腎移植とは

腎移植とは、慢性腎不全の治療法(腎代替え療法)の一つです。腎移植について、利点・注意点をご説明いたします。



慢性腎不全の方の治療法

慢性腎不全の方の治療には(腎代替え療法といいます血液透析(HD)、腹膜透析(PD)、腎臓移植があります。
どの方法にも一長一短があり、
またどの治療を選んでも一生続けられない場合もあります。
例えば、血液透析は20〜30年が限界で、
腹膜透析は8年以上はやらない方がよいといわれています。
腎移植も腎代替え療法の一つであり、最終の治療ではなく、
生着期間は平均で17年といわれています。
そのため、慢性腎不全の方は一生のライフサイクルを考えながら、
自分に一番あった治療法を選んでゆくことが必要となってきます。

腎移植とは

腎移植には生体腎移植と献腎移植の2つの方法があります。
生体腎移植
生体腎移植は健康な方から、
2つある腎臓の片方をいただいて、移植する方法です。
腎臓を提供する方をドナー(Donor)と呼び、
腎臓をいただく方をレシピエント(Recipient)といいます。
今までは血縁者、特にご両親からご子息へ提供する場合が多かったのですが、
最近では夫婦間での生体腎移植も多くなってきています。
また、透析を経験せずにそのまま腎移植をなさる方
(プレエンプティブ=pre-emptive)も増えてきています。
献腎移植
献腎移植は、腎不全で透析を行っている方が、
事前に日本臓器移植ネットワークに登録し、
献腎移植の可否を検査しておき、献腎が出るまで待機しています。
いざ献腎があった時は、病院に駆けつけて、移植手術をする事になります。

腎移植の利点

ほかの代替え療法と比べて腎移植がすぐれているのは、たとえ、片方であっても正常な(または、それに近い)腎臓が入ることです。
血液透析や腹膜透析では、本来の腎臓の機能の10%程度しか補うことができません。
それが、腎移植をすると50%近く(小児の場合は小さな体に成人の大きな腎臓が入るために100%を越える場合があります)となり、圧倒的に体調がよくなります。

ほかの代替え療法と比べて腎移植がすぐれているのは、たとえ、片方であっても正常な(または、それに近い)腎臓が入ることです。
血液透析や腹膜透析では、本来の腎臓の機能の10%程度しか補うことができません。
それが、腎移植をすると50%近く(小児の場合は小さな体に成人の大きな腎臓が入るために100%を越える場合があります)となり、圧倒的に体調がよくなります。

ご注意いただきたいこと

ただ、気をつけておかなくてはならないのは先にも書いたように、
腎移植が万全の医療ではないということです。
移植腎の生着率は先にも書いたように、『平均』で17年です。
あくまでも平均ですので、1年以内に移植腎が機能しなくなる方も、
30年以上機能している方も見えるということです。
また、免疫抑制剤はずっと内服し続ける必要があり、
長期に内服する弊害についてはまだよくわかっていません。
腎代替え療法は不完全な医療であるため(医療のほとんどがそうなのですが)、
良い点、悪い点をしっかりと把握しながら、治療法を選んでゆく必要があります。