RSS1.0 時評 s-jis。えっ!東芝。ええっ!東芝。切磋琢磨、原子力輸出


グンゼとSiC

2012-07-31

半導体ではなく、燃料被覆材料としての利用。高温ガス炉ではミリ以下の粒子を被覆するのに使うのだが、記事をウワベで読むと、軽水炉の燃料棒らしい。本当かな?

燃料被覆管材料として現在使われているジルコニア合金は急激な温度上昇によって燃料プールの水の酸素と反応しやすく、水素の発生が懸念されている。これに対してSiC繊維は酸化しにくく、放射線の影響も受けにくい。早ければ2014年度に実証試験を始める見通しだ。  グンゼが開発に取り組んでいる燃料被覆管は、SiC繊維とSiC粉末を用いた複合材料。積層、焼成プロセスを経て被覆管にする。炭化ケイ素を使用することで耐久性が増すとともに、繊維化することで軽量化できるメリットもある。(日刊工業新聞2013-09-10

アルゼンチン原子力発電公社が、ATMEA1炉の入札資格を認定

2012-07-31

三菱のpdfにはそう書いているのだけど、今までの実績が重水炉だし、競争入札の当て馬のような気もする。ここで濃縮の必要な加圧水炉を1個だけ立ててもどうなることやら?
フィンランドの欧州型加圧水炉は2014年以降に遅れ、ヨルダンもATMEAの原子炉を建てるにはシリアの不安定な状況に押され、事業の進捗は霧の中としか言いようが無い。
ロシアや韓国、中国などのアルゼンチン詣でもあるが、フォークランドなど微妙でデフォルトも多いアルゼンチンに耐えられるのは、ロシアのような気もする。


おれおれ、実廃液

2012-07-31

温度管理と定期的な洗浄を繰り返す事で、白金族の沈降・堆積を回避する事が出来た。白金族は資源として分別する時代が訪れる日もあろうが、とりあえず、ガラス固化体として眠りについてもらう。

まだ模擬廃液

2012-06-24

高レベル廃液ガラス固化建屋 ガラス固化設備における模擬ビーズを用いた作動確認として、ガラスの流下を5バッチ実施し、運転方法改善を目的として追加設置した温度計などの設備の作動に問題がないことを確認したことから、本日8時00分より模擬廃液を用いた事前確認試験を開始しました

6月18日 ガラス溶融炉B系列の模擬廃液を用いた事前確認試験開始について


「もんじゅ」炉内中継装置の機能確認終了(6/19~6/21)

2012-06-24

もんじゅは、6月21日迄行われた国による検査をもって、炉内中継装置の機能確認を終えた。これが動かないと廃炉もできないという困難な故障だった。燃料も取り出せないからだ。(敦賀本部週報2012年6月22日)


サンオノフレ原子力発電所

2012-06-24

2月に細管から放射能漏れをおこした、サンディエゴ近郊の原子炉、2010年に装着されたばかりだった。「取替用蒸気発生器は、伝熱面積及び重量が国内向け蒸気発生器のほぼ2倍と超大型のものであり、国内で使用されているものとは仕様及び条件が異なっております。(MHI 2012-06-20)」「胴部の外径が最大約7m、重量は約580トン、伝熱管本数は約1万本で、国内向けの標準機種と比較してサイズ・重量で1.5倍以上、伝熱管本数で約3倍と世界最大級。」とは言うものの、大型エンジンを作れなくて成功をおさめられなかった第二次大戦の戦闘機じゃないの?大きいもので成功しないと、APWRも陽炎になってしまう。


寄り道はしないヨルダン

2012-05-01

ヨルダンは前々から、ロシア炉と三菱/アレバの合弁のATMEAのいずれかを考慮して、原発建設を検討してきた。ATEMAは2012年2月に仏政府の安全性審査を得た。また、政治的混乱と福島の影響のために延びていた、日本とヨルダンとの原子力協定も2012年1月に効力発生した。
ヨルダンの原子力機関は先の2つの型を前提に2013年の着工を検討している。
一方、韓国を振って日本の東芝になびいたトルコは福島の余波を大きく受けている。2012年の4月トルコ首相の訪中の際には、日本でも韓国でもなく、中華人民共和国からの導入も話題に出たようだ。韓国でも、互換性部品の製造でスキャンダルになっており、日本でなければ韓国という様にはすんなり行かないようだ。


あっちむいてちょんちょん、こっちむいてちょん:TVO

2012-04-25

どっちが正しいの?とおもっても、両方正しいんだろうな。
テオリスーデン・ヴォイマ社(Teollisuuden Voima Oyj (TVO))は、フィンランドで原発を運転している、オルキルオト3号機は欧州型加圧水炉として先頭を切っていた。しかし、建設コストが嵩んできた。4号炉については、三菱日立GEにも先行エンジニアリング契約を締結した。
筋がいいなら、アレバ1択だったのだろうけど、嫌みの応酬としては、両者を含む、5陣営からアイミツを出させるところから、はじまるのだろう。それにしても、東芝は昔の発表しか見当たらない。
リトアニアやポーランドが好調といってもGEHがアゲアゲとも思われない。


増殖炉ではなく高速炉

2012-04-25

GEHは高速炉PRISM英国のプルトニウム消滅に協力出来るか国立原子力研究所(NNL)と覚え書きを交わした。ワンスルーは理想だが、既に抽出してしまったプルトニウムがある、またロッドに覆われていない溶融した燃料棒はなんらかの措置が必要である。その点、高速炉で燃やしてしまうのは、筋がいい。もっとも、Na炉は筋が悪いので、やはり軽水炉での高速炉:低減速炉を頑張ってほしい物だ。


日経、良く読め!

2011-08-26

日経は飛ばすのが好きだ、三菱重工との日立との経営統合とか。今回も、日立とカナダの州政府との協約を飛ばしている。

今回の1,000万カナダドル(約7.8億円*2)の投資は、今年初めにサスク州政府が発表している、放射線を利用した検査・医療技術や材料科学の研究機関設立のための3,000万カナダドル(約23.4億円*2)、サイクロトロン*3科学の研究機関設立のための1,700万カナダドル(約13.3億円*2)、救命医療用アイソトープの研究支援のための1,200万カナダドル(約9.4億円*2)、サスカチュワン大学でサスク州初となるがんや心臓疾患の診断・治療を行うPBT/PET*4設備開発のための1,010万カナダドル(約7.9億円*2)の投資に基づくものです。

英語が出来ないのは、国語力がないからなんだろうけど。日経の見出しは、

日立・GE、カナダ州政府と小型原子炉開発

日経2011/8/26 10:26開発する小型炉は出力30万キロワット程度で、現在主流の大型炉(100万キロワット級)の3分の1以下。日立が中心となって開発してきた小型沸騰水型軽水炉「DMS」Modular Simplified and Medium Small Reactor[pdf]をベースにする。大型炉に比べて機器類が少ないため、故障や誤作動による事故の可能性を低減できるほか、建設期間の短縮などを通じコストの抑制も期待できる。

しかし、カナダの各新聞は、日立が協力を求められたのは、陽子線の医療器械などがメインであって、次がウラン鉱山開発であり、

However in a news release[pdf], the government said " although any decision on whether to pursue nuclear power in Saskatchewan is still many years away."
Following a series of public hearings at which many people said they were opposed to nuclear power plants, the debate about large reactors died down.CBCカナダ放送協会

大型炉は死んだけれど、小型炉がどうなるかは判らない。判らないから研究はしておくけど、買うか買わないか決めるのすら、でもずいぶん先の事だよ。
そういう積もりである。mPowerみたいに明日のご飯のネタではない。
破談にしたくて、日立を弄っているなら、長谷川公彦さん(本名)なみorz。風説の流布。
8月4日にも、本体の経営統合とか煽って、結局水力発電のコジンマリとした統合だった。


どっこいしょ

2011-06-22

炉内中継装置の引抜きに向けた工事の開始しており、作業が徐々に佳境にはいっている[pdf, tiff]。

炉内中継装置の引き抜き

めばえ

2011-06-22

工学的に再現性があるから福島第一の事故は連鎖したんじゃないか?SMRをクラスターしたって再現性のある事象では一度に支障が生じてクリスマスツリーになると思うぞ。分散型は分散。

テネシー川流域開発公社は既に3つの原発を抱えている。最新のものはWatts Bar2ウェスチングハウスが建設中である。またBellefonteに計画中である[pdf]
それらに加えて、小型モジュール炉のmPowerの設置に動き出した。
TVAは30GW強の需要に応えているが、2029年までに40GW強から最悪50GW弱の電力供給が必要になると検討している[pdf]。様々なソース特に石炭火力や天然ガスも検討しているが、前者は硫黄酸化物など後者は十分な供給が得られるかという疑問に十分応えられていない、再生可能エネルギーなどについても20GWの積み増しには地域のバイオマスなどでは補いきれないと見越している。Yellow Creekに既存の大型原子炉を検討したが、それも困難としている。[pdf]
TVA, B&W, GmPの三者は、2020年にClinch River siteへのmPower炉の設置に向けて動き出した。


エネ特

2011-05-13

「脱原子力」を行うには、短期的には化石燃料の手当が必要である。日本の商社はLNG1000万トン、IEAの試算では石油の追加需要は一日20万バレルというから石油1000万トンが余計に必要になろう。石油石炭税は合わせて300億円になる。一方、電源立地などに掛けられている電源開発促進税(1kwh当り40銭):3,480億円は15%から25%節電で失われる。概算400億円がエネルギー特別会計からはマイナスになる。

100万KWの発電所を1年間運転するのに必要な燃料から入る石油石炭税

消費量税率[+23年10月から増税]税額
石炭では221万トン石炭「700円(1トンあたり)[+220円]」15億4700万円
石油では143万トン原油及び石油製品「2,040円(1キロリットルあたり)[+250円]」29億1720万円
天然ガスでは93万トンガス状炭化水素(天然ガス・LPG・LNG)「1,080円(1トンあたり)[+260円]」10億440万円

思ったほど、経済産業省に得は無いようだ。一方確実に外貨は流出して行く。


負けて悔しい、花一匁。相談しよう、そうしよう

2011-04-28

福島第一原子力発電所の支援対策について 日立と三菱重工が共同で具体的な検討を開始2011-04-27

同じサイトだから一緒にやろうという東芝からの誘いには目も呉れず、三菱重工と相談。蜜月に終止符というタービン畑の話は、事業統合した水力と違っているのか。焼けボックイだろうが、尻だろうが、火はついた?


ちいさきものは、みなうつくし

2011-02-17

なぜ原子炉が巨大化するかというと、スーツの仕事が面倒だからである。サイトの選定、地元との交渉、反対するのを生き甲斐にしているヒトとの折衝…。
一基の巨大な原子炉を作る鍛造力や系統の許容度があれば、大きい事は良い事だにつながる。
しかし、そんな大きなものは作れないよとか、文句を付けるヒトは居ないよとか、環境が許容すれば、小さいものでもかまわなくなる。
small modular reactor(SMR)は小浜オバマのFY2012原子力戦術の一つである。
振り返ってみるに、小さい原子炉を扱い慣れている。潜水艦や空母などは、発電出力100万kwなどではない。そんな廃熱があれば原子力潜水艦は見つかってしまう。そして、つくり続けてきた。B&Wは、スリーマイル原発の会社でもあるが、海軍の原子炉を担ってきた。その会社が出してきたのが小型の加圧水型原子炉mPowerである。標準的な商業用加圧水型原子炉の燃料集合体一つが納まるモジューラ炉になる。同様にオレゴン州立大学などのMulti-Application Small Light Water Reactor(Final Report)技術をもとに、NuScaleも小型の加圧水型原子炉を提案している。
ナトリウム冷却炉も候補に挙がっており、東芝の4Sやキャンドル炉に相当するものも提案されているが、許認可などのスーツの仕事や既存の製造インフラを考えれば、NuScaleとmPowerはHPやdellのノートパソコンが電算機を蹴散らしたように、巨大原子炉を払拭する可能性を秘めている。WHもAP1000を小型化した原発の検討を行っている。いずれも燃料が下部にあり軽水が上部にある蒸気発生装置のコイルに上って行って、そのあとポンプで下部の燃料集合体に戻る形になっている。
昔は東芝もメインフレームの電算機を生産していた。日立はプリウスをやめてメインフレーム一本らしいが。(原子力海外ニューストピックス2010年第4号pdf、東京電力海外エネルギー情報2010年4月2日)

mPowerもNuScaleは通常の5%程度の濃縮ウラン燃料棒を使う事で、早期に承認をえることに注力しているが、出資や注目を集める過程でトリウム・ウラン混合燃料の可能性について語っている。これを読むにつれて思うのは、米国の帝国主義・覇権主義である。トリウム燃料に混ぜるウランは20%弱の濃縮ウランである。それをイランやヨルダン、韓国に許していないのは米国である。プルトニウム・トリウム混合燃料を構想しても、日本にはプルトニウム単独での抽出は許しておらず、MOX燃料の製造をするのにフランスなどの技術をスムースに導入できない工夫を強いられている。
然るに、民間の小型炉での米国製品については構想に含ませる事を佳しとしている。トリウムをブランケットにして中心に20%濃縮ウランを装填するLightbridgeの構想は、通常の加圧水炉を対象にしているが同じ事である。


┗(^o^ )┓クレーンゲーム代9億4千万円

2011-02-05

機器を開発した東芝が9億4千万円で修理を請け負う。装置を落としたつり上げ器具も東芝製だが、核防護上、東芝が請け負う

一方、炉外燃料貯蔵槽が空気に触れないよう密閉するプラグの取扱機の分解点検中、ドアバルブの密閉度合いを確かめる配管3本が引きちぎられた。ドアバルブをクレーンで持ち上げた際、バルブに固定されていた配管が引きちぎられた。本来なら配管を取り外してからつり上げなければならないが、手順書には逆に記載されていた。(SANKEI 2011-01-29)


かなりの未来のナトリウム冷却炉と核燃料サイクル

2011-01-10

高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCT)プロジェクト評価委員会第二回
日立はA42枚で文字だけ188KB、翻って東芝はコンテンツリッチで「1600KB」フロッピー(死語)に納まらない。
もんじゅの拡大版だけでは困る。会社として要素開発したナトリウム電磁ポンプを取り込んで呉れないと哀しい。回収ウランも軽水炉との過渡期には大切な資源でありリサイクルで高除染した仕組みを組み込んで欲しい。電解還元ウラン抽出法による高除染U回収、シュウ酸沈殿法によるPu及びMAの回収を組み込んで欲しい。
言える場所で言っておかないと前には進まないからな。


またクレーンゲーム頑張るよ┗(^o^ )┓頑張るんだよ

2010-12-31

「もんじゅ」の炉内中継装置を燃料出入孔スリーブと一体で引抜くことを決め、アルゴン雰囲気のまま引き上げるよう、提灯のように伸びる簡易キャスクを引き抜き、出入孔閉止プラグでいったん閉鎖し、その後燃料出入孔スリーブとドアバルブなどを設置する。[「もんじゅ」炉内中継装置落下関連情報pdf2010-12-16]

それに比べて、HTTRは耳目を集めないまま、淡々と事故時のための試験をこなしている。
高温ガス炉の冷却能力の喪失時における安全性を実証する試験を開始-第1回目の炉心流量喪失試験を終了-(平成22年12月22日)。炉出力約30%(9MW)が今回の試験、さらに高出力での炉心流量喪失試験や、原子炉圧力容器周りに設置される炉容器冷却設備を同時に停止させる試験炉心冷却喪失試験へ駒を進めて行く。
軽水炉では、こういう試験を踏まなくても教えてくれた。しかし、フロンティアでは誰かが試さなければならない。


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