名古屋第二日赤および増子病院へ通院中の腎移植患者様へ
インフルエンザ予防接種について

今回はインフルエンザ予防接種についてです。
すでにインフルエンザ感染患者様の情報も入ってきており、増子記念病院で移植患者様のワクチン接種を開始しています。名古屋第二赤十字病院 移植外科ではインフルエンザワクチン接種を行っていませんので、名古屋第二赤十字病院通院中の方も増子記念病院で接種していただいています。

【増子記念病院でのインフルエンザ予防接種方法】
①増子記念病院に定期通院中の方
病院受付けで予防接種の希望を伝える。

問診票を受け取り記入する。検温をする。

記入した問診票を診察室で提出する。
医師の診察を受ける。

処置室で予防接種を行う。

②名古屋第二赤十字病院に定期通院中の方
☆あらかじめ増子記念病院外来に来院日と時間をご連絡下さい。
増子記念病院外来直通 (052)451-1541
受付けで名古屋第二日赤十字病院通院中の移植患者様であることを伝える。

問診票を受け取り記入する。検温をする。

記入した問診票を診察室で提出する。
医師の診察を受ける。

処置室で予防接種を行う。

③接種日時:火曜・土曜 9:00~12:00
増子記念病院に通院中の方は受診日に合わせて行えます、ワクチン接種の予約は不要です。

④費用:1 回 2,000 円(2回 4,000 円)ドナー様も同料金です。
☆名古屋第二赤十字病院に通院中の患者様にご注意
事前の予約と当日の受付け時に移植患者様であることを申し出がない場合は集団接種料金の適応外となり、一般接種料金になりますので必ずご連絡下さい。
※名古屋市民で満60 歳~65 歳未満の身体障害者手帳をお持ちの方(腎移植の患者さん)は1 シーズン1 回の接種が公費負担の対象となるので1,000 円となります。必ず身体障害者手帳をお持ち下さい、手帳の提出が無いと公費負担外になってしまいます。
※名古屋市民で満65 歳以上の方は1 シーズン1 回の接種が公費負担の対象となり1,000 円です。

インフルエンザと予防接種
1.インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こります。インフルエンザにかかった人が、咳やくしゃみなどをすることにより、ウイルスが空気中に広がり、それを吸い込むことによって感染します。これを飛沫(ひまつ)核感染といいます。インフルエンザの流行は、通常、初冬~春先にみられますが、ときに春期、夏期にもみられます。典型的なインフルエンザの症状は高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などで、のどの痛み、咳、鼻水などもみられます。普通のかぜに比べて全身症状が強いのが特徴です。気管支炎や肺炎などを合併し、重症することが多いのもインフルエンザの特徴です。
また、インフルエンザは流行が始まると、短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込むという点でも普通のかぜとは異なります。さらに、普通のかぜが流行しても死亡する人はあまり増えませんが、インフルエンザが流行すると、高齢者で死亡率がふだんより高くなるという点でもかぜとは異なります。
2.インフルエンザの予防は?
予防の基本は、流行前に予防接種を受けることです。 これは世界的にも認められている最も有効な予防法です。また、米国予防接種諮問委員会の勧告でも腎不全あるいは免疫抑制状態(免疫抑制剤を服用している患者さん)にある者は予防接種が必要なグループとしています。さらに日本移植学会では移植医療のステージに応じた予防接種ガイドラインの中で毎年の接種を推奨しています。インフルエンザは飛沫感染で広がりますから、人込みは避けましょう。また、常日頃から十分な栄養や休息をとることも大切です。
インフルエンザ感染の広がりには空気の乾燥が関連しています。室内では加湿器などを使って適度な湿度を保ちましょう。外出時のマスクや帰宅時のうがい、手洗いは、かぜの予防と併せておすすめします。
腎移植患者は、抗体を抑える治療をしているため、インフルエンザワクチン接種後の抗体価上昇は健常の人より低いといわれています。そのため、2 回接種が望まれます。また、ワクチン接種後、すぐに抗体ができるわけではありません。十分な効果を持続する期間は5 ヶ月とされており、毎年インフルエンザが流行する前に、接種を受けておくことが必要です。 また、インフルエンザウイルスは、毎年変化しながら流行するため、毎年流行が予測されるウイルスにあった予防接種を受けておくことが効果的です。
我が国のインフルエンザ予防接種は、近年の状況をみると予測したウイルス株と流行したウイルス株はほぼ一致しています。
3.インフルエンザワクチンによる副反応は?
予防接種の注射の跡が、赤みを帯びたり、はれたり、痛んだりすることがありますが、通常2~3 日のうちに治ります。また、熱が出たり、寒気がしたり、頭痛、けん怠感などがみられることがありますが、通常2~3 日のうちに治ります。非常にまれですが、ショックやじんましん、呼吸困難などがあらわれることがあります。
異常があればすぐ医師の診察をうけて下さい。

名古屋第二赤十字病院 移植外科 打田和治
増子記念病院 移植外科 植木常雄
移植コーディネーター 山上孝子