「最先端CT研究会」の発足にあたって

 放射線医学の領域では、それぞれのmodalityごとに幾つかの学会があります。例えば、超音波医学会、磁気共鳴医学会、核医学会、IVR学会などです。しかし、CTに関しては、放射線技師さんが撮影技術を主に検討している研究会はありますが、臨床活用の議論を主目的とした会はほとんど無いように思います。これはCTがあまりにも当たり前のように日常において活用され、適応があらゆる疾患に及んでいるためかもしれません。
 近年、Dual Energy CT、4D-CT、超高精細CTなどの新たなCT技術が登場してきており、多くの方が、これらを導入することで臨床がどのように変わるのかという点に興味を持ってきているように思います。このような状況を考えると、新しいCTの臨床現場での活用法について、一堂に会して議論する会の必要性が高くなってきているのではないかと思います。
 そんな折、複数の企業から最新CTの臨床応用を議論する場を作って欲しいという要請がありました。そこで、新たなCTの研究会の立ち上げを検討してきましたが、採算性の懸念などもあり、さしあたってAdvanced Medical Imaging研究会の下部組織として「最先端CT研究会」を立ち上げることに致しました。
 少人数でのスタートになると思いますが、この研究会を通して、新しいCTの臨床応用や適応について議論する輪が少しずつ広がり、やがてはCTの進歩や新たなCTの普及に貢献できますことを願っております。

代表幹事:陣崎 雅弘(慶應義塾大学医学部 放射線科学教室(診断))
村上 卓道(神戸大学大学院医学研究科 放射線診断学分野)