玉誉士夫にジアゼパムとフェノバルビタールを注射することによって脳梗塞の診断を捏造し、特捜が政争の具に使われる道を開きました。
北陵クリニック事件で筋弛緩剤中毒なる診断を捏造した橋本保彦は、当時東北大学医学部麻酔科学教授でした。一方、一介の矯正医官は検察官を騙すような恥知らずな真似は決してしません。逆に教育に情熱を注ぐ検察官思いの毎日を送っています。
「薬害」の報道利権化
1980年代前半に単位人口当たり日本の2.3倍に相当する8000人もの血友病HIV/AIDS被害者出した米国。その米国でFDAとバイエルが結託し、自国内で使えなくなった非加熱製剤をせっせとアジアに輸出し続けました。それが「薬害エイズ」の正体です。刑事裁判にこそなりませんでしたが、市民団体が「薬害の原点」と呼ぶところのサリドマイド問題でも、メディアはいまだに米国での被害や日本を上回る世界各国での被害を隠蔽した気になっています。
「ディオバン事件」で「薬害」の報道利権化と冤罪作りに使われた仕掛けも「薬害エイズ」と瓜二つでした、メディアの大々的なキャンペーン、それを主導したジャーナリストへの栄えある賞、海外の黒幕の隠蔽、市民団体による企業の断罪.
そして検察側証人として、かつての大切な仲間を凶悪犯罪者と断罪した医師達。過去,古畑、喜多村、橋本は事件報道に便乗する形で確信犯として証拠を捏造し、検察を騙しました。一方、事件報道が特定の医師集団を吊し上げる時に、そこから逃れるために検察におもねる日和見主義者の医師もいます。
主任教授が点滴当番との「証言」
「薬害エイズ」裁判における「殺人鬼安部英」シナリオを提案したのは、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著書(現在は『法医学の話』と同様に絶版)で勇名を馳せた「
件の「ジャーナリスト」が「笑止千万」と表した裁判で、患者さんの診療に直接携わらない安部氏が問われたのは業務上過失致死罪でした(告訴は殺人罪)。そこで「主任教授が点滴当番やっていた」という、究極の”無理ゲー”シナリオ作成に多大な貢献をしたのが、安部氏の部下だった松田重三、木下忠俊の二人の医師でした。彼らは検察側証人として「業過罪の真犯人は安部に間違いない」と証言しました。正に笑止千万です。
この笑止千万証言を受けた特捜検事は、今度は自分達に不利な証拠を隠蔽して裁判官を騙そうとしました。密かにフランス、米国に渡航し(もちろん国費で)シヌシ、ギャロ両博士に嘱託尋問を行ったところ、安部氏が無実であることを立証する内容だったので、その調書を隠滅しようとしたのです(関連記事)。これまた笑止千万です。冒頭の言葉は決して一部の特異な検察官の姿勢ではなく、特捜を含めて多くの検察官が共有する、笑止千万の検事魂であることがわかります。
「検事は、だまされ、だまされて成長する」
これは喜多村にまんまと騙されたロッキード事件特捜検事で、後に検事総長となった伊藤榮樹(しげき)の言葉です。しかし何度騙されようとも、騙されたと自覚できなければ成長できません。いまだに「薬害エイズ」裁判での大失態を認めようとしない検察官達の医学教育は、病棟で誰が点滴当番をやっているかを見せることから始めなければなりません。
一方、市民はどうでしょうか?ロッキード事件でも、「薬害エイズ」でも、新聞記者達が提供した「愚か者には見えない立派な衣装」を喜んで購入してしまった点では市民も特捜検事も変わりません。しかし、市民の場合には病棟見学が必要とは思えません。そして騙されて成長するのは市民も同様です。だとすれば、裸の王様と市民のどちらの成長が早いかは、王様以外の誰の目にも明らかではないでしょうか。
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