切磋琢磨、原子力輸出 RSS1.0 時評 s-jis


備えアレバ…聞いてねぇよ!ヨルダン

2010-12-23

ヨルダンはアカバ湾に面した発電所立地を考えてきたが、2010年12月に入り、高圧線網が要るから350km首都から離れた当初の立地から、首都アンマン北東40kmのマジダール(Majdal)へ変更したと伝えられる。入札は2011年の3月このタイミングで冷却水が2200万トンしか確保できない砂漠の真ん中の仕様に変更しろというのはなかなか厳しいものだと思う。
 ヨルダンはリン鉱石でしられるが、天然ウランの鉱床もあり、自給を目指している。しかし、シリアなどの周辺国の事情を勘案して、米国はヨルダンとの原子力協定交渉で濃縮を許していない。日本も全農の子会社がリン鉱石を肥料にして買っているが、昭和30年代前半の原子力白書などをみると涙ぐましい記載がある。

Th-232系列核種及びU-238系列核種のBSS免除レベルである 1 Bq/g(それぞれTh-232、U-238として)を目安値とするとリン鉱石はヨルダン産、モロッコ産のものだけが目安値を超えていた。0.01〜0.05%程度のウラン分を含有してわが国に輸入される燐鉱石は年間150万トンに達し,これを無為に流失することは,いまだウラン地下資源を十分に確保していないわが国においては,みのがすべからざるウラン資源ということができる。このため,昭和29年度から,燐鉱石よりウラン抽出に関する研究が実施され32年度をもつて検討が終了した。

備えアレバ、憂い無し

2010-12-07

ゴアとムンバイの中間にある、インド洋に面した町、マハラシュトラ州ジャイタプールのサイトに6基予定されている原子炉の最初の2基は欧州型加圧水炉EPRに決まった。25年の燃料供給が対になっている。

またクレーンゲーム頑張ったよ┗(^o^ )┓頑張ったんだよ、その2

2010-10-30

日本のニュースサイトは第二サイトこそ日本が優先交渉権をベトナムから得るだろうと言っている。
しかし、欧米のニュースサイトは拡大ASEAN会合にあわせて10/30-31とベトナムを訪れるメドベージェフがサインすると書いている方が多い(Googleニュース英国版検索でロシア274に対して日本は4でしかも4つ全部東京発である。これは最初のサイトの話と思うが、さて釜の蓋はどう開くか…なお露大統領は11/1に国後に降りるらしい。


またクレーンゲーム頑張ったよ┗(^o^ )┓頑張ったんだよ

2010-10-24

「13時01分、現場操作盤において「荷重超過」の警報(グリッパ荷重の指示値の増加)が発報しました。警報 発報に際し、予め定めた手順(荷重警報の設定値を100kgずつ上げて引抜 く操作を繰返す)によって作業を継続しましたが、引抜けないことから、19 時20分、引抜き作業を中断いたしました。本日、炉内中継装置を元の位置に 戻し、ドアバルブを閉め、作業を終了いたします。」よ〜(平成22年10月13日
洗濯バサミみたいな摘まみ上げ機構の先っぽのせいじゃなくて、力がかかったから抜けて落ちたんだよ
何らかの原因で炉内中継装置案内管接続部近傍が、原子炉容器の蓋であるしゃへいプラグの孔に差し込んでいる燃料出入孔スリーブの最下端部の狭隘になっている箇所と干渉している可能性があると考えています。 (平成22年10月19日
2.3m引上げた所で吊り加重が増加、3.7tの初期加重に対して警報設定値4.8tまで増加することから、作業を中断。片側2.5mmのスリーブ最下端の狭隘部が干渉していると考え、鏡等での観察を考慮する。(第27回もんじゅ安全性確認検討会資料
年単位の宙ぶらりんの悪寒、やっぱり重水をつかった新型転換炉が安全確実か

コンステレーション、1抜けた。欧州型加圧水炉

2010-10-03

コンステレーションは、合衆国東海岸に欧州型加圧水炉を建設しようと米エネルギー省に2005年申請を出すとしていたが、貸し出し条件が厳しいと取り下げた。一方、分散型発電請け負い会社のCpowerを手に入れた。
相対的なユーロ高があり世界的に建設ラッシュにあり資材調達も嵩むだろう、シェールガス革命での天然ガス相場の4割近い低下があり、分散先での自家発電やコジェネもかつての劣勢から回復しつつある。Cpowerは150万キロワット分の電力を供給しているが奇しくも原発1基に相当する。十年後の売り上げを今手に入れたとしたら語弊もあるが、国策とか言うドグマに捕われず、商人として潔い決断だ、ビジネスライクだというしかない。

米国の天然ガス相場 は 2 0 0 8 年 7 月の$1 3.6 9/MMBtu(百万 Btu)をピークに、 2 0 0 9 年 8 月には$3.3 1/MMBtu まで急落した(JOGMEC シェールガスのインパクト

またクレーンゲーム頑張るよ(TxT)

2010-10-03

「開閉ロッドとパワーシリンダを結合するU字金具のねじが緩んでいた」から落っこちた、「炉内中継装置本体を原子炉容器から安全に引き抜くことが可能であると判断」したから、「引っ掛かっていないことを確認しながら慎重に実施する」よ〜(平成22年10月1日


敦賀3・4号は、一次検査を突破できず

2010-10-03

炉のそのものの前に、どうやったら地震の事前評価ができるか、試行錯誤で遅れている。問題を先送りとか、デバイスラグとかいう。平成22年9月の本体工事着工は平成24年ともいわれ、ペーパーだとUSだのEUだの冠を付けたくても付けられない罠が待っている。


17x17の悲哀

2010-10-03

流量が少ないと肉厚の減小が少なくて済むが、4ループ炉で流速が速いとと抑えのバネと振動でフレッティング摩耗して痩せちゃうって困るな。まだウランリッチなのに燃料棒としての寿命はおしまい。(昭和51年の見込みpdf)(平成22年の反省pdf


原子力輸出会社

2010-07-10

東電関電中電日立東芝三菱重工業の6社で、平成22年秋を目途に設立する『国際原子力開発(仮称)(以下「新会社」)』の設立に向けた「準備室」を、本日付けで設置いたしました。[tepco 2010-07-06]

ベトナムをはじめ原子力発電新規導入国のニーズを踏まえて、日本政府による制度整備や資金等に関する支援を頂きつつ、我が国がこれまで培ってきた原子力発電所の建設・運転保守、人材育成等の技術・ノウハウ等を提案することを目指し、本年秋を目途に設立を予定しています。

でも、入札はやっぱり一緒じゃないのだから、ALL Nipponは、商売の邪魔だと思うぞ。


美浜一号二号、十年延長後の建て替えへ

2010-06-30

2010年6月28日 関西電力)国の認可を受けた長期保守管理方針の範囲内において、最長で10年程度とする運転方針を決定し、福井県ならびに美浜町、敦賀市にご報告しました。 (中略)美浜発電所1号機の後継機設置の可能性について検討を始めることとしました。

そういいながら、原電の敦賀一号は3号4号の審査などの遅れから、6年の延長戦を戦っている。「高経年化技術評価では運転開始から60年の運転期間を仮定して評価を行い」、10年でゴールを決められるかというのは、サイトの窮屈さからもすこし楽観的である。


スウェーデンの原子力発電、建て替え容認

2010-06-19

2009年から議論が続けられてきたスウェーデンの建て替え論議が、6月17日に議会で容認された。
30年前のスリーマイル島事件を受けてチェルノブイリの前から原子力の新規凍結と安楽死を狙っていたが、デンマークと30kmしか離れていない南端のBarsebackの2基を除き、低圧タービンの取り替え等出力増強を重ねた結果、4割が原子力発電により賄われている電力事情から、70年代の原子炉を建て替えて置き換えることを容認することとなった。隣国ノルウェーなどからの電気の輸入が行われており、174対172の僅差で与党が議決を通した。2名の造反者を出しており、今年9月の選挙で与党が議席を護る事が前提であるが、スウェーデンの政策変更は、同じ悩みをもつドイツにも参考になる可能性がある。


ああ苦しかった、喉に刺さったレンガが取れた。

日本原燃2010-06-17


EU-APWRの初手

2010-06-03

スペインの大手電力会社イベルドローラ社(Iberdrola)グループのエンジニアリング・建設部門を担う企業、イベリンコ社と覚書(MOU)を締結し、EU-APWRで協業、積極的な営業活動を展開していく[MHI 2010-06-02]。

わぁーん、鳩の舞で邪魔されて、株価に貢献しなかった(嘘)。ソブリンリスクをとるというのも、円キャリーも、為替が安いうちに仕込まないと、高値掴みは怖いですからね。


US-APWRの3枚目

2010-05-10

ヴァージニア州で3基目、2社目の受注を三菱が決めた。
ESBWRとの交渉を2009年末打ち切られていた、GE日立にとっては痛手。現在、英国での申請を留め置いて、人的資源を米国に振り向けて、認可を目指している。ポーランド等海外での受注も日立は始めているが、さて追いつく事が出来るか?
今は不況で、人件費も資材費もまだまだ高騰しきってはいない。金利は資源国を始めにジリジリ上がり始めている。ギリシアの件で国の体力に依っては債券がプレミアを必要とする。リーマン直後の流動性だけの問題でもなくなってきつつある。そういった理由が切り替えに走らせた。

Certification of the ESBWR "is moving along very well," said David Matthews, director of the Division of New Reactor Licensing at the NRC. It is also a blow because Dominion's Virginia plant was to have been a first-of-a-kind "reference" plant that would have been used as a model for each subsequent plant of that type built in the U.S. Thus, Dominion was responsible for completing the detailed design and construction drawings in concert with GE Hitachi.Without Dominion, GE Hitachi is left with Detroit-based DTE Energy Co. (DTE) as the only utility still considering building an ESBWR in the U.S. {WSJ 2010-05-07]

ATMEAの半分は兵庫で出来ている

2010-04-01

ヨルダンの応札は100万KW級で応札するらしい。でも、研究炉韓国の喰い込みを受けたら辛かろうに。おまけに最初から淡水化狙いならSMARTはドツボ[pdf]。
一方、来日中のヨルダン国王は中東和平の他、

アブドッラー国王から、両国関係は双方に利益をもたらし得る新しい段階へと発展させたい旨述べつつ、ヨルダンは原子力、水等の分野で大規模プロジェクトの構想を有しており、これは日本の産業界にとっても新たな機会となり得る旨述べました。鳩山総理より、ヨルダンの役割の重要性を踏まえ、引き続きヨルダンへの経済支援を行っていく方針を伝えるとともに、原子力発電所建設に関し、協力を深めていくためにも原子力協定の締結が必要である旨述べ、両首脳は原子力協定交渉の開始に合意しました。(日本・ヨルダン首脳会談平成22年4月2日

という、会談が行われました。

アカバ湾のサイトの地質調査は無事にGDF SUEZの手で終了し、日本大使によるATMEA炉の売り込みも行われつつある。[Jordan Times 2010-04-27]


川内原子炉2号機蒸気タービン取替

2010-03-25

1号機はすでにシーメンス社製に取り替え、2号機も平成22年度に取り替え工事をするために搬入したのか。三菱で占めていると思っていたけど。それより日立のタービンだよね(ry。


ベトナムはロシア炉

2010-02-12

イラン、インドに続いて、ベトナムもロシア型加圧水炉を採用した。
フランス日本も入れ込んでは見たけれども、Mig同様、ロシアが勝った。軍事援助も込みでの話らしい。
インドもイラン[pdf]も採用したがVVERは人気である。
地道な人材育成が功を奏するのはいつだろうか(MHIハノイ工科大で講義)、潜水艦なら神戸で作っているよ、蒸気発生機と一緒に問いたいけど言えない。(でっ、東芝

原発の事業主体であるベトナム電力公社(EVN)はこのほど、ズン首相に事業化調査(FS)をロスアトムに担当させる案を提出。首相は同案を近く承認するもよう。第1期工事の事業費は7500億円規模とされ、2014年着工、20年の運転開始を目指す。(NIKKEI 2010-02-09)

敦賀の先送り

2009-09-06

早く、APWRを見たいんだよ。すでに3号炉の運転開始が22年度から28年度に繰り下げがかくていされているけれどもさ。それを老婆に鞭打って[pdf]あれかい?浜岡は1,2号炉止めてから地震が来たけどさ、またABWRの健全性が再度確認されちゃったじゃない。


カナダの立ち止まり

2009-06-14

重水炉を抱えるカナダは医療用アイソトープの供給でもトップシェアである。しかし、ルネッサンス直前までの予算不足で運転が順調ではなく、供給不足を来している。5/14に生産炉が停止してしまっていらい、運転再開の目処がつかないのである。2009年秋かとも囁かれていたが、2010年に先送りされるらしい。
良い事か悪い事か日本では看過されているが、日本では心筋シンチよりもマルチスライスCTが興隆して、シンチの比重が下がっているが、欧米では新型インフルエンザの半分くらいの紙面を割いて報道されている。
52年にも渡って稼働してきた研究炉NRUが2016年にも閉鎖されるが、その後継はいまだ見えていない。Tories call AECL '$30 billion sinkhole,' no more cash for new reactor [The Canadian Press 2006-06-11]と予算はドブに棄てる様な物だとつれない。
発電炉ももたついているとアレバ取られてしまうかもしれない。


三菱のやる気

2009-06-14

とにかく、3号炉は臨界に漕ぎ着けたし、川内の炉は九電が手を挙げた。寿命延長でも蒸気発生器や格納容器の売り上げは続くし、70inchの羽など出力向上改善工事の事案でも対応できる[pdf]。一番良いのはもちろんAPWRへのリプレースだが、廃炉が無いだけでもありがたい。アレバと組んで、「沸騰水型炉」の燃料棒納入も含めて3サイトに持ち込んだし、明日もご飯は喰いつなげるだろう。
FY2010は随分と予算が絞られ審査も遅れ勝ちになるかもしれないが。


反核非核

2009-04-23

伏線としてチェコでのオバマ演説があったのかもしれない。戦略核兵器に触れているだけでなく、核のエネルギー利用やサイクルについても言及していた。



やっぱり腰が引けるGNEP

2009-04-21

クリムゾンタイドが流れたマケインの敗北宣言以来、腰が引けていたが、オバマ政権はサバンナ河の再処理施設の推進に否定的な見解を示した[共同2009-04-21]、アレバや三菱の仕事量が減るのは気にしないが、日本の核燃料サイクルに対して、北朝鮮と同列の扱いを強いる政策転換になりうるのではなかろうかと、危惧した下の記載が現実の物となったのは、悔やまれる。

US GNEP programme dead, DOE confirms[Nuclear Engineering international Wednesday, April 15, 2009 ]

乾式再転換

2009-04-21

備えアレバ、技術導入もし易い。住友金属鉱山や人形峠での検討[pdf]など国内でも二酸化ウランへの転換技術で乾式のものがあるが、三菱原子力燃料は株主の一員であるアレバから技術導入する[日刊工業 2009-04-17]


さて、上手くいくか8年ぶりのMOXとその先

2009-03-08

九州電力ほかのMOX燃料がシェルブールを出航した。8年前にも輸送があったが、いずれも製造過程の不手際から本格的な利用には至っていない。今回の燃料が届き、架装されてには玄海3号で臨界に入れば、核燃料リサイクルの商用利用が本格化される。

しかし、リサイクルされるのはPuだけである。今の枠組みでは高速炉・高速増殖炉は端緒にすらついていない。返す返すも新型転換炉と劣化ウランや回収ウランへのプルトニウム富化という身の丈にあったリサイクルを放棄したのが悔やまれる。Na炉の困難さは別として、マイナーアクチノイドなどの高レベル廃棄物の行く先が定まらない。
その解の一つは再処理しないことだが、その他の解として未臨界炉による核変換が想定されている。その第一歩として、京都大学がモリブデンをターゲットとして加速器から高速中性子を吹き込む実験を開始する。


なんだ、デモクラットか

2009-01-23

民主党は核に関して、反日的である。炭酸ガス対策を持ち出し名を売ったゴアは副大統領候補であった折に日仏に対してプルトニウム利用を反対した。そのゴアが加わったクリントン政権でも、兵器級プルトニウムの消滅は別として、日仏のプルトニウム利用に対して大変生暖かい目を向け一方で、在京大使館から朝鮮に示しがつかんなどの公電を発しさせている。
そもそも、原爆投下も民主党政権であった。「1978年核不拡散法」を持ち出したのは自身が海軍で原子力に携わった経験を持つカーターであった。
このところGNEPという風通しのよい制度や米印原子力協定の締結など共和党は融和的であった。1955年に日米の旧原子力協定が結ばれたがそのときは共和党のアイクが大統領であった。現行の日米原子力協定はレーガン政権下で昭和63年結ばれた。

Changeは当然の様に訪れるものと考えて良いのかもしれない。[原産新聞12/18日号]

三菱原子力燃料にアレバ出資

2008-12-03

MOX燃料の製造で提携しているが、その販売窓口の価値も認めたのか、アレバ三菱原子力燃料に出資する。三菱マテリアルの持株の引き受けと第三者割当を受ける[NIKKEI 2008-12-21]。GEと日立、東芝とカザフ・ロシアのアライアンスに続く。


次世代原子力システム用EHP®

2008-12-14

文部科学省から受託した平成17〜20年度「原子力システム研究開発事業」による成果としてコベルコは割れ等の高経年化事象のリスクが大きく下げ溶接材料に母材と同一材を用いる「共材溶接」が可能なオーステナイト合金の商業生産技術を、独立行政法人日本原子力研究開発機構と共同で確立した。


テキサス州コマンチピーク原発の摘要書を作成

2008-12-03

三菱重工が12%を出資するテキサスのサイトの書類をNRCに提出した。
2009年1月30日、建設運転一括許可がおりるまでをつなぎ本事業の開発費用を負担する合弁事業会社Comanche Peak Nuclear Power Companyを設立した。


頑張り方にも限界がある

2008-09-25

8月の段階では値段に隔たりがあり難航していた一株765ペンスの仏EDFによる買収提案が、9月24日774ペンス総額125億ポンドで英BEの取締役会の全会一致の承認を得た。
これにより、欧州加圧水炉による建設が確実になった。ヒンクレイに2基、サイズウェルに2基の合計640万kWの増設予定となる。
EDFは取得後に英Centricaに25%の株式を売却する。

応力腐食割れ

2008-08-17

大飯発電所3号機Aループ出口管台の600系ニッケル基合金溶接部1箇所でみつかった傷、約74.6ミリの配管を70mmに削る工事計画認可申請書を提出するが、64mmに変更ののち、傷が残っている部分を含めた箱状(軸方向約11cm、周方向約13cm)の部分のみを64mmから53mmに変更し、59.1mmまで削ってもまだ傷が見えるとのこと[関西電力プレスリリース2008-08-15]。


三菱の未来予想図

2008-05-31

アフリカ援助の会議が終わったばかりだが、政治さえ安定すればアフリカは拓けた土地である。飢餓の援助どころではなく、農業産品を無関税で日本が輸入してくれれば我々は潤うという国も多いのである。もちろん、格差社会が前提であるが、それも多様性とみなせば、南アフリカの様に我々式ガス冷却炉を目指している国もある (17万kW級 PBMRA1 南ア PBMR社)。三菱はかねてからコミットメントしてきたが[pdf]。デモ機開発中(2013年運転開始予定)商用機 24基を建設予定を唱っている。
それよりも長期ビジョン[pdf]で眼を疑ったのは主要発電設備の需要動向変化 主要発電設備の需要動向変化でこの1、2年のうちに風力が水力を抜き2012年には全世界で50ギガワット/年の設備投資が風力に行われるという需要予測である。もっとも、設備稼働率が2割で10mの風が吹かなければ満足に発電も出来ない風力発電なので発電量実績は下回るが、売り上げが見込める分野に注力するのは企業として当然の姿勢であろう。


もんじゅのオカワリ

2008-05-31

プルトニウムにはよく燃えるPu239がある。それだけならばよいのだが、もんじゅは長年炉内に旧燃料を装荷していたPu241の一部がアメリシウム(Am241)になり両者の含量が既に逆転し臨界に達しないため新燃料の交換が起動には必要[pdf]となり5月に輸送がおこなわれた[pdf]。

燃料の取り換えは長期停止により炉心に装荷している燃料が劣化し、現状では臨界させることが難しいための措置。原子炉起動前に炉心の燃料198体のうち78体を現在、もんじゅと茨城県東海村の原子力機構施設に保管している燃料に交換する。今回(5月16日午前6時半ごろ)は東海村から18体の燃料が搬入された。[福井新聞 2008-05-16]

AREVAの半分はドイツで出来ている

2008-03-17

東芝は原燃工を買い取ったりロシアやカザフに手を伸ばしたりあたふたしているが、三菱も負けない。AREVAと組んで沸騰水型の燃料も手がけるという。AREVAにはドイツで培った沸騰水型の経験があり、日本で日立や東芝が手がけていても経験の薄いMOX燃料のBWR商業炉での経験もドイツのグンドレミンゲンB・C号機など深い[pdf]。
さらには三菱が南アで取り組むPebble-bedガス冷却炉の経験もドイツにはある。
棲み分けは崩れつつある。

Anne Lauvergeon and Kazuo Tsukuda signed a Memorandum Of Understanding to contemplate the establishment of a joint business organization for supply of PWR, BWR, MOX and Gas Reactor fuels. The implementation of this formation is expected by the end of this year. [AREVA 2008-04-11]

セミナーにプレゼンしたよ

2008-03-17

インドネシアとかベトナムには接待旅行を含め、数十年にわたる売り込みをしているが、さてEU-APWR[pdf]だなんて打ち上げて、手を広げ過ぎではなかろうか?

EU-APWRのEUR申請に向けた取り組みの第一弾として、当社は13、14の両日、「EU-APWRセミナー」をベルギーの首都ブリュッセルで開催した。英、仏、独、ベルギー、スペイン、フィンランド、チェコなどから有力な電力会社13社 [MHI 2008-03-17]

具体的には英国が一番の狙いめで、WHの炉の建て替えが二番手かということでは旧ユーゴか.
[2009-02-08追記]そうはいっても170万Kwの発電能力は過剰、一部の炉を止め[pdf]足踏みしていたが原発見直しに入ったスウェーデンにしても、旧炉の立て替えなら、ATEMAの炉か?制御棒など取り替え部品の輸出実績が積み重なっている。


ナトリウム冷却高速実証炉の国際標準化

2008-02-07

何を守れば、安全と見なせるか?航空だろうが土木だろうが冷凍食品だろうが?基準作りは難しい、規格の策定でミスがあると国外からは採用してもらえない。PDCとか。PWRなどは下請けで規格通りのものを作ってきた実績が原子力輸出を含む100以上の案件に結びついている。せっかくナトリウム炉を作っても、オレオレ規格だと輸出も出来ない。

独立行政法人日本原子力研究開発機構は、フランス共和国原子力庁及び米国エネルギー省と、ナトリウム冷却高速実証炉の協力に関する覚書を策定し、署名しましたのでお知らせいたします。{METI 2008-02-01]

新世代の原子炉とアメリカ

2008-01-03

US-APWRの申請は既定方針だが、一応日経が記事を書いている。

型式認定は米国で商業炉を販売するために必要な手続き。現地の複数の電力大手との受注交渉が本格化していることから、三菱重工業は2日、国内の原発大手で初めて申請した。2009年末の認可を見込む。[NIkkei Web 2008-01-03]

でも、DOEの文書では、2011年に承認が得られればと控えめである。予め2007年6月に"ご説明"に上がった時の文書はこちら[pdf]。

ともあれ、US-APWRだの4Sだのの説明をwikiに求めるのは公文書として如何なものかと、思われる。

ちなみに、GEと組んだ日立の芽はもう少し良く伸びている[pdf]。3サイト3基ESBWRがとっていてESP(Early site permits)を通過しているのもESBWRの2基だけである。東芝は1サイト2基、三菱も1サイト2基で、WHのAP1000の6サイト12基やアレバのEPR5サイト5基程は伸びていない。


玉石混淆

2007-12-30

使用済み燃料には色々なものが含まれる、欲しいのはU235とPu239だけである。
しかし、AmやCmを綺麗に分別して使うか、NpやAmなどマイナーアクチノイドを高速炉で照射して長寿命核種で無くしてしまう低除染、それとももっと極端なのはワンスルーで使用済み燃料をそのまま地層処分してしまう考え方まで様々である。

さて、公害対策で今後需要が高まるのは、白金族の需要である。金と違い白金はパラジウムはと高騰している。看過されているBRICsやVISTAなどの国での排ガス規制や工場煤煙の処理それに化学プラントや燃料電池の普及が進めばさらに受給は逼迫する。レアメタルに対してはカントリーリスクもある。
白金や金は含まれないが、パラジウムなどは使用済み燃料に含まれる[放射性廃棄物から有用稀金属の分離・利用を目指して 2007-12-20]によると30kgほどの白金族が含まれるという。
カナダの生産炉の支障によりMo99の生産が停止し、核医学分野で必要とされるテクネチウムの供給が危ぶまれることも今年はあった

有用物だからというだけではなく、処分費用の嵩む廃棄物の減容などに役立つかも含めて検討が必要である。分離技術により発熱量の多いストロンチウムやセシウムを分離すれば、現在200度と高温の使用済み燃料の管理が幾らか容易になり、中間処分施設や最終処分場の面積を小さく出来る可能性もある。一方で熱利用の面でストロンチウムやセシウムが有効利用出来る可能性もある。1tの使用済み燃料から計3.3kgのセシウムやストロンチウムが得られる。熱出力で12.5kWが供給される。


呉越同舟

2007-12-02

仕事が欲しければ、出資しなきゃという奉加帳行政ではあるまいに、という話はちょっと前の日本でも、甘利の土下座行脚のあとの南アフリカでも、通じない。PBMRのシステムに大きく関与する三菱にも「出資のお願い」が回ってきたらしい[nikkei 2007-12-01]

PBMRの株主である東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)は同政府の要請に応じて増資を引き受ける方針。

気の長い話-UK-

2007-11-29

英国も、あるいは豪州すらも、原子力発電の回帰を目指そうとする昨今。
アングロサクソンは気が長い、まぁ、そう云う訳ではないのだが、来年2008年の原子力発電への新規投資の検討を前にBritish Energyが発表した文章[2007-11-27]は「今の原子力発電所立地は100年後の気候変動に耐えられるか?」であった。雨量が多くなり洪水に、また高潮のおそれがあり、特に南東部のSizewellやBradwellなどでは1.7mほど高潮被害の可能性を多く見積もる必要があるらしい。

Bradwell:The site of the station structures should be raised, and the existing coastal protection and flood defences upgraded and maintained to mitigate against increasing erosive potential and flood risk.

日本でも、気候変動とは別に砂丘の浸食など海岸線の変化を抱える原子炉立地がある。リアス式の海岸を削るようの所ばかりではないので、今後同じ様な検討がなされて行く物と考えられる。埋め立て地に位置する火力発電所の方が切実かも知れない。


塵も積もれば

2007-10-08

これはあくまで安全性の追求なんです。ほら炉の型は違うし、あれは日立の仕事ですけど、志賀とか浜岡とかあったでしょ。伊方でも低圧タービンの応力腐食割れがあったんです。だから敦賀も取り替えねばとおもって。安心安全の為なんです。でも今のタービン技術で54inの翼を使ってしまうと原子炉定格熱出力運転では電気出力が3%強良くなっちゃうんです。かといって中途半端に原子炉の出力を下げる訳にも行かないでしょう。良くなっちゃうけど、許して、ねっお願い[福井県H18.8/20 pdf]・[日本原電 H19.1/18 pdf]。


便所の落書き

2007-09-28

不審火などの問題の解決が出来ない泊原発。非常用ディーゼル発電機起動不能についてはゴミが詰め込まれていた[pdf]とか。これは、地震という訳の判る筋の通った柏崎刈羽と違い、大変に重篤な問題である。


どうした、負けるな東芝

2007-09-28

AP-1000を買っても、CAP-600の過去のいきさつやらで、実績のある三菱に、三門原発の二次系は流れるの〜っと。まぁ、実績優先だよね。向こうで組んでいるハルビンの会社もWH買ったから、東芝と組み直してって云いにくいしね。でも、圧力容器までそんなだと、磯子に設備投資するIHIも浮かばれないわ。


南アフリカ詣で

2007-09-28

甘利さんは第二次安倍内閣組閣後のインタビューで「カザフの次に、マダガスカルとか南アフリカに」と資源外交をと熱を上げていた。福田内閣でも再任なって、10月にレアメタルの買い付けと、原子炉も売り込みにいくらしい。軽水炉にも活路はあるか?

飛ばし過ぎ

2007-08-20

部族社会と元共産主義国の張り合わせで十分な規制当局の育成するだけの人材も無さそうな「イエメン」売って建設して代金だけ巻き上げ、燃料棒の供給無しのなんちゃってなら兎も角、「イエメン政府当局者によると、サレハ大統領は6月にフランスを訪問した際、同国政府高官と核エネルギー生産に関する協力で意見を交わしたという。[AFP=時事]」なんてフランス人って本当に腐爛鬆だな。


受注は三菱3

2007-06-27

フランスは自国製の原子炉に拘らない[電気新聞2007-06-27]。そんなに入れ込まれても三菱照れちゃう。それとも奴らは核融合に本気なのか〜


受注は三菱2

2007-06-22

そうすんなりとは行かないけれど、アレバと組んだ三菱はGNEPに応募し、アレバが再処理を三菱がループ式ナトリウム炉をというジョイントで、米側に提案するとのこと。US-APWRの輸出にアレバとの3ループ方式の第3世代型PWRの開発と案件の続く海外事業に専門部署も設けるが、あぁ描いている姿は実を結ぶのであろうか。
ジェット機のMRJよりよいだろうけど。それに神戸にできる京速電算機も少しは力になれるかな?

船頭多くして船山に登る

2007-06-13

ロシアは仕方ないかもしれない。仮にも原子力潜水艦や発電用商業炉を運用しているノウハウの溢れた国だ。米国よりも頼りになる。でも、中国は如何なものか[NIKKEI WEB 2007-06-11]?3人集まると3つ派閥が出来るというではないか。


GEだけじゃなくてカナダも?

2007-05-17

GEと作った日本の合弁の会社の発表があった。これに加えて、朝日新聞はカナダの会社も米国での合弁に加わると云っている。中国泰山原発に重水炉をカナダが輸出した時の発電機やタービンは日立製であったが、これもラインナップに加えましょうということなのか。本体が原子力を切り離した後、カナダとだけは本体が商談を続けるというのも面倒だが、ABWRにしてもESBWRにしても、アルゼンチンやブラジルを含めた輸出市場には適切な大きさとは限らない事を鑑みるとラインナップに幅があったほうがいいといえばいい。


オセロ

2007-05-02

朝鮮系のソウ゛ィエト市民はカザフスタンなどの中央アジアに移住させられた。カザフの0.5%の人口比重を占める。それもあってか、カザフへの喰い込みは韓国の方が先んじていたが、この連休の甘利大臣他の訪問では一回ひっくり返った。
韓国は精鉱での輸入にこだわったが、それが通じなかったとの事(朝日05月02日06時25分)。
燃料集合体の現地生産などのお土産つきであるが。さて、上手く技術移転ができるか?過剰品質とバッシングの日本の原子力。指導と行っても割り切った現地の人たちには「なにそれ?」と噛み合ない可能性がある。原爆の生産など、まったくの白紙状態な訳でもなく、適当に合理化されても、「困る」のは英国産のMOX燃料で懲りた通り。


「きぼう」はあるか?日米の原子力

2007-04-24

露語や仏語ほど交渉に気を使う事はないが、さてこのたびの日米原子力エネルギー共同行動計画は、既視感が拭えない。なにかというと、国際宇宙ステーション計画である。きぼうの打ち上げは、2度のスペースシャトルの墜落により延期延期を重ねている。2003年4月に土浦港から船積みされて、米国に着いた後も保管などの経費が嵩んでいる。減価償却や金利なども考えると頭が痛い。もちろん、同じ事は日本の宇宙開発やさらには原発サイトにも重複する事であるが、国内だけでなく相手のあること。輸出保険もすんなりおろすのであろうか?フィリピンの原発の中止のように大統領選挙一つで変わってしまう。さらにはナトリウム炉の開発であるが、これもフランス程ブレない政策を推し進める国とちがい、市況に左右される米国相手では、やや不安が残る。


受注は三菱

2007-04-18

PWRによるループ式・細管の設計経験と、常陽などの炉心設計経験から三菱に決まった、高速増殖炉開発の中核会社、まぁ飛行機もロケットも相乗りだけど。


解体核

2007-04-18


概ね解体は終わり需給調整も終わったとおもわれるが、回収ウランの再濃縮より、解体核の富化でもいいじゃんと考えると、ロシアって魅力的。解体原潜炉の燃料棒だって伊達に薄くはないけど。原産大会にきて温首相の来日とかち合って影の無かったキリエンコ長官のはなしだと4月のうちに査察の話し合いを開始するらしいが。


査察受け入れ

2007-04-05

アエロフロートがアリタリアを買う時代。ロシアは石油をはじめとする資源高が押せ押せになっているが、民生品に営業特化したアトムプロム(Atomprm)を設立している。ロシア原子力庁のキリエンコ長官が、東シベリアの濃縮工場を民生専門に指定し査察対象とする事に異存がないと表明し、IAEAの査察受け入れ実現への「障害はない」と語った。回収ウランの委託が現実味を帯びて来た。でも、原潜の解体核で富化するようなインチキが通るかもしれない(ry


肝属って、肝っ玉小さいのね

2007-03-27

余り地盤も良くない様な所だけれど、高齢化率も50%を超した南大隅の佐多も高レベル廃棄物の処分場に立候補。ジモティの大石先生の代替空港によると、「楽勝!」
「旧佐多町の辺塚射撃場の西側の地域を考えている」とのことであったが、伊藤知事が報道陣に「県としては全くそれ(誘致)に対応するつもりはありません。安心安全な農産物をこれから鹿児島最大の産物にしようと一生懸命努力しているところでもありますから、それに悪い影響があるものはやっぱりやめるべきと思いますね」と云った途端、税所町長は、一転、誘致計画を断念する意向との事。県知事さん、川内原発は何処にあるの?


テキサスで受注MHI

2007-03-14

三菱がとったの?折角、WH買ったのに?あれまぁ、でも談合問題調べものしようとしたらHPを閉じてしまうのも困り者だわ〜


ぶら下がり

H19.3/3

経済産業大臣の会見がなく、朝の国会でのぶら下がりだったらしい。友遠方より来るといっても、足下の火事、記者の質問は「東電のデータ改ざん」「日中中間線ガス田」に向けられて、大臣は「特に、原子力分野ではウラン探鉱・濃縮、そして原子力プラント関連事業等の今後の協力の可能性について、意見の一致をみました。また、首相間で原子力協定締結交渉開始に合意しました。」と水を向けても、記者は喰いつかなかったらしい。細かい話は、まだ先にしかこぼれて来ない。
石播と東芝のロシア型原子炉の話か?


回収ウランって、まじ?

H19.2/21

英国に再処理をお願いして6,000t余りの回収ウランが彼の地にあり、引き取りを求められているらしい。たしかに置いておく場所もない。回収ウランを用いて島根原発女川原発に燃料体を装架した実績はあるが、東海村の再処理工場由来であり、人形峠の施設を共用して実験規模で作ったもの、まだたいした量ではない。超ウラン廃棄物などイエローケーキより放射能が強く、さて、かといってそれ専門の転換工場に濃縮工場にと言う訳にもいかない。ATRの目論みとしては微富化ウランである回収ウラン(1.0%)にプルトニウムをトッピングという技を狙ったのだが、チャラにされてしまっている。で、ロシアに頼むらしい。読売新聞2007-02-21Web版。ロシアの再処理技術のリポートはこちらのpdf


大人の恋は焦らずゆっくり

H19.1/5

フィンランドの圧力容器を三菱の神戸造船所が取ったが、計画そのものは遅れるらしい。日本と違い土地収用とか云うのではなく、「技術的問題」これではAP1000にアレバも勝てないなぁ、だってCAP600という事前演習をした上でのAP1000だもの。もっとも、泰山で圧力容器を買った三菱ではなく石播の圧力容器というと腰が引けるかも知らないし。話がそれた、アレバは「建設の遅れは当初案に無理があったためで、技術的な問題が生じたわけではない」と説明している。[日経H18.1/5]


昔の仲

H18.12/31

原発の能力拡張に、GEが三菱と組み、タービン系を三菱が、BWRをGEが…、一瞬WHを買った東芝やタービンを飛ばした日立が腑甲斐ないのかとおもったら、その腑はもともと70年代にMHIが応札。


モジュール化

H18.12/10

部品を組み立ててからサイトに運べば建設期間を短縮出来るのはわかるし、原子力事業を統合したのもわかるけど、さて日立がつくる工場なのだろうか?日本の様にすべからく臨海部に原発がある訳でもなくデカブツ運び易いのだろうか。3年が半年にという建設期間の短縮見積もりは過大ではなかろうか。政治情勢が変わる前に急いで造らないとまたバンされても困るし、建設期間の短縮で利回りを維持したいのはわかるし、工場での組み立てて精度を維持したいのも判るけど。


とりあえずつくってみるしか

H18.12/1

加圧水型の圧力容器や蒸気発生装置を作ってみる事になったIHI。設備投資は50億円人員は170名増の820人で2009年から生産に着手、主力は磯子の横浜工場という。思ったより安く早くできるようである。沸騰水型といっても1気圧じゃないけど、でも仕様から自分の手に掛かっているABWRと違い、ぶっつけ本番に近いものでもあろう、一品生産だからといっても、発注側だって、「ご指名」したくなるのではなかろうかMHIに


定石堅く

H18.11/15

日立とGEがお互いのポケットに手を突っ込んだ。まぁあるべき姿であろう。GEは東芝とは日立ほどの協力をする予定は無いと云っている。それはWHに情報をながしたくはないであろう。しかし、突っ込みが足らないのはガスタービンで合弁しているのは東芝とであって日立ではない。この縺れをどうするか。どうしなくても構わないのだが、日立はブレードを跳ばしているので後は無い。


大人の事情

H18.11/4

三菱がGEと話し合いを持つそうである。米国に加圧水型原子力発電所の販売会社を用意したMHIだが、GEにPWRの引き合いがあった折りにはウチの新型炉をシステムインテグレートして見てくださいという持ちかけを今後検討したらどうか?という話らしい。
日立の蒸気タービンの12段目が蒸気の逆流などの結果破断したのは痛かったが、GEに身を寄せていた日立としては、あからさまにケチをつけられた次第になる。GEが取った商談がMHIに流れるとなると涙目である。これも、東芝がPWRのWHを買い取った事から始まるコラテラルダメージであろうか?

(MHI)佃和夫社長は31日の決算説明会で、「米複合企業ゼネラル・エレクトリック…具体的な話はしていない」と語った。「原発プラント全体としては2次系で協調していく可能性はあり得るが、現時点で何も申し上げるものはない」と述べた。(時事通信) 11月1日6時4分更新

大人の恋

H18.10/20

WHは東芝の手に落ちた。しかし、丸紅には逃げられ、かなり深手をおった。丸紅も丸紅である。ダイエーを買収するのに資金が要る、短期的な回収に疑問があるからといって、ダイエーをイオンに渡すセドリで稼ぐなら、それはホリエモンだろうに…

好きな人に逃げられたのはWHも一緒である。相思相愛であった筈の三菱には「金色夜叉」ばりに「金に転んだ恋人」のようなあしらいを受けている。恋敵の欧州アレバに三菱は靡いてしまったのだから痛い事は仕方ない。中国の案件にはアレバと組みWHとは組まない。
中国の案件を売り上げに組み込んで入札に参加した東芝には痛い事この上なかろう。これを見据えて丸紅も逃げただろうに。
対中輸出ではESBWRの方が、リスク分散という意味で東芝向きであろうに。WH+東芝の組み合わせで中国に立ち向かうのは相手が共産国であるだけ辛かろう。その点、リスク分散の相手として同じ中華思想の持ち主のフランスの方が与し易い。


えっ?東芝


切磋琢磨、原子力輸出

H18.7/21

7/21付けの電気新聞は、濃かった。回収ウランの利用開発の予算は請求するは、4Sの輸出許可を取り付けるは。日立製のABWRの低圧タービンを押しのけて、景気のいい事だけ抜いてきた。沸騰水型タービンのほうは東芝GEタービンサービスもあるけど。

で、元気がいいのは、やはり三菱。スロベキアにあるクルスコ原子力発電所(WH製)のタービンの取り替えを受注したらしい。
さらに、WHを東芝に奪われたので、敦賀3,4号機に向けて開発していたAPWRを米国向けに仕様を整えてだすように、販売会社も準備するらしい。上部圧力容器については既に米国原発の半数を三菱製のものでの取り替えがなされており販売会社が必要なのは間違えないが。


増殖炉?高速炉?

H18.3/31

高速増殖炉サイクルの実用化戦略フェーズII最終報告書が2006年3月に原子力開発機構と日本原子力発電(株)から出された
やはり複雑な炉型であって、実用化への努力が傾注されるべきとは思うものの、もっと手前の段階で十分経験を積まないと仕方がないように思われる。
まず、ナトリウム冷却炉については大規模な商業化をしたものが無く、液体金属冷却方式は工学試験炉としても経験が浅い。これがガス冷却炉であれば、炭酸ガスの経験があり実際に商業炉として運転されていたし、ヘリウムについても漏れて困るようなものではなく、すべて不活性気体なので施設の耐久性について、思い悩むところが少ない。
それなのに、どうして大きな炉が望まれるかというと、工学的困難さを撥ね除ける、社会的な要求があるからとしか思われない。

敷地の交渉、意見集約、大規模事故時の対応対策、電源開発の補助金…

小型炉でも大型炉でも同じような法的行政的手続きを踏み市民団体も同じ対応をしてくる

このヒトを納得させる社会的コスト、金銭と人的資源と時間、この3つを小型分散型電源では価格負担力が不十分で背負いきれない。
工学的リスク、送電線の建設やピークトラフの負荷への対応を勘案しても、大型炉のほうが社会的コスト負担力が勝ってしまう。

以上は、愚痴。さて、高速増殖炉は、やはり将来に取り置きしておいた方が良いと考える。
まず手前でいろいろと工学的経験を積むべきだ。
ナトリウム炉が欲しいのなら東芝の4SやGEのPRISMを運転してナトリウム炉についての経験を積み、また高速炉にのみ可能な「燃焼炉」プルトニウムや超ウラン元素の消滅に、資して頂き、「核のゴミ焼却炉」としてのコストを公共から受け取り、軽水発電炉との価格負担力を埋めるのが、理想的と思われる。Fast Breeder ReactorではなくFast Burner Reactorにとどめよう。
先のフェーズII最終報告書のポンチ絵、複雑な配管の取り回しである。それを避けるためにはABWRはインターナルポンプを炉に組み込んでしまっている。4Sは若干の効率低下に眼を瞑り、電磁路で静的に流量を確保しようとしている。4Sも長い寿命という背伸びをせずに、20年以下に再設計してから次のステップに進むと良いと思う。

金属炉の経験を4Sで積むとして、核燃料サイクルを先送りするにはどうしたら良いだろうか、高速炉で無くても転換炉なら超ウラン元素を燃焼させることができる。その一つは大間に建設されるはずだったがfull MOX−ABWRに後退してしまった。

日立はResource-Renewable BWR(R-BWR)を提唱している。これを選択枝とはしないのであろうか。軽水炉の運転実績を応用でき、TURを炉内で燃焼できる。工学的困難さは技術開発のために動機付けとして必要かもしれないが、いまあるTURの処分、核拡散を防ぐための低除染燃料、分散型小型炉を広く普及させるために、法整備や審査を含む人的資源や予算を集中させる時期だと思われる[プルトニウム50号 pdf]。
インドネシアは産炭国でもあり産油国で天然ガスの主要な輸出国である。しかし、人口も多く輸出した低硫黄油と石油製品の輸入を差し引きすると純輸入国になっている。いつまでも天然ガスを輸出できず長期契約も更新できるか不透明である。


三菱重工一人勝ち?ペブルベッドモジュール型高温ガス炉の制作受注

H17.12/7

世界はそんなに物造りの力を失ってしまっているのだろうか?フィンランドやフランスの圧力容器をMHIの神戸造船所が取ったのにつづいて、南アフリカが開発を進めているPBMRの炉内構造物デモ機基本設計および材料調達を受注した。PBMRは使い捨ての使用済み燃料の嵩がかさむという欠点があるが、小規模のオンサイト電源として魅力があるとされている。

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